素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

くりの花

2022年05月28日 | 日記
 万葉集にある山上憶良のストレートな歌はパンチ力があり記憶に残っている。

【長歌】
瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食(は)めば まして思(しの)はゆ 

いづくより 来(きた)りしものそ 眼交(まなかひ)に もとな懸(かか)りて 安眠(やすい)し寝(な)さぬ

【反歌】
銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむに優(まさ)れる宝(たから)子にしかめやも

 歌に詠まれるぐらいだから、万葉の時代、それ以前から栗は貴重な食べ物だったに違いない。イガイガで覆われた実は馴染みはあるが花はあまり印象に残っていない。 世の人の見付けぬ花や軒の栗 芭蕉  軒近く咲いていても、大概の人は見過ごしてしまうとあるぐらいだから、私だけではないと心強い。

 ゴミの集積場のすぐ横に栗の木があるのだが、先日ゴミ出しに行った朝、むっとするような青臭い匂いが鼻をついた。あたりを見渡すと白い房状の花が目に入った。「発生源はこれか?」と近づくと正解。栗の花を初めてまじまじと観察した。
 
 帰ってネットで検索してみると、この匂いを不快に思う人が多いことがわかった。

「栗の花は雄花が圧倒的に多く、雄花のなかにひっそりと雌花が咲いています。 白っぽい色の雄花がたくさん咲く茎に近い根本に、雌花が咲いています。 雌花は雄花よりも白い花弁が少なく数もかなり少ないため、見慣れないうちは雌花を見つけにくいかもしれません。」とあったので夕方もう一度観察に行ってみたがはっきりわからなかった。気のせいか匂いはさらにきつく感じた。この後、どう変化していくのかゴミ出しの時観察していこうと思った。まづは雌花の発見か?
コメント
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