素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

「事業仕分け」を見ていると

2009年11月14日 | 日記
 民主党政権の目玉である「事業仕分け」が公開の場で大々的になされている。ニュースなどの報道を通じて見ていると何かしら『現代版さらし首』という印象を受ける。

 大波小波はあっても私が生きてきた中では、大きな権力交代はなかった。物心ついてから安保闘争、新安保闘争、学生運動の激化、沖縄返還闘争など世の中変わるかなという大きな揺れを経験してきたが、すべてあぶくのように消え、大きな川の流れは変わらないという思いを強く持ってきた。

 今回の衆議院選後の動きを見ていると権力を奪ったものの高ぶりを感じる。古くより歴史は権力奪取の繰り返しである。物部氏と蘇我氏、源氏と平氏、南朝と北朝、東軍と西軍、幕府と新政府など。

 そして、権力を奪ったものは強いエネルギーで前政権の既得権をつぶし、それを公にさらし新政権の力を誇示する。野蛮な時代は、さらし首、市中をひきまわしての遠島という形をとるが、さすがに現代ではそれはできない。「事業仕分け」が取って代わって、その役割りを担っているように思える。

 熱さはあるが、発展的なものを感じない。その中で、何か大切なものを見失っているのではという危惧も感じる。ただ、これが変革期の混乱というものかもしれない。私にとっては初めての体験なので、しっかりと見ておきたいと思う。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
  娑羅双樹の花の色、
  盛者必衰のことわりをあらわす。
  おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
  たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ」

 今から、第九の合宿に神戸セミナーハウスに出かける。明日の夕方までベートーベンとの格闘である。昨日とはまた違った別世界に入る。 
 
コメント (1)
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