いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

安宅コレクシヨン東京30年振り!

2007年12月13日 10時23分00秒 | 兎に角書きたいの!
 ダンス仲間のご婦人から「安宅コレクション」の入場券を頂いた。美術館は三越前と言うことで、新橋から銀ブラを楽しみながら赴いた。銀座の街路樹は2メートルほどの常緑木に統一されており、その樹木にはクリスマスに備えてかイルミネーション覆われている。この一帯を夜歩いたたらさぞ見事なシルエットを描き出すだろうかと思える風情であった。
 銀座四丁目三越の付近を捜すもお目当ての美術館は見当たらない。車両の交通整理をしていた社員に尋ねたところ、三越本店は日本橋ですと言われた。入場券を確認したところ三越本店と有る。三越と言えば銀座と私は思い込んでいた。地下鉄に乗り「三井美術館」にたどり着いた。入場者は意外に多く関心の高さを知らされた。
 コレクションの展示品は、126点ありその内、国宝2点、重要文化財11点、重要美術品4点とその展示品の内容は豪華なものであった。
 展示品の中に「五彩金襴手婦女形水注」の説明書に疑問を感じた。説明書は、金を使用した陶磁器には、○○、△△…ペルシャ陶器…」と記されていた。
 金を使用したペルシャ陶器に私はお目にかかったことが無く係員の方に聞いてみた。
「ここで金と記述しているところは、ラスター彩のことをさしているのではないでしょうか?」
「調べてきますので少々お待ちください」と快く応じてくれた。
「この図録ではこのように説明されていますが」と示され説明書と同じ文言が並んでいた。
「ペルシャ陶器に、金を使用した陶器はあるのでしようか」と再質問したおころ
「もう一度確認してきます」
「美術館員に確認しましたところ金襴の陶器は存在するとの返答でした」と回答された。
 専門の方が言われたことであり、ありがとう御座いましたととお礼を言い美術館を後にした。
 ペルシャ陶器で本物の金を使用した陶器があるとのことであるが、恐らくその存在は僅少であろうと思う。
 「ラスター彩」は、金属が不足していたことから研究の結果生み出されたものである。釉薬、燃焼温度などなどから金を使用したような陶器が出来上がる。モンゴルの来襲でこのペルシャの技術は途絶えてしまった。
 その途絶えた技法を日本の陶芸家加藤年男(人間国宝)氏が30年来の研究を経てこの技法を再現したのである。世界でただ一人!
 そんな思いがあったものだから、ペルシャ陶器に金が使用されているなどとは思いもよらず、そのような陶器に今まで私は出会ったことが無かった。
 書物で或いは現品で金襴をほどこしたペルシャ陶器に遭遇したい。
今回の安宅コレクションの展示品の全てが、大阪市立東洋陶磁美術館の所蔵品である。大阪市が所蔵する経緯は、色々とあるが今回出品された陶磁器121点は住友グループが大阪市へ寄贈したものであった。
今回、東京30年振り展示の安宅コレクションを鑑賞でき、この機会を与えていただいたダンス仲間のご婦人に感謝申し上げたい。ありがとう御座いました。
コメント
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