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※- 中国:広がる水不足問題 – 英紙 2018年03月02日
3月07日(投稿):2018年03月02日、英紙 『フィナンシャル・タイムズ』 によると、中国経済が水不足(ウオーター・クライシス)に直面している。
水不足がもたらす問題は、経済、社会問題、政治的問題、人口問題、債務膨張問題よりも、もっと深刻と捉えている。
国際的な基準では、国・地域で『1人当たりの年間に使用可能な水資源量』=1700㎥ を下回ると「水ストレス」の状態となり、500㎥ を回ると「絶対的水欠乏」と見なされる。
この数値には、歯磨きに使う水から原子力発電所に使われる水までの全てが含まれる。
記事によると、現在の中国では、1人当たりが年間に使用可能な平均水資源量は=2000㎥。しかし、その8割は南部にあるそうだ。
北部の8省が深刻な水資源不足に陥っており、さらに4省の水資源は不足しているという。
しかも、それらの省は農業生産や発電、工業生産などで全国的に極めて重要な存在でもあるという。
北京と天津、河北省は人口1億1200万人を擁するが、その水資源量は深刻な水不足の警戒ラインを大きく下回る。
中国では過去25年で2万8000本の河川が消失し、地下水位も年々低下。
北京の一部では地盤沈下が発生し、黄河は水量が1940年代の 10分の1 にまで減少。
汚染問題が水不足を助長させるなどの事態も起きているという。
中国政府は南部の水資源を北部に輸送する「南水北調プロジェクト」のほか、海水の淡水化プロジェクトも進めているが、それでも根本的な改善には至っていない。
同プロジェクトのすべての水資源を北京と天津、河北省に注ぎ込んだとしても同地域の水不足は改善に至らないという。
また、海水の淡水化はエネルギー消費が激しく、現実的ではないそうだ。
中国政府は循環型社会への転換や汚染対策、かんがい事業、耐乾性農作物の開発などを進めているが、そのペースは遅いという。
中国が抱える水資源不足は、今後、農産物の価格に止まらず、多方面へ影響が懸念される
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