田中光二著 ハルキ文庫2005.6.18 620+tax
上背が七尺を超え五尺の長刀を背中に吊るした異形の剣士、その名は無双伝鬼。
仙台藩の松林道場を皮切りに江戸を迂回しながら各地の有名道場破りを繰り返し列島を南下している。この異形の者の正体と目的は何か。尾張柳生の里にある理由で蟄居を命じられていた柳生十兵衛はこの無双伝鬼の討ち取りを父から命じられる。
十兵衛は無双伝鬼の目的地は肥後の国であることを直感する。かの地には天下無双の剣客・宮本武蔵がいた。
天狗の落とし子かと思われる無双伝鬼の剣。その異常な膂力は人間離れしており、かつその敏捷さは空を飛ぶツバメさえも切り落とす。ま、ちょっと荒唐無稽な剣法ではあるが迫力は十分だ。
やはり最大の関心は宮本武蔵との一騎打ちだ。そして十兵衛は使命を全うできるのであろうか。
時代小説としてはかなり奇妙なテイスト(柳生十兵衛と宮本武蔵の組み合わせなど)を持っている。それもそのはず田中光二といえば初期の頃は優れたSF作家として鳴らした作家であり近年だと仮想戦記もので名を売っている。
一体いつから時代小説作家に転向したの?と聞きたくなるほど、個人的に作家イメージと内容が重ならない点にその違和感の理由があるのかも知れない。
軽く読み流す程度には楽しめる作品だ。
上背が七尺を超え五尺の長刀を背中に吊るした異形の剣士、その名は無双伝鬼。
仙台藩の松林道場を皮切りに江戸を迂回しながら各地の有名道場破りを繰り返し列島を南下している。この異形の者の正体と目的は何か。尾張柳生の里にある理由で蟄居を命じられていた柳生十兵衛はこの無双伝鬼の討ち取りを父から命じられる。
十兵衛は無双伝鬼の目的地は肥後の国であることを直感する。かの地には天下無双の剣客・宮本武蔵がいた。
天狗の落とし子かと思われる無双伝鬼の剣。その異常な膂力は人間離れしており、かつその敏捷さは空を飛ぶツバメさえも切り落とす。ま、ちょっと荒唐無稽な剣法ではあるが迫力は十分だ。
やはり最大の関心は宮本武蔵との一騎打ちだ。そして十兵衛は使命を全うできるのであろうか。
時代小説としてはかなり奇妙なテイスト(柳生十兵衛と宮本武蔵の組み合わせなど)を持っている。それもそのはず田中光二といえば初期の頃は優れたSF作家として鳴らした作家であり近年だと仮想戦記もので名を売っている。
一体いつから時代小説作家に転向したの?と聞きたくなるほど、個人的に作家イメージと内容が重ならない点にその違和感の理由があるのかも知れない。
軽く読み流す程度には楽しめる作品だ。