JR多治見駅方面から南へ向かい、土岐川にかかる昭和橋を渡ると、右手の堤防道路沿いに前回紹介した多治見輸出陶磁器完協同組合の建物があります。
そのまま道なりに進むとすぐに、建物側面にブルーシートが張られた少々痛々しい姿の建物が見えてきます。
昭和初期に建てられた旧昭和橋郵便局の建物で、中央に玄関を配置した左右対称の造りは、いかにも小さな町の郵便局といった風情が漂いますが、そこは陶磁器で栄えた多治見らしく、タイル貼りのファサードは年数を経てもかなり良い状態で保たれています。
これが下見板張りなんかだと、長年の風雨にさらされて古色蒼然、かなりくたびれた状態になるんですけど、さすがに本格的なタイル貼りの壁面は痛みが少なく、とても昭和初期の建物には見えません。
ドアや窓枠はサッシに変更されていますが、建物の外観は当時のままで、昭和初期の郵便局としてはかなりモダンだったと思われる当時の姿をとどめています。
隣の建物が取り壊され、現在は空き家になっている旧郵便局の建物、残してほしいのですがかなり行く末が案じられる状態です。
■腰回りだけは方形のタイルに変えて外観に変化を持たせています
■玄関の庇部分には一部スクラッチタイルと緑色のモザイクタイルを使用
■庇の裏側の見えない部分にも光沢のあるモザイクタイルを貼る芸の細かさです
◆旧昭和橋郵便局/岐阜県多治見市昭和町40
竣工:昭和9年頃(1934)
構造:木造2階建
撮影:2013/04/29
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