[再読]垣根涼介著『ワイルド・ソウル』 幻冬舎 2003.8.25 第1刷 各1,900円+tax
オススメ度:★★★★★
先に「探偵はバーにいる」を押入れの中から発見し再読した、と書いたが実はあと何冊か捨てきらずに残していた本の中にこの「ワイルド・ソウル」も入っていた。
確かこれは面白かったよなぁ、と最初のページを開いて読み出したのだが、どうも吸い込まれるように読み出したら止められない自分がいた。
内容はある程度憶えていたつもりが、ページを繰るにつれディテールをほとんど憶えていないことに気がついたのだ。
憶えていたことと言えば、あまりに酷い当時の日本政府、なかでもクソくらえの外務省の役人、官僚どもの悪行。胸のすくような外務省庁舎への銃撃シーン。そして、最後のあの男とあの女のニヤリとする邂逅シーン。
これらの間を埋めるべきディテールがこの8年間のうちにほとんどが我がイカレ脳みその記憶細胞から消えていることに気がついた!したがってプロットの展開が初読の時の感動と同様にページをめくる速度を加速する。あっと思う間もなくの一気読みをしてしまった。
この「ワイルド・ソウル」を入れてあと「サウダージ」と「ゆりかごで眠れ」の三作品は垣根氏の“南米三部作”と呼べるだろう。今改めて読み返して思うのは何という著者の熱き情熱あふれる作品であろうことか!やはり本作が“南米三部作”の中では最高だろう。いや垣根氏の全作品を見渡した中でも突出した傑作ではなかろうか!?
最近「君たちには明日はない」など冒険小説路線とは別な方向に同氏の作風が向いているが、やはり日本の冒険小説の旗手のひとりとしての同氏に今一度熱き男たちの物語を書いていただきたい!と思うのは私ひとりではないであろう。
オススメ度:★★★★★
先に「探偵はバーにいる」を押入れの中から発見し再読した、と書いたが実はあと何冊か捨てきらずに残していた本の中にこの「ワイルド・ソウル」も入っていた。
確かこれは面白かったよなぁ、と最初のページを開いて読み出したのだが、どうも吸い込まれるように読み出したら止められない自分がいた。
内容はある程度憶えていたつもりが、ページを繰るにつれディテールをほとんど憶えていないことに気がついたのだ。
憶えていたことと言えば、あまりに酷い当時の日本政府、なかでもクソくらえの外務省の役人、官僚どもの悪行。胸のすくような外務省庁舎への銃撃シーン。そして、最後のあの男とあの女のニヤリとする邂逅シーン。
これらの間を埋めるべきディテールがこの8年間のうちにほとんどが我がイカレ脳みその記憶細胞から消えていることに気がついた!したがってプロットの展開が初読の時の感動と同様にページをめくる速度を加速する。あっと思う間もなくの一気読みをしてしまった。
この「ワイルド・ソウル」を入れてあと「サウダージ」と「ゆりかごで眠れ」の三作品は垣根氏の“南米三部作”と呼べるだろう。今改めて読み返して思うのは何という著者の熱き情熱あふれる作品であろうことか!やはり本作が“南米三部作”の中では最高だろう。いや垣根氏の全作品を見渡した中でも突出した傑作ではなかろうか!?
最近「君たちには明日はない」など冒険小説路線とは別な方向に同氏の作風が向いているが、やはり日本の冒険小説の旗手のひとりとしての同氏に今一度熱き男たちの物語を書いていただきたい!と思うのは私ひとりではないであろう。