かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

明治屋名古屋栄ストアー(中区栄)

2010-05-19 | 名古屋の近代建築

広小路建築散歩~その4 

 旧名古屋銀行本店からさらに東へ進むと栄の中心街です。

 丸栄(デパート)のある交差点に建つ明治屋名古屋栄ストアーは、6階建てのこじんまりとしたビルですが、70年を超える歴史を持つ建物は風格があり、周りの現代的なビルとは一線を画しています。
 建物は昭和13年に竣工、隣の丸善(和洋書販売)とともに当時「銀ブラ」ならぬ「広ブラ」を楽しむ人でにぎわいました。外国の輸入食品を扱う明治屋と洋書を販売する丸善には、当時の上層階級やインテリ層が集まり、贅沢な舶来品の持つ雰囲気が人々の心をとらえました。

 現代でも明治屋といえば、近所のスーパーでは手に入らないような、ちょっと贅沢でおしゃれなワインや食品が置いてある高級店と言うイメージがありますが、本物の近代建築が持つレトロモダンな雰囲気はそのまま明治屋のイメージにつながっています。ちなみに東京と大阪の明治屋も、戦前の店舗を現在もそのまま使用しています。


■明治屋名古屋栄ストアー/名古屋市中区栄3丁目2-9
 竣工:昭和13年(1938)
 設計:西尾建築事務所
 施工:清水組
 構造:RC6階地下2階
 撮影:2010/3/14


 



明治屋の雰囲気を演出するアールデコ風のモダンなファサード(向かって右隣が丸善)



2階から上に伸びる簡略化された4本の列柱が古典様式の名残をとどめます



右読みの「株式会社明治屋名古屋支店」のロゴが時代を語ります



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