老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

高齢者の田舎暮らしに思う (1)

2015年12月11日 23時34分30秒 | 高齢化社会での生活・終括・社会保障など
 昨日、高齢者の移住政策に対して私見を書きましたが、これに関連して「高齢者の田舎暮らし」について少し触れたいと思います。

「定年前後になったら、田舎でのんびり暮らしたい」というのは、自然との触れ合いを好む多くの日本人が持つささやかな夢ではないでしょうか。
 実は私も、会社勤めでの色々なストレスが多い時には、この思いはまるで魔法の呪文のようでした。
25年ほど前でしょうか、ツレアイの実家のある淡路島に行った時、何気なく見た別荘地の広告に惹かれ現地を見に行きました。海が見え、ガーデニングが充分に楽しめそうな広さが確保でき、テニスコートやプールなどが備わった環境にも魅せられ、その場で契約して将来の華麗な住まいに夢を膨らませました。思い起こせば、丁度バブルがはじける少し前位で、まだ多くの日本人が将来にバラ色の夢を見られる時期でしたね。

 しかし、その後私自身が仕事を変えて、園芸関係の仕事に打ち込み始め、移住などを考える余裕もなくなっていましたが、60歳を迎えて今後の生活のことなどを色々と考える中で、この土地への移住は諦めました。理由は、現在の体力なら生活が充分に楽しめるだろうが、更に高齢化した時の不安でした。例えば
・ガーデニングなどが出来なくなった時に、その土地で何を生きがいに出来るか?
・移動手段をどうするか?
 車が無ければ買い物にも行けない土地で、今なら夫婦ともに車を使えるが、将来運転出来なくなった場合にどうするか?
その他も色々な課題があり、結局この地への移住は諦め、交通環境に恵まれた大阪市内の集合住宅での生活を続けることを選びました。
 余談ながら、淡路島のその土地は簡単には売却できず、毎年何万円かの管理費を負担しながらそのまま放置しています。(まさ)