素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

今日の4紙朝刊の一面トップを見る!

2009年11月17日 | 日記
 今朝の毎日新聞の一面トップを見て驚いた。「これが一面トップか!???」という感想をすぐに持った。そこで、他の3紙はどうなっているかを是非知りたくて図書館に行ってきた。

 その結果である。

毎日学力テスト 人のきずな成績左右  阪大など分析 離婚、持ち家要因に  経済要因より影響大

朝日天下り嘱託幹部並み給与  厚労3独法 公表の対象外

読売マニフェスト予算圧縮  週内に作業部会 高速無料化など   「仕分け」成果1兆円越す

産経政府 「デフレ」20日にも宣言  3年ぶり 日銀に対応促す


 当然だが毎日の一面トップはである。  今は、何に目をつけるかはともかく、政府の動きが一番だと思う。
 しかも、分析の結果があたかも大正解と認められている扱いである。 この分析は2007年の全国学力テストと1964年の全国テストを社会環境を加えて分析したものである。

 その結果、学力を左右する要因として[離婚率][持ち家率][不登校率]の3指標の比重が高まっていると分かった。したがって「年収など経済的要因よりも、人間関係の『つながり格差』が学力を左右する傾向にある」と研究チームは指摘している。

 これはあくまでも一つの仮説で、使用した資料や分析結果の妥当性など慎重に検討すべきものだと思う。一面トップで大々的にとりあげるものではないと思う。

 私自身は基本的に、原因を何かに絞り込んで述べることに抵抗を感じる。研究者と現場で生きてきた人間との違いといえばそうかもしれない。現実はもっと複雑で簡単に言い切れない。

 ただ、昨日、大阪府教委が今年度の全国学力テストの市町村別平均正答率を開示したこととリンクさせて、学力問題に一石を投じたいという毎日の意図は理解できる。

 ちなみに、各社とも[大阪版]で開示については扱っている。各社の見出しを比べてみると

毎日正答率小・中で明暗  府結果“点数偏重”に懸念も 環境の乱れ点数にも影響も

朝日市町村別学力調査結果 大阪府09年度分も開示  課題見つめ動く自治体

読売府内学テ結果 大阪府教委 市町村別公開  中学正答率に開き 全国順位も低迷 対策急務

産経学力テスト「いすにきちんと座ろう」大阪府 学習態度指導で成績向上 
      学力テスト 市町村別の平均正答率 開示最後の可能性も

 
 開示内容の扱いも各紙で異なる。

読売産経は市町村別の正答率を一覧表でそのまま掲載
朝日は市町村名はのせずに、小中別に、上位と下位の5市町村を北部、東部、南部として掲載。
毎日は正答率は一切表にせず、簡単に記事の中でふれ、学習状況調査の結果はグラフを使って大きく掲載。そして、同じ面に一面トップの研究グループの中心である大阪大学の志水宏吉教授へのインタビューがある。

 その中で、4つのことが述べられている。

市町村別データの公開は弊害が大きく反対。

平均点が高くなくても、教育的に不利な社会環境に育った子を伸ばせば評価するという考え方も必要。

家庭や近隣社会あるいは学校と子どものきずなの強さが課題。

「しんどい子」を支える基本的スタンスが必要。「百マス計算」や携帯ゲーム機といった単品主義の取り組みで学力は上がらない。各学校の学力向上プランに対し、自由に使える予算を配分すれば子どもの実態に合わせた教育が展開できる。

 
 トータルに見ると毎日が紙面も多く使い、ていねいに取材を重ねているのだが紙面構成にもう少し工夫があればと残念である。

 




 





 

 
 

 
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