min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

2005-07-20 19:20:36 | 「サ行」の作家
ダン・シモンズ著 原題:HARDCASE 早川書房 2002.5.31 1900+tax

ダン・シモンズの著作は前回の「ダーウィンの剃刀」に次ぎ2作目。
本作の主人公はかなり強烈!正義の味方かはたまた悪の権化か一概に判断できない存在である。

私立探偵のジョー・クルツは事務所のパートナーであった赤毛のサマンサを惨殺されたのであるが、殺した相手を探し出すや躊躇することなくその男を襲い殺してしまう。
冒頭からその殺人シーンから入り、11年のムショ暮しを終えシャバへ出てきたところから物語りは始る。
ムショの中にいても「懸賞首をかけられており、無事シャバに戻ってきたこと自体が奇跡とも語られ、主人公ジョー・クルツが置かれた立場は容易でないものが想像される。
ムショから出て直ぐに向かった先がマフィアのドンであり、ファミリーのトラブルの調査を申し入れるのであるが、とたんに殺し屋が現れ命を狙われる。
殺し屋の面々がまた空恐ろしい連中ばかりで、一体この連中を雇っている背後にはどんな奴が存在するのか読むほどに緊迫感が増してくる。
とにかく主人公を含め登場する人物がみな超ハード・ボイルドしてる?感じだ。特に通称“デンマーク人”と呼ばれる殺し屋に至ってはこっちを主人公にしたいくらいクールなのだ。
全編に渡るクールな暴力シーンには背筋が冷たくなるほどで、ドンデン返しにつぐドンデン返しでこの男(主人公)はいつまで命が持つの?とハラハラドキドキ。
「固ゆで卵」度満点の一作であります。オススメ度4★