
福井では永平寺と養浩館と丸岡城に行くことにしていた。
3日午後5時に福井駅で夫と落ち合うので、初日は永平寺観光後福井市に戻って市内にある養浩館。翌日金沢に向かう途中に芦原温泉駅下車して丸岡城に行くプランを立ててみたが、無駄に時間を使う気がした。
永平寺の後に丸岡城に行けないものかとネットで調べてみると、
永平寺 →(丸岡)城入口 → 芦原温泉駅 → 東尋坊
を結ぶ路線バスがあった。
しかも少ない運行本数が自分の観光に要する時間に合わせたかのように都合がいい。午後5時に福井駅に着くことも可能だ。
地方の路線バスの小さなバス停の発車時刻までわかるのだから、今さらながらインターネットの便利さを痛感する。
そういう訳で、永平寺観光の後は坂井市にある丸岡城へ行った。
丸岡城は天守閣だけが残っている小さな城だが、現存する天守閣の中で最も古い建築だそうだ。
以前国宝に指定されたものの福井大震災で損壊し、修復後の現在は重要文化財に指定されている。
天守へ上がる階段には補助ロープが付いていた。
急峻な上ステップの幅が狭く、段間も広くておそるおそる上った。
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」
これは戦国時代の武士が陣中から妻に宛てた短い手紙として中学校の歴史の時間に習ったが、この城に縁があるということで書簡碑があった。文中の「お仙」が後に6代目城主になったそうである。
実はこれまでずっと「お仙」というのは娘の名前だと思っていた。嫡子で幼名「仙千代」、本多成重だった。
縁といえばもうひとつ。
福井に戻る列車の中で、駅で手にした坂井市観光リーフレットを見ていたら、年間イベントの9月に「日向神楽」とあった。
どういうこと?と読んでみると「日向国延岡藩の有馬清純が丸岡に移封された際、一国鎮守・祖先慰霊のこの神楽も伝わったと言われています。」とあった。
歴代のお殿様の中にふるさと延岡から転勤した方が! そして日向神楽が毎年舞われている!初めて訪れた坂井市が近しく感じられた。
午後5時、福井駅の改札口で夫と合流した。
福井県は恐竜の化石が多く出土しているので、観光の最大目玉にしている。
恐竜博物館もあるが、駅舎の壁画も見事だった。
夕食は夫が仕事相手から薦められた「紋や」というお店だった。
旬の岩がきやのどぐろなどどれも美味しかった。
行動を共にしたのはその2時間半だけ。タクシーに乗って私はホテルで降り、夫は東京に帰るため福井駅に向かった。