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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

くみん祭り出店 巾着袋

2011年10月06日 | ハンドメイド

今週末、芝公園でみなと区民祭りが開催され、我々も出店する。
今年はふるさと宮崎県北の物産品のほかに手作りの袋物を販売することになった。
仲間の旺盛な創作意欲にはとても及ばないが、私も20点ほど作った。
作っているうちにどれにも愛着が湧いてきた。しかし売れなくては困る。
完売を願ってブログに画像をとどめておくことにした。

なるだけ材料費をかけずに持っている生地を利用しなければならない。
着物地のハギレがあるので巾着袋を作ることにした。

まずは自分用を作ってみる。正絹の紬で気に入った柄、何か形にしたいと思いながらずっと眠っていたものである。
しかしこの型紙は底面にタックを入れたり、紐通しの部分に微妙なカーブがあり、仕上がりのフォルムは美しいが手がかかりすぎる。
数をこなして、しかも安価でなくてはならないのでオーソドックスな形のものにした。それでも十分手はかかったが。
          
内袋も着物地の裏地があったので利用。左の紬も好きな柄で、数年前母が作ってくれたキルトの手提げ袋が共布だった。
右の柿色の袋は、夫が結婚する友達夫婦にプレゼントしたいということで出せなくなった。

巾着袋を作りながら何度も幼い頃を思い出した。なぜ自分の手元に着物地があるかにはいきさつがある。
実家の隣に和裁をしていたおばさんがいた。子どもがいないこともあってか私のことをとても可愛がってくれた。
2階の和室が仕事場で、窓から私を見つけると「みーしゃん、上がって来ね」と言ってはおやつをくれたものだ。
おばさんは福岡県出身で、私のことをずっと「しゃん」付けで呼び、小学校高学年くらいになって友達といる時に呼ばれると恥ずかしくて聞こえないふりをしたこともあった。
当時は数人のお姉さんがお弟子さんとしていた。プロの和裁士を目指すというより花嫁修業の感じだったのだろう。
おばさんの隣には夏でも火鉢があり、コテが埋まっていた。濡れ布巾でジュッと拭き指先で一瞬温度を確かめて綺麗な生地の上を滑っていく様子に子どもながら見とれたものである。当然ながらものさしは鯨尺だった。
「みーしゃんの好きそうな裂(キレ)を集めておいたよ」と、ハギレをたくさんもらってはままごとの人形遊びに利用していた。
そのおばさんが10年ほど前に亡くなり、家も取り壊された。
取り壊しの時親戚の人と母が行った。押し入れにハギレの入った大きなビニール袋があり母が譲り受けたという。
パッチワークをしている母は、それらを使って着物のパターンの大きなタペストリーを作り、おばさんの供養をした。
帰省の時、その残りの中からいくつか選ってもらったのが手元にあるというわけである。

最後の2点は前述の工房仲間(?)から回ってきた生地を使って作成。
若い方から年配の方用まで揃った気がする。