名鉄瀬戸線喜多山駅の北側にあった旧小幡発電所は数年前に取り壊されましたが、今回1月の瀬戸訪問の帰りに車窓から更地になった跡を確認できました。この建物は瀬戸電気鉄道が動力用の電力供給のために建てた自前の発電所で、全国でも珍しい現存する明治期の火力発電でした。その後電力会社の電力供給が安定し、変電所に改造され昭和53年に廃止されるまで現役で稼働していました。
建物は明治期の発電所によく見られる煉瓦造で、木造の建物が棟続きになっていました。下の画像は2006年に訪れた時のものですが、建設から100年、廃止されてから30年近くが経過した建物は、ツタに覆われさすがに廃屋同然の状態でした。建物周辺はほとんど駐車場になっていて、古びた煉瓦造りの建物だけがぽつんと建っていて、取り壊されるのも時間の問題という状態でしたが、やっぱりその後数年で取り壊されたようです。
■旧小幡発電所/名古屋市守山区喜多山
竣工:明治43年(1910)
構造:煉瓦・木造
撮影:2006/04/29
■鉄道沿線には戦前の発電所や変電所が多数ありましたが、そのほとんどが姿を消してしまいました
■ツタに覆われた北側壁面に当時の受電口が残っていました
■建設以来一世紀近くの時を刻んだ明治の煉瓦建築も、一瞬でこの世から消えてしまいました~合掌
■名鉄岩倉変電所(明治45年/1912)~明治村に移築保存
名鉄犬山線開通時に建てられた変電所。赤レンガに半円アーチの白いキーストーンがアクセントになっている。
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