デイル・ブラウン著・早川書房 1996.6.30
本書は確か2001年9.11米国同時多発テロが起きた時話題になった小説のひとつではなかったろうか。
本作が上梓された当時は本書のあまりの荒唐無稽なストーリーに対し現実感を抱かなかったり、またアメリカ本土が航空機(特に民間機)によるテロに対しかくも無防御であることに真剣に憂慮した読者は少なかったであろう。
だがあの9.11以降本作を読んでみると背筋が寒くなるほど現実味を帯びてくるから不思議だ。
本作のテロリスト、アンリ・カゾーが若かりし頃ベルギーにおいて米兵から“性的虐待”を受けて以来極端な反米主義者になった、というくだりも何か暗示的だ。このカゾーというテロリストの凄まじいまでの米国への憎悪が圧倒的に描かれ、アルカイダのエネルギーをも凌駕しそうで、ここまで徹底するとある種の“小気味よさ”を感じたのはあながち僕一人ではあるまい。
本書は確か2001年9.11米国同時多発テロが起きた時話題になった小説のひとつではなかったろうか。
本作が上梓された当時は本書のあまりの荒唐無稽なストーリーに対し現実感を抱かなかったり、またアメリカ本土が航空機(特に民間機)によるテロに対しかくも無防御であることに真剣に憂慮した読者は少なかったであろう。
だがあの9.11以降本作を読んでみると背筋が寒くなるほど現実味を帯びてくるから不思議だ。
本作のテロリスト、アンリ・カゾーが若かりし頃ベルギーにおいて米兵から“性的虐待”を受けて以来極端な反米主義者になった、というくだりも何か暗示的だ。このカゾーというテロリストの凄まじいまでの米国への憎悪が圧倒的に描かれ、アルカイダのエネルギーをも凌駕しそうで、ここまで徹底するとある種の“小気味よさ”を感じたのはあながち僕一人ではあるまい。
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