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言の葉

2008.11.28 開設
2022.07.01 移設
sonnet wrote.

消えゆく三鷹跨線橋

2023年12月12日 | ノンジャンル
昨夜のニュースで、三鷹跨線橋が歩いて渡れる最終日だと伝えていた。
1929年に建設されて94年、老朽化で撤去されることになったのだそうだ。
ここに行ったのはいつだっただろうと調べてみたら、2009年だった。
(2009年6月19日「桜桃忌」で投稿)
写真もあるはずだと探してみたら、ポータブルHDに残っていた。
14年前に上がってみた時でも、石段も手すりもずいぶん古い印象があった。
 
晩年、三鷹市に住んでいた太宰治が好んで散歩していたそうで、太宰の写っている写真には手すりだけで金網はない。
八王子側に車両センターがある。
自分は鉄オタではないが、幾本ものレールの美しさに見とれ、金網の菱形の隙間から何枚も写真を撮った。
 
ジブリ美術館と山本有三記念館を見た後で時間もなく、改めて来ようと思い、早々に帰ったと記憶している。
15日から3日間、渡り納めのイベントがあるらしいが、それも予約制で申し込み受付終了しているとのこと。行けずじまいになってしまった…。
あの頃は中央線の三鷹界隈まで自転車で易々と出かけていた。
今はとてもできそうにない。
それに、去年から都内バス(都営地下鉄も)のフリーパスを年間1,000円で発行してもらっていることだし…。

障子を張る 貼る

2023年12月06日 | ノンジャンル
夫の実家で障子張りをした。
サッシ窓の内側にあるのだが、経年劣化で紙も弱くなるのだろう。
ましてや前回も素人の私が張ったものである。
張り加減が悪いのか、桟のヘリ辺りが集中して破損している。
傷んでいる段だけを張り替えようかとも思ったが、あちこちに分散している。
いっそ丸ごとやった方が早いかもしれない…。
どちらにしても面倒だなぁ…。
迷いを吹っ切るため、無傷の部分数カ所にパンチを入れて豪快に破いた。
 
障子の張り替えは、張る作業よりこれまでの古い紙を剥がすことの方が大変である。
熱いお湯に布巾を浸し、ゆるく絞って桟の糊を丁寧に拭き取っていく。
今は一面を一気に張れる大判の障子紙があるが、実家に在庫であったのは昔ながらの二段分の巻紙タイプである。これを使い切らなければ!
幼い頃、年の瀬に祖母を手伝ったことを思い出す。
祖母は、冷やご飯をお粥状に煮溶かして糊を作っていた。
障子紙は下の段から張らないといけない。なぜか?と聞かれたことを憶えている。
上からやっていくと、紙を重ねた部分が上を向く。万一めくれた時にそこに埃がたまる。だから重なりが下向きになるよう、下の段から張っていくのだそうだ。
 
多少たるみのある仕上がりになったが、目をつむろう。
敷居に戻すと隣の障子の黄ばみが気になったが、目をつむろう。
 
布巾で湿った障子の桟が乾くまで、別の障子の補修をした。
こちらは小さな破れなので、部分的に貼ればいい。
桜の花と雲は数年前に帰省した時に貼ったもので、今回は斜めに破れている部分に翼を広げた鳥を切り絵にして貼った。
その下の小さな破れは遠景の山のつもりで貼った。
ところがその後、下の段の桟のヘリに亀裂を見つけた。
桜の花が舞っているなら桜並木だということで、カッターで切り絵を作り貼り付けた。
遠景の山の存在がおかしくなるが、目をつむろう。
離れた所にも小さな亀裂があり、そこはバンクシーを模して風船にした。
 
無駄に凝ってしまい、夕方ようやく終了した。
折しも陽が傾き、障子窓の向こう側に来た。
夕日に雲がかかるアングルで再撮影してみた。

久しぶりの帰省

2023年12月05日 | ノンジャンル
11月24日〜29日、久しぶりに帰省した。
夫の実家に一泊して、翌日二人で私の実家へ。
この時期に帰省することは滅多になく、晩秋の風景が懐かしかった。
95歳の母はまだ一人暮らしをしている。
裏手に長兄夫婦の家があり、義姉のサポートがあればこそのことである。
その日はデイサービスに行っているということで、墓参りをした後、施設を見がてら面会に行ってみた。
朝9時に迎えの車が来て、入浴、昼食、椅子に座っての体操、レクレーションなどして午後4時に帰宅するそうで、週2回のそれを楽しみにしていると言う。
服用している薬は一切なく、いろんな検査でも異常はないとのこと。
夜具の支度で2階に上がると、「私にしかわからん」と言いながら階段を上がってくる。
「危ないから下にいて」ときつめに言うと、用事がある時はいつも上がっていると平気な顔で言う。
義姉はそんな行動をハラハラして困ると言い、母は「筍掘りも、柿採りも、栗拾いも危ないと言って行かせてくれない」とつまらなそうである。
だが、会話をすると同じことを何度も繰り返し言ったり、辻褄の合わないことを言ったりする。
そう言えば、久しぶりに私を見ての第一声は「あら、F美」と叔母(母の妹)の名前だった。
 
夫は日帰りで延岡、宮崎へ。私は一泊した。
夜、近所に住む同級生の友達宅にお邪魔して再会した。
翌日はもう一人の同級生と会い、2021年に建てられた役場新庁舎を案内してもらった。
あいにく日曜日で図書館だけが開いていた。
道の駅青雲橋に送ってもらい、そこで友人と別れた。
 
