min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

映画『日輪の遺産』★ネタバレ注意★

2011-09-02 00:27:57 | ノンジャンル
5年ほど前に浅田次朗著の同名の原作を読んでえらく感動した記憶がある。
その時の感想は↓

http://blog.goo.ne.jp/snapshot8823/e/983fad56b1c874c64b1b1bffb365010d

さて、これが映画化されたということで観に行った。


映画の公式HPはこちら ↓

http://www.nichirin-movie.jp/


ここから完全にネタバレなので、映画を観ていない方は読まないほうが良いかも・・・・


★ネタバレ警報★









原作ではマッカーサーの200兆円ともいわれる金を秘匿した軍人の残した「黒い手帳」に記された内容を巡って、3人の金の亡者たちがしのぎをけずるというスリリングな展開で始まる。
この手帳の信憑性が高まるとともに、この秘密隠蔽作戦に加わった35人の少女達の結末が最大関心事となってくるのだが。
この点を浅田次朗氏は彼流のアサダ・マジックを使って読者を完全に翻弄し、そして感動をもたらしてくれるのであるが、映画ではあろうことかこの少女たちを殺してしまった。ひとりの少女を除いて。

これではまるで「ひめゆりの塔」ではないか!殺してしまってはイカンのだ。そもそも彼女らが自ら死を選択する過程が説明不足ではないのか!?
これで映画の観客の涙を誘おうというのは邪道というものだ。何故原作に沿った脚本を書かなかったのか?この脚本を著者である浅田氏は読んで許可したのであろうか?

同作品の監督(名前は知らん)のインタビューによると、浅田氏の原作通りに作品化すると製作費がかかり過ぎるので内容を変えただと!ああ、それなら映画化なんてするべきではなかったのでは。

唯一救われたのは俳優陣の演技が素晴らしかったことか。主演の堺雅人をはじめ、福士誠治、ユースケ・サンタマリア、中村獅童の演技が光っていた。
特に中村獅童演じる兵隊役は、かって彼がよく演じた頑ななまでの軍国主義者と違い、素朴かつ純朴な兵曹役で好感が持てた。
彼にとってもイメチェンが図れてよかったのでは。
日本人俳優陣とは対照的に米国側俳優陣、とりわけマッカーサーはいただけなかった。
こんなチンケな?マ元帥はかってみたことがない。いくらギャラをけちってもこんな俳優を起用する監督の神経を疑う。
最後にたったひとり生き残った66年後の少女、八千草薫の前に亡霊となって現れた19人の少女と教師のシーンはいかにも“お涙頂戴”を狙ったもので極めて後味の悪い結末となった、と言わざるを得ない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