
何度もそばを通りながら、時間外で入園していなかった。
灼けつく太陽は頭上にあり、帽子をかぶって冷却ジェルパックを薄いスカーフで包んで首に巻いても、5分も歩くとクラクラしてきた。

係員に尋ねると、葛は園外のフェンス沿いにあるということで引き返して探した。
ツルが上に伸びて、花は高い位置の葉影にいくつかあったが、これもまた萎れかけている。
それでも撮っておこうと、無理な姿勢で仰ぎ見ながらシャッターを押していたらめまいがしてきた。

今朝は曇りでいくらかしのぎやすかったので、今のうちにと朝の散歩に行った。
全方位一巡した感じなので、植物園方面にした。
お盆は過ぎたが連日酷暑で、昨日は浜松市で一昨年熊谷市で記録した歴代最高気温タイの41.1°Cだった。
日課の散歩もままならない。
早朝でも熱中症対策の重装備で行かなくてはならない。
6月に水田だった田圃は、飽水になり順調に伸びている。
散歩がてら、手作りエコバッグを届けに友人宅に行った。
折りしも実家からたくさんのジャガイモとたまねぎが送られてきたのでそのお裾分けも持参する。
庭に2匹の猫がいた。
いつもはサッと逃げるのに、今回はカメラに収まるまでじっとしてくれた。
少し心を許してくれるようになったか…。
この2匹は野良の母娘である。
友達のKさんは以前から自宅に猫を一匹飼っている。
数年前チャトラの母猫と黒の仔猫が近所に出没するようになり、餌をやるようになり、家で飼うことにして捕まえようとすると逃げられ、仕方なくせめて不妊手術をしてあげようと苦労して二匹を捕獲、自腹(市から助成金も出る)でやってあげた。
その後は彼女の家の庭をベースにするようになったが、家に入れようとしても頑なに拒否し、現在は半分飼い猫、半分野良の状態である。
庭の隅には発泡スチロール製の寝床やトイレを設置している。
そんないきさつを聞いていた二匹の耳先はV字型にカットされている。
不妊治療をしている証明として、保健所に連れて行かれることはない。
「耳の先をカット?」とちょっと驚いたが、不妊手術の全身麻酔のときに同時に行っているので、痛みはなく出血もほとんどなくベストの処置だそうである。
耳の形がさくらの花びらに似ているので、こうした処置を経た猫たちは「さくらねこ」と呼ばれているらしい。
ネコの柄のエコバッグを喜んでもらえ、庭先での立ち話で辞去し、もう一人の友人宅へ。
そちらは不在で、玄関先にピンクのエコバッグと野菜を置いてきた。
帰宅した頃、「エコバッグがとても気に入った」というお礼の電話があった。
いずこも同じ、彼女も散歩に行っていたという。
途中の教会にも、十字架の窓の下に猫がいた。