午後は、義姉が車で延岡駅まで送ってくれた。
当日メールしたにもかかわらず、高校時代の友人二人が会ってくれることになり、駅ビル内のスターバックスで1時間ほどお喋りした。
話題は高校時代のこと、そして最近の体調である。
無断でお二人をアップ。マスクしているのでお許しあれ
 
人生の四季を青春、朱夏、白秋、玄冬で例えられるが、それぞれの季節の区切りは何歳だろう?
古稀を過ぎた我々は、秋過ぎて冬に入っているのだろうか?
2010年の投稿でも書いた三好達治の詩「汝の薪をはこべ」を再度アップしよう。
あの時は確かに人生の秋だった。
 
汝の薪をはこべ   三好達治

春逝き
夏去り
今は秋 その秋の

はやく半ばを過ぎたるかな
耳かたむけよ
耳かたむけよ
近づくものの声はあり

窓に帳帷(とばり)はとざすとも
訪なふ客の声はあり
落葉の上を歩みくる冬の跫音(あしおと)

薪をはこべ
ああ汝
汝の薪をはこべ

今は秋 その秋の
一日(ひとひ)去りまた一日去る林にいたり
賢くも汝の薪をとりいれよ

ああ汝 汝の薪をとりいれよ
冬近し かなた
遠き地平を見はるかせ
いまはや冬の日はまぢかに逼(せま)れり

やがて雪ふらむ
汝の国に雪ふらむ
きびしき冬の日のためには
炉をきれ 竈(かまど)をきづけ
孤独なる 孤独なる 汝の住居(すまい)を用意せよ

薪をはこべ
ああ汝
汝の薪をはこべ

日はなほしばし野の末に
ものの花さくいまは秋
その秋の林にいたり
汝の薪をとりいれよ
ああ汝 汝の冬の用意をせよ

絵手紙道具を引っ張り出して

2023年08月22日 | ノンジャンル
友人から残暑お見舞いのハガキをいただいた。
最近めっきり筆不精になって反省しきりであるが、もらうと嬉しい。
返信しようと思い、ありきたりのハガキではなく久しぶりに絵手紙にすることにした。
 
以前、郷里の母が絵手紙を始めたいというので一式送ってあげたことがある。
ブログをチェックしてみるとなんと10年前だった。
(2013.3.12「絵手紙と篆刻」で投稿)
10年! 自分はその時点でも数年やってなかったので、本当に久しぶりである。
熱しやすく冷めやすい趣味の残骸箱から、顔彩その他を引っ張り出した。
落款の朱泥は固まっていた。
 
絵の題材になりそうなものを冷蔵庫で探してみる。
梨、茄子、ミョウガ・・・
夫がビールのおつまみにとだだちゃ豆を買ってきている。
友人は男性なのでそれがいいだろうと、茹でる前にいくつか拝借した。
(もっとも、最近は体調管理のために酒量を減らしていると言っていたが)
 
枝豆はサヤがバラバラだったが、並べて枝付きにしてみた。 
お粗末!
本来は紙面いっぱいにダイナミックに描き、絵に合わせて気の利いたひと言を添えるのが一般的だが、今回は返信なので挿絵風になった。
コメントはこれから。
道具を出したのだから、この機会にまた始めてみようか・・・

マティス展に行く

2023年07月03日 | ノンジャンル
6月30日、上野の東京都美術館で開催されているマティス展に行ってきた。
昨秋行った国宝展と同じく、今回もネットで申し込んだQRチケットだった。
一般2,200円のところ、65歳以上は1,500円。この割引きは有り難い。
夏休みで混む前に行きたかった。
ついでに前回行って閉まっていた根岸の子規庵にも行きたかったが、土日・祝日しか公開されておらず、それでは混雑すると思われ諦めた。
出かける時に降っていた雨は、上野駅公園口を出ると上がっていたが、日差しが強く、ムシムシとしていた。
校外学習の子どもたちや、外国人観光客も多数いた。
 
会場は、地下B1から1F、2Fの3フロアに亘っていた。
1階フロアの作品は撮影してもよいとのことだった。
映像(動画)撮影しない、フラッシュ・三脚・自撮り棒を使わない等の条件付きで。
商用、営利目的とはせず、あくまで個人的に使用するのみ。
閲覧者の少ないブログへの掲載は、個人的使用の範疇で問題ないだろう。
 
油絵、素描、彫刻、切り紙絵など155点の作品を、分散入場でゆっくり鑑賞できた。
「何が一番好きか?」という問いに対して、一番好きな花、一番好きな食べ物、一番好きな映画など、あれもこれもと迷って答えられない。
しかし、好きな画家はと聞かれたら、恐らくアンリ・マティスと言ってもいいかもしれない。
(「恐らく」「かも」に、まだ断定し切れていない迷いもあるが・・・
 
                            赤の大きな室内
                           座るバラ色の裸婦
夢 / 《夢》のための習作
石膏のある静物  / 鏡の前の青いドレス / ニースの室内、シエスタ / 赤いキュロットのオダリスク
                     パイプをくわえた自画像
女性の顔(星柄のヴェール)L5 / トルコ風肘掛け椅子に座るリゼット / 眠る女性
 
 
マティスが表紙デザインした芸術・文学雑誌「ヴェルヴ」
 
先月半ば、テレビ番組「新美の巨人たち」は、会期に合わせてマティスだった。
晩年に設計からステンドグラス、壁画、法衣、祭壇上の燭台、磔刑像に至るまで全て手がけたた南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に焦点を当てていたが、それらのデッサン、切り紙絵もあった。
 
グッズ売り場でポストカードとマグネット、ミニクリアファイルを買った。
クリアファイルの内側には、礼拝堂の壁画もあって気に入った。