ディーン・R・クーンツ著『ファントム 上・下』ハヤカワ文庫 1988.8.31 各660+tax
カルフォルニア州のスノーフィールドという片田舎の住人約500名がほぼ瞬時に殺された。あるものは両腕が切断され、あるものは首が切断されていた。だが大半のものは外傷は特に見当たらないのだが全身の肌に黒い痣のような斑点が無数に残されており、一様に恐怖の叫びが貼りついたまま死に絶えていた。
この町に住む女医とその妹の二人だけが死をま逃れたのであった。それは女医が妹を迎えに町を離れていたからであった。二人は町に着くなり異様な町の雰囲気に気がつく。電話は通じない。電話を借りるべく訪れた隣家の住人もことごとく殺されていた。
町の保安官事務所へ急行したのだがここでも発見されたのは死体だけで他の場所もことごとく死体のみ。彼らは死ぬ瞬間まで自らの死を予感しなかったように、あるものは炊事の最中であったり、車中で“突然の死”を迎えた様子なのだ。これは何かの悪疫?細菌兵器?と考えたのであるが、二人には闇に潜む「ナニモノ」かの存在に気がつく。
やがて電話が通じ、一番近い町から警察官が数名駆けつけるのであるが、その中から更に犠牲者が続出する。リーダーのブライス保安官は州知事を説得して軍の生物化学戦の専門家部隊の出動を要請し彼等がやっては来たのだが…。
上巻の後半まではこの殺戮を行ったモノが一体全体何なのか見当もつかない。殺される様から病原菌や生物兵器でないことは明白なのだが、では具体的に一体ナニ?という焦燥感に襲われる。一種のエイリアンか?
いつどこから、どのように襲われるか分からない緊迫感は確かに映画「エイリアン」を観ている感じだ。やがて真相の解明の手ほどきが英国からもたらされ、そして対抗策が生物化学班の日系女性の遺伝学者が考え出す。そして結末はどのように?
アメリカのミステリーや冒険小説に登場するヒロインって、どうしていつもこのように勇敢で沈着冷静なんだろうと感心してしまう。一方、軍や警察の官僚たちの描写は何故か頑固で画一的。これは常にステレオタイプのようだ。
本編はいわゆるジェットコースター・ノベルのひとつと言える。著者ディーン・R・クーンツが最も脂がのった時期の作品のようで大いに楽しめる作品だ。
カルフォルニア州のスノーフィールドという片田舎の住人約500名がほぼ瞬時に殺された。あるものは両腕が切断され、あるものは首が切断されていた。だが大半のものは外傷は特に見当たらないのだが全身の肌に黒い痣のような斑点が無数に残されており、一様に恐怖の叫びが貼りついたまま死に絶えていた。
この町に住む女医とその妹の二人だけが死をま逃れたのであった。それは女医が妹を迎えに町を離れていたからであった。二人は町に着くなり異様な町の雰囲気に気がつく。電話は通じない。電話を借りるべく訪れた隣家の住人もことごとく殺されていた。
町の保安官事務所へ急行したのだがここでも発見されたのは死体だけで他の場所もことごとく死体のみ。彼らは死ぬ瞬間まで自らの死を予感しなかったように、あるものは炊事の最中であったり、車中で“突然の死”を迎えた様子なのだ。これは何かの悪疫?細菌兵器?と考えたのであるが、二人には闇に潜む「ナニモノ」かの存在に気がつく。
やがて電話が通じ、一番近い町から警察官が数名駆けつけるのであるが、その中から更に犠牲者が続出する。リーダーのブライス保安官は州知事を説得して軍の生物化学戦の専門家部隊の出動を要請し彼等がやっては来たのだが…。
上巻の後半まではこの殺戮を行ったモノが一体全体何なのか見当もつかない。殺される様から病原菌や生物兵器でないことは明白なのだが、では具体的に一体ナニ?という焦燥感に襲われる。一種のエイリアンか?
いつどこから、どのように襲われるか分からない緊迫感は確かに映画「エイリアン」を観ている感じだ。やがて真相の解明の手ほどきが英国からもたらされ、そして対抗策が生物化学班の日系女性の遺伝学者が考え出す。そして結末はどのように?
アメリカのミステリーや冒険小説に登場するヒロインって、どうしていつもこのように勇敢で沈着冷静なんだろうと感心してしまう。一方、軍や警察の官僚たちの描写は何故か頑固で画一的。これは常にステレオタイプのようだ。
本編はいわゆるジェットコースター・ノベルのひとつと言える。著者ディーン・R・クーンツが最も脂がのった時期の作品のようで大いに楽しめる作品だ。