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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

女4人木曽路旅 3

2011年07月28日 | 


「木曽路はすべて山の中である。」
藤村の「夜明け前」のフレーズのせいか、中山道は昼なお暗い杉木立の道だと勝手にイメージしていた。
しかしこれまでの行程はほとんど明るい日差しの照りつける道だった。
だが馬籠峠からの下りになると、まさにイメージ通りの風景に変わった。
「ほら、時代劇なんかで刺客が潜んでいて『待て!待て!』って出てきそうじゃない?」などと他愛のないおしゃべりをしながら歩いた。
下り坂といっても決して楽チンなわけではない。石畳の凹凸に次の一歩の置き場を選ばなくてはならないし、湧き水が沁み出して湿っている所ではツルッと滑りそうになる。

峠から約700mほど行った所に一石栃立場茶屋(いちこくとちたてばちゃや)があった。

往時は7軒ほどのの茶屋があり、旅人が疲れを癒す休憩地として栄えた所だそうだが、現在残っているのは1軒だけ。
管理人のおじさんがいて、お茶に小梅、キャンディーでもてなしていただいた。
建物保存の為か『志』の箱があったので、みんなでささやかな志をした。
庭に見事な枝垂れ桜があり、「春はきれいでしょうね」と言うと、うれしそうに満開の時期のパネル写真を何枚も見せてくれた。
「ハイカーは新緑、紅葉の頃に集中しているのでほとんど見てもらえなくて残念です。」とおっしゃっていた。
桜の木の下に湧き水がこんこんと溢れていて、ぬるくなったペットボトルの飲み物と入れ替えていただき先を急ぐ。

男垂(おたる)川のせせらぎの音が聴こえてきた。
妻籠側から登ってきた中学生の集団とすれ違う。
全員が「こんにちは!」「こんにちは!」と元気に挨拶してくれ実に清々しい。
それにしても急峻な下り坂でつま先が痛くなる。
皇女和宮の降嫁もこの道を通ったそうだが、お籠を傾けずに担ぐのにさぞや苦労したことだろう。
余談ではあるが検索してみて驚いた。その行列は数十キロメートルにも及んだという。
先頭が妻籠でも最後尾は馬籠どころではない。本隊通過に4~5日かかったとか。興味のある方は。

茶屋のおじさんが「ぜひ見ていくように」と言っていた雄滝・雌滝にも立ち寄った。吉川英治の「宮本武蔵」にも登場するらしい。
雄滝の前で「あのポーズやろう!」ということになった。
ケアンズ旅行の時、ミラミラ滝の前で全員同じポーズをして盛り上がり、後日それをMさんがマウスパッドにしてくれた。
近くにいた人にお願いしてハイポーズ!
木々の間からポツポツと人家や田畑が見えるようになり、大妻籠の看板を撮影したのが15時01分!
妻籠宿の中心部まではさらに20分ほどかかったが目標達成と言っていい。
観光案内所に行くと荷物が届いていた。
付けられたタグの裏面にはこう書いてあった。
「江戸時代、宿場から宿場への荷物輸送のため伝馬制度がありました。お客様方のために、現代の伝馬であればと願います。」
翌日になったがここで「完歩証明書」を発行してもらった。
(翌日で正解だった。なぜなら宿泊した旅館で半額になる券をいただいたから。主婦ですもの、100円の値引きもしっかり!)
証明書は紙ではなくヒノキ製。オーストラリアから来たMさんは英文のものを発行してもらった。
今回の旅の一番の記念、お土産になった。

さあ、早く宿に行って疲れた脚を休めたい!
               ……to be continued.

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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (かん子)
2011-07-28 08:29:25
見知らぬ同士が挨拶を交わす山の流儀はとてもイイ。

でもね、上り坂で息あげて登っているときはチョットつらいよ(経験上)(笑)(笑)

茶屋の炭を燃やしている香りはなんだか懐かしかったし、土間の良さを再確認。いただいた[氷砂糖]は、最高でした。
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Unknown (羽衣あられ)
2011-07-28 21:14:49
おかげで、満開の桜も見られました(*^_^*)

続きを待ちます。

自分も行ったのに、気がつかない事がたくさんあって楽しみです。

それにしても、桜→職人さん→木のボールペン、欲しい!


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Unknown (sonnet)
2011-07-28 22:40:40
かん子様

>土間の良さを再確認。
土間って夏でも少しひんやりしてるんですよね。
懐かしかったです。

羽衣あられ様

>桜→職人さん→木のボールペン、欲しい!
私も惹かれました。
手触りが良さそうで、長年使うといい色になりそう。
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