老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

クマゼミのこと

2016年06月29日 20時05分22秒 | その他
 6月27日に大阪管区気象台でクマゼミの初鳴きが観測された旨の発表がありましたが、平年より11日、昨年より6日も早い観測のようです。
私が住んでいる団地では、今年はまだセミの鳴き声を聞いていませんが、間もなく早朝から窓の近くの樹木や時にはベランダの木や網戸にも止まって鳴き、うるさい位の鳴き声で起こされることになるでしょう。

 私が子供の頃は、身近なセミと言えばアブラゼミやミンミンゼミで、クマゼミは採るのに苦労する希少種と言えるような存在で、これを採った時の喜びは物凄く大きく、夏休みの宿題である昆虫採集標本箱の真中を飾ったものでした。
それがいつの間にか、特に大阪では今やセミと言えばクマゼミを指す位に増えて、私が住んでいる団地でも、真夏には木にとまっているのを手でも掴めるほどです。

 元々、クマゼミは南方系のセミで西日本地域に多いようですが、大阪などの都心部でこのように増えた原因は、地球温暖化とヒートアイランド現象の影響とする説が強いのですが、南国地区からの樹木の移植による幼虫の移動説や、野鳥の捕食説(クマゼミが他のセミと比べて捕食されにくい)もあり、まだ確定されていないようです。

 クマゼミの一生については、土の中で暮らす幼虫時代が5~6年で、その間は樹木の根から樹液を吸って成長し、長い地下生活のうちに数回の脱皮を行い、地上に出てきて羽化して成虫になります。
成虫になった後は1~2週間の儚い寿命といわれていましたが、樹液しか食しないので観察が難しかったようで、最近の説では1ヶ月位はあるようです。
産卵は木の幹や枝にしますが、最近の大きな話題としては、光ファイバーケーブルを枯れ枝と間違えて産卵し、断線するケースが西日本で起きているようです。

 身近な昆虫だけに、地方によって色々な呼び方があるようですが、私が子供の頃によくセミ採りをした兵庫県の山崎町(現、宍粟市)近辺では、成虫は“カタビラ”と呼んでいました。
「カタビラ(帷子)」は麻又はカラムシを織った布で仕立てた一重の衣服を言うようですから、恐らくクマゼミの羽根が透けて見えることに由来すると思います。

 幼虫については、セミの種類ごとの詳しい呼び方はなく、地ゼミとかあちこちで色々な呼び方があるようですが、山崎町近辺ではセミの幼虫全てを“ゴロタ”と呼んでいました。
夏の夕方、庭先や公園の樹木の根っこを探し、小さな穴を見つけると、その穴に水を流し込み、這い出して来た幼虫を捕まえて、虫籠の中に入れて暗い廊下などに置いて、夜間に羽化して成虫になるのを観察した記憶があります。

 また、東南アジアや沖縄なではセミを食する習慣があるようですが、残念ながら私にはまだその機会がありません。(まさ)

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1 コメント

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そうカタビラと言ってました。 (nakky)
2021-07-30 21:46:50
大阪生まれのサルですが、私も子供の頃の夏と言えばこの羽が透けて鳴き声が大きいカタビラを捕まえるために苦労したものです。今は関東住まいですがここにもクマゼミと呼ばれるカタビラが少しづつ進出しているようです。今年はまだあの暑苦しい鳴き声を聴きませんが・・
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