鳴海章著『マルス・ブルー』 講談社文庫 2012.1.12第1刷
おススメ度:★★★☆☆
久しぶりに同氏の航空機ものを読んだ。ファイター同士の大空での空中戦を描いたらこの方の右に出る作家はいないのではなかろうか、と再確認した一作である。
この作家の履歴には一切空自に関わるものはない。それなのに機体のデティール(コックピット内部はもちろん)ファイター・パイロットの操縦技術的なものを含め、パイロットの胸中をかくも鮮やかに描くには一体どんな取材を行っているのだろう?
物語のあらすじは本の紹介文によると
「新潟県沖に小舟に乗った死体が漂着する。死体が履いていたブーツは7年前、悪天候を突いて緊急発進したF-15パイロット、影坂志郎のものだった。影坂は生きている?
捜査に乗り出したのは警視庁公安部。明らかになる北朝鮮、中国、ロシアの謀略、そして孤高の戦闘機乗りの熱くも哀しい動機だった。」
とある。
今や我が国を取り巻く軍事的環境は本書に述べられている通り、「日本人の独立心」の再構築が求められているのであり、数ある自衛隊員の中には本書の主人公のような考えに到るものが必ず存在するであろう。
そしてこれらの自衛官を利用しようと企む政治家、経済人、さらに“黒幕”なるものが必ず存在するであろうことも確かだ。
ただ本編では“陰謀”の全体像が明確化されることはなく、いわば尻切れトンボで終わってしまった感がある。こうした謀略ものの深化を鳴海章氏に求めるのはちょっと酷かも知れない。
おススメ度:★★★☆☆
久しぶりに同氏の航空機ものを読んだ。ファイター同士の大空での空中戦を描いたらこの方の右に出る作家はいないのではなかろうか、と再確認した一作である。
この作家の履歴には一切空自に関わるものはない。それなのに機体のデティール(コックピット内部はもちろん)ファイター・パイロットの操縦技術的なものを含め、パイロットの胸中をかくも鮮やかに描くには一体どんな取材を行っているのだろう?
物語のあらすじは本の紹介文によると
「新潟県沖に小舟に乗った死体が漂着する。死体が履いていたブーツは7年前、悪天候を突いて緊急発進したF-15パイロット、影坂志郎のものだった。影坂は生きている?
捜査に乗り出したのは警視庁公安部。明らかになる北朝鮮、中国、ロシアの謀略、そして孤高の戦闘機乗りの熱くも哀しい動機だった。」
とある。
今や我が国を取り巻く軍事的環境は本書に述べられている通り、「日本人の独立心」の再構築が求められているのであり、数ある自衛隊員の中には本書の主人公のような考えに到るものが必ず存在するであろう。
そしてこれらの自衛官を利用しようと企む政治家、経済人、さらに“黒幕”なるものが必ず存在するであろうことも確かだ。
ただ本編では“陰謀”の全体像が明確化されることはなく、いわば尻切れトンボで終わってしまった感がある。こうした謀略ものの深化を鳴海章氏に求めるのはちょっと酷かも知れない。
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