穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

私の安物読書遍歴

2021-06-23 07:24:53 | 読まずに書評しよう

久しぶりに会った大学時代の友人がびっくりした。

「お前は昔は本なんか読まなかっただろう」と机の上に乱雑に置かれている本の山を見た。そうだな、商学部だったから本なんか読まなかった。教科書ぐらいのものだ、部屋にあった本は。

彼は机の上の本を何冊か取り上げると「小説なんか読むようになったのか」

「何でも読むぜ、哲学書も読むよ」とへーゲル『精神現象学』の翻訳を彼に見せた。彼は「何だいそれは」と気持ち悪そうに眉をひそめて聞いた。さらに一冊取り上げると、「『室内整理のこつ』、、、『おいしいオムレツの作り方』か。まるで読書傾向に統一がないな」

そうなのだ、とにかく毎日大型書店を何軒か回るのが日課なのだ。別に本を探しに行くのではない。一日一万歩を自転車にぶつけられずに達成するには大型書店が一番いい。大型商業施設の中を歩き回るという手もあるが、どうもしょうにあわない。商業施設では漫然と歩いていると人にぶつかる。乳母車(ベビーカー)にぶつけられる。最近は戦車みたいな乳母車が多いから衝突するとケガをする。乗っている幼児は無傷できょとんとして不注意なおいらを不思議そうに見上げる。まったく腹がたつぜ。こっちは親指を骨折しそうになった。

それで書店めぐりが日課になる。時々店内で立ち止まって立ち読みする。出版業界、書店業界の宣伝は不法スレスレなのが多いから、その分アイキャッチ度が高い。ついつい騙されて買ってしまう。一日に一冊以上買うときもある。そんなにしてあがなった本が読みもせずに部屋に(机の上に、床に)放り出してあるのだ。それで友人に言われて、すこし読み始めた。次号でそれらの感想を書いてみよう。

 


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