かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

(株)小松屋(岐阜県瑞浪市)

2013-06-20 | 東濃の近代建築

現在名古屋と東濃地方を結ぶ幹線道路は国道19号線ですが、近代までは中山道の槙ヶ根追分から名古屋の伝馬町まで、土岐川(庄内川)沿いを通る下街道が発達しました。
交通の要所として栄えたJR中央線釜戸駅前を通る下街道(現在の県道421号線)沿いに、往時がしのばれる立派な近代建築が残っています。
山間の小さな町ではひときわ目を引く鉄筋コンクリート3階建の建物は、昭和7年に建てられた小松屋という雑貨店で、地方の都市としては比較的早い時期のRC造建築です。

設計は名古屋に建築事務所を開き、東海地方を中心に活躍していた城戸武男で、金城学院高校栄光館(登録文化財)や中北薬品京町支店旧名古屋証券取引所(取り壊し)など多数の近代建築を手がけています。
外観は装飾の全くないコンクリートの白い箱で、当時としては最新のインターナショナルスタイルと呼ばれるデザインです。
同じモダンデザインでも幾何学装飾などが残る表現主義に比べ、近代建築としては特に見所が無く面白みには欠けますが、ファサードの窓割りなどに戦後の建築には無い独特の表情があり、なかなか味わい深い建物です。







◆(株)小松屋/岐阜県瑞浪市釜戸町3205
 竣工:昭和7年(1932)
 設計:城戸武男
 施工:志水組
 構造:RC造3階建
 撮影:2013/04/28 



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