クリス・ライアン著『反撃のレスキュー・ミッション』(原題:Strike Back)ハヤカワ文庫 2008.10.20第1刷 860円+税
おススメ度:★★★☆☆
今や路上生活者にまで身を落とした元SAS隊員ジョン・ポーターが店主に追い立てられる寸前にみたテレビニュースに映った顔は紛れもなくあのアラブ人であった。
あれは17年前のレバノンでの人質救出作戦。爆弾を身体に巻いた少年が突っ込んできた。ポーターはまだ小さな少年であることに気づき、瞬時に殺すことが出来なかった。彼は少年を殴って気絶させたのであったが、その事が同僚の3人を失う結果となりその責めを一挙に受ける形でその後SASを除隊したのであった。そうだ、あの時の少年だ。笑う時の口の歪み方があの時と寸分変わっていない。今は誘拐した組織ヒズボラの大幹部となっているではないか!
自分をここまで貶めた男ハッサド・ライミ。この17年間に及ぶ雪辱の落とし前をつけようではないか!
SIS(国家情報機関)に乗り込んだものの今のポーターの身なり、姿では相手にされる訳がない。しかし、イギリス政府もその救出の命を受けたSISも拉致された英国人ジャーナリストのケイティ・ダートマスを救いだす手立ては全く持っていなかった。
彼女は唯一人ヒズボラの手に墜ち、今はレバノンにいるのか隣国へあるいはイランに移されているのか全く不明だ。
あと3日以内に英国軍をイラクから撤退させねば、捕まったケイティの首が刎ねられる。その模様がネットで生中継されるのだ。
全英はこのヒズボラの脅しに震撼し、国民の多くは軍を撤退せよ!という世論が高まりつつあった。
レバノンには英国のあるいはアメリカの情報網は寸断されてから久しく無に等しい。
ジョン・ポーターは運よくSIS長官の目が止まったことで、自分はあのアラブ人テロリストを少年時代命を救った。だから自分には会ってくれるはずだ。アラブ人は信義に熱いのだ!と説得。あとの解決策は何もないのだから長官を彼に賭けてみる事に。
捕まったケイティの首が刎ねられるまであと3日であった。それまでに解決しないとネットで彼女の首が落ちるシーンが生放送される。
かくして成功の見込みなどほとんど無い人質レスキュー作戦が開始されたのだ。ポーターがこの絶望的ミッションに身を投じた直接のきっかけは、数日前に17年ぶりに自分を探し出して会いに来た愛娘サンディのためであった。
何としても娘の為に自らの汚名を払拭し、SISから相応の命の代価を得たかった。
そして結局ポーターは先方のハッサドの了解を得てレバノンへ単身のりこんだのであるが・・・・・・。
いや全くこのような作戦が(作戦などほとんどないに等しいのだが)有り得るのか?一体どのような話し合い(交渉の落とし所があるのか)で二人して帰国しようというのか!?
このにっちもさっちも行かない混沌からの脱出は見ものである。そして物語の大円団では読者の胸のツカエがきっと晴らされるでありましょう!
これでクリス・ライアン氏の元SAS隊員シリーズもののほとんどを読破したと思う。北アイルランド、フォークランド、そして中東各地の紛争地に送られるSAS隊員の任務の多くはほとんど地獄と言える戦場だ。間違ってもこんな職業には付きたくないものだ。
おススメ度:★★★☆☆
今や路上生活者にまで身を落とした元SAS隊員ジョン・ポーターが店主に追い立てられる寸前にみたテレビニュースに映った顔は紛れもなくあのアラブ人であった。
あれは17年前のレバノンでの人質救出作戦。爆弾を身体に巻いた少年が突っ込んできた。ポーターはまだ小さな少年であることに気づき、瞬時に殺すことが出来なかった。彼は少年を殴って気絶させたのであったが、その事が同僚の3人を失う結果となりその責めを一挙に受ける形でその後SASを除隊したのであった。そうだ、あの時の少年だ。笑う時の口の歪み方があの時と寸分変わっていない。今は誘拐した組織ヒズボラの大幹部となっているではないか!
自分をここまで貶めた男ハッサド・ライミ。この17年間に及ぶ雪辱の落とし前をつけようではないか!
SIS(国家情報機関)に乗り込んだものの今のポーターの身なり、姿では相手にされる訳がない。しかし、イギリス政府もその救出の命を受けたSISも拉致された英国人ジャーナリストのケイティ・ダートマスを救いだす手立ては全く持っていなかった。
彼女は唯一人ヒズボラの手に墜ち、今はレバノンにいるのか隣国へあるいはイランに移されているのか全く不明だ。
あと3日以内に英国軍をイラクから撤退させねば、捕まったケイティの首が刎ねられる。その模様がネットで生中継されるのだ。
全英はこのヒズボラの脅しに震撼し、国民の多くは軍を撤退せよ!という世論が高まりつつあった。
レバノンには英国のあるいはアメリカの情報網は寸断されてから久しく無に等しい。
ジョン・ポーターは運よくSIS長官の目が止まったことで、自分はあのアラブ人テロリストを少年時代命を救った。だから自分には会ってくれるはずだ。アラブ人は信義に熱いのだ!と説得。あとの解決策は何もないのだから長官を彼に賭けてみる事に。
捕まったケイティの首が刎ねられるまであと3日であった。それまでに解決しないとネットで彼女の首が落ちるシーンが生放送される。
かくして成功の見込みなどほとんど無い人質レスキュー作戦が開始されたのだ。ポーターがこの絶望的ミッションに身を投じた直接のきっかけは、数日前に17年ぶりに自分を探し出して会いに来た愛娘サンディのためであった。
何としても娘の為に自らの汚名を払拭し、SISから相応の命の代価を得たかった。
そして結局ポーターは先方のハッサドの了解を得てレバノンへ単身のりこんだのであるが・・・・・・。
いや全くこのような作戦が(作戦などほとんどないに等しいのだが)有り得るのか?一体どのような話し合い(交渉の落とし所があるのか)で二人して帰国しようというのか!?
このにっちもさっちも行かない混沌からの脱出は見ものである。そして物語の大円団では読者の胸のツカエがきっと晴らされるでありましょう!
これでクリス・ライアン氏の元SAS隊員シリーズもののほとんどを読破したと思う。北アイルランド、フォークランド、そして中東各地の紛争地に送られるSAS隊員の任務の多くはほとんど地獄と言える戦場だ。間違ってもこんな職業には付きたくないものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます