二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

3月31日 終りは始まり

2010年03月31日 | 言葉のちから 心のちから
3月も今日で終了です。今年度の終りでもあります。
明日からは4月の始まりであり、平成22年度の始まりでもあります。
学校でも新入生が入学してきます。

そんな境い目である、3月31日に、本日の結びの一番となります…と、大相撲ではありませんが、締めの言葉を一つ

≪心の弱い卑怯な人になると、「なにか自分には運命が向いていない」だとか、「世間がまだ本当に認めてくれない」だとか、もっとあきれたやつになると、「整備が整っていない」だとか、「誰々が手伝ってくれない」とか、何かうまくいかない時に、自分以外のもののせいにする人がいますが、とんでもない了見違いですよ。

やれ運命がつまらないの、人生がつまらないのって人は、その考え方がつまらないんです。
いいですか、幸福も健康も成功も、ほかにあるんじゃないですぜ。

あなた自身の中にあるんだぜ。

『中村天風 一日一語』  中村天風財団[編]


すべての答えは自分の中にあるんですね
幸福も健康も成功も

他のせいにしてはいけないからって、自分を責めるのも了見違いですね。もし、不幸だ、不健康だ、失敗した、という状況にいる方は、確かに自分の中に答えはあるのだけど、焦らずに自分をしっかりと分析することが大切です。

そして、その難局や、試練は、それを乗り越えることができる人にだけ与えられるものだそうです。その状況を乗り切り成長する挑戦権が与えられたのです

そう考えると、光が見えてきますよね

日々新たに、一歩一歩、カメのように成長していけば、”怪獣ガメラ”のように大きく空を飛べる日がやってくると思うのです(例えが変

4月からは、さらに輝く時間が皆さんを待っていることでしょう。
生かしていただいて、ありがとうございます 

二葉鍼灸療院 田中良和
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スーパー歌舞伎 市川猿之助さん

2010年03月31日 | 経営って何?!
私はまだ歌舞伎を観たことがありませんが、日本の伝統芸能の一つですね。

その伝統芸能の歌舞伎に、新しい発想を取り入れ「スーパー歌舞伎」という分野をつくったのが、市川猿之助さんです。その記事が新聞に出ていました。

私の仕事も伝統医学ですから、分野こそ違えど、その道に対する考え方、発想の仕方がすごく似ていて、伝統という共通するところから、共感するところがあるな~と思って記事を読んでいたのでした。

≪読売新聞 2010年3月30日(火曜日) 朝刊 
   『時代の証言者』 スーパー歌舞伎 市川猿之助 ⑨ より≫

 ~「型」を知り「破る」努力~
自主興行では何か新味を出さないとお客さんの目を引かない。「春秋会」のひとつの目玉になったのが、古劇の復活です。初回の「石切り勘平」や、2回目の「金門五三桐」もそうでした。第4回は鶴屋南北の「金幣猿島郡 キンノザイサルシマダイリ)」を取り上げました。

埋もれた芝居は、内容の7、8割はつまらないから上演されなくなってしまうわけで、逆に言えば2、3割は面白いところがある。それをどう見つけ出して、どう再創造するかが腕の見せ所なんです。

それには、どれだけ古い芝居を知っているかが勝負になる。新しいものに取り組む際に、それまでため込んだ「引き出し」の中から、それにふさわしい技術を出してきて、応用するのです。

「型破り」という言葉がありますが、「型」を知っていて「破る」から効果があるのです。「型」を理解しないまま、自己流でむちゃをするのは「型なし」という行為。この違いを認識していなければなりません。

 ~中略~

「伝統」には4種類の側面があります。「変わる」ものと「変わらない」もの。「変えてはいけない」ものと「変えなければならない」もの。時代は動いているのですから、いかに歌舞伎が伝統芸能だと言っても、そこにあぐらをかいてはお客さんが離れるだけ。4種類の「伝統」をちゃんと識別して、時には遵守し、時には「型破り」を創案する必要がある。


「型破り」は「型」を知ってはじめて為し得る。さすが伝統を背負っている人の言葉には得心するところがあります。
それも、そこから新しい何かを創造するのですから、単なる知識だけではなく、向上心や情熱、そして何よりもお客さんに喜んでもらいたい楽しんでもらいたいまた来たいと言ってもらいたいという心意気が感じられます。相手あっての芸能ですが、その力は「お客さんの喜びは自分の喜び」のようなものだと思いますね。

鍼灸治療も伝統医学であり、経験医術です。しかし、社会構造も、自然も、地球も変化するのが世の常です。その変化に応じて、その伝統も変化していく。諸行無常ですね。伝統はなぜ受け継がれるか…やはり変化に対応、適応していくからだと思いますね。

そこから何か新しいものが生まれるのでしょう。
しかし、それは伝統(基礎)を元にしている。その「型」を無視しては、それは「型なし」だと、猿之助さんの言葉に「うまい」と座布団をあげたくなりました。

鍼灸の世界もいろいろな治療方法があります。まず「型」の大切さを知り、そこから、多くの経験と知識により「型」を基本にした応用が生まれます。そして、そこから向上心と探究心でさらに磨きをかけ、新たなもう一つの道が生まれていくのだと感じます。

その点、私は鍼灸の道の最初に、いろんな面でしっかりとした「型」を持った師匠につけたことは非常にありがたいことであると思います。今はその「型」を追求しつつ、そこからもう一歩すすんで脱皮するにはどうしたらいいか…と、もがいている時期だと思います。

この鍼灸の道は、広大で、深遠ですから、「ここまで来たらいいやろ」という所に到達するには、十分に一生はかかりますね。

しかし、変化の中にも「変わらない」もの、「変えてはいけない」もの、があるということだけは念頭においておかないと道から大きくそれて崖から転落する要因にもなると思います。

猿之助さんの伝統芸能に対する考え方。これは鍼灸治療においても、他の業種でも、社会にも言えることではないかと思うのです。

スーパー歌舞伎…観に行きたくなりました 

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本鍼灸師会青年部北陸ブロック合同学術研修会 参加②

2010年03月29日 | 鍼灸
さてパート①に引き続きまして、富山県で開催された学術研修会の続きを書きたいと思います。

講演2では、東京で開業されている(確か東京だったと思いますが…)、杉山 勲 先生(杉山鍼療院 院長)が「今、何を為すべきか」という演題で講演して頂きました。先生は経絡治療をされているわけですが、これまでの経験から、鍼灸臨床を志し開業したての鍼灸師、あるいは、学校を卒業したばかりの鍼灸師が、この素晴らしい仕事を業として、成り立たせて行くには「今」何をしなければいけないか、という内容のお話でした。


 講師の 杉山 勲 先生

経絡治療とは、脈診を中心として、腹、皮膚などあらゆる患者の情報を観察して、それを陰陽五行説にあてはめ治療方法を探っていく治療です。でも、これが全てかというと違うんですよね。実は大家と言われる先生方はしっかりと筋肉の圧痛や硬結を診ています。理論を展開する場合、ここの局所的な部分は省いていることが多いので、実は形だけ真似しても、なかなか良好な効果が現れないんですよね。

酔耀会では、いつもそんな話題になるんですよ。実は、大家の先生方が残した書籍には、治療効果を出す秘訣は隠されているんではないかってね。

そんな中、話の冒頭では、今の日本の鍼灸界は、二重構造をなしている。と話されていました。理想論と現実論がかけ離れているということです。理想論を唱えるだけの学会や研究団体、その内容と、技術の修得が追い着かず日々苦闘する臨床現場という現実論が混在しているのが現状であると。確かに一面はそうかもしれませんね。

しかし、理想なくして現実に現象として形にはなりません。また理想ばかり唱えていても、それを実践し、向上する信念や情熱がないと、それも現実には形になりません。理想があり、臨床の現場で遭遇する、日々の現象を注視し、自分のできる技術を生かし、そこに反省を重ね、成長していく。そして、その成長が理想への階段を一歩一歩登っていくことになるのだと思いますね。批判だけでは何も生まれませんね。

「鍼灸医学は気の動きを対象にしている」とも話されていました。だれも電気を見たことがないのに、人々の生活には今や電気は欠かせないように、人間を動かすのに「気」というものは存在すると思います。しかし、患者さまの立場としては、何でもいいから苦痛を取り除いて欲しいわけですが、鍼灸師側が説明する際には、しっかり現代医学的用語を中心として、患者さまに納得して、理解して頂けるように説明しなければいけません。
確かに治療する際は「気」というものは重要ですが、患者さまとのコミュニケーションの中では、バランスが大切なのです。ここが鍼灸師に欠けてる点と言えば、そうなのかもしれません。ですから、自分たちだけの研究会、勉強会だけで固まっているのではなく、学会に参加し、さらには、西洋医学の知識を取り入れ、いろいろな引き出しを持つことが大切なのだと感じます。現代の最先端医学は東洋医学に繋がるところや、東洋医学の考え方と共鳴しあう所もあるんですよね。

東洋医学では前述したように「気」を重要視しています。人間が健康で活発に活動するには、細胞中にあるミトコンドリアという部分でのエネルギー生産、熱生産が、重要なカギを握ります。このミトコンドリアは、糖質から、あるいは脂質を利用したエネルギー系です。エネルギーは、質量のある物質(形がある)の反応により生まれるわけですが、そこから生まれるエネルギー、体を動かす原動力であるエネルギー(形なく、目に見えない)は実は捉えられないのです。

まあ、そんなところにも、最先端科学と東洋医学の共通点、共鳴点なんですな~

話を元に戻して、

偏らずにいろいろ勉強せよということですね。

先生は、長年、経絡治療をしてきて、大家から教えて頂ける治療方法は、それなりに効果はあるのですが、いやらしい話、それだけでご飯を食べていけるかというと…そんな甘いものじゃない。だったらどうしたらいいか。ということで、もう一度、鍼灸の古典を紐解き、勉強し直したところ、「まず、患者の表面に現れている苦痛を取り除くことが大切なんだ」ということで、陽経治療を編み出しました。
身体には陰と陽があり、自然界で言うと、昼が陽で夜が陰、男が陽で女が陰、夏が陽で冬が陰、身体にもそれぞれ陰と陽があるというふうに考えます。経穴や流注(ルチュウ:経穴の繋がり)にも陰と陽があり、陰経は”臓””奥”、陽経は”腑””表面”に属します。
そこで、この陽経に属する経穴の反応点に施術することで、治療効果が一気に向上して、年間の新患数が2~3倍に増加したということでした。

この陽経治療というのは、主に筋筋膜性の痛みや痙攣などを主に行う治療であり、鍼灸師のレベルからいくと下工の治療にあたり、この下工の技を身につけることが、この仕事をまず業となし、そして鍼灸治療の上工を目指すためには必要な要素であるということでした。

下工・中工・上工とは、鍼灸の古典に書いてあるところの鍼灸師のレベルです。

下工とは、表面に現れている症状(ことに痛みなど)を、圧痛や硬結などを検出することのより治療点とし、痛みを取り除く技術を持っているレベル。
中工とは、下工の技術にプラス、その病や痛みが、どこの異常が原因で発症しているのかを、患者の身体情報を駆使して、その病を鑑別しその根本から治療できる診断能力と技術を持つレベル。
上工とは、病が身体に現れてない段階でそれを察知する能力がある。また、病を発症する前にそれを予防する方法(養生法)に長けていて、病を発症させない身体づくりを実現できる。また、患者が来院した時には、脈診を中心とした、身体所見で何も聞かずとも、その人の病の所在を把握することができ、病を根本から治すことができる能力を持つ、鍼灸師としては最高レベル。

簡単に言うと、こんなところですかね。

また、杉山先生は、自分の今の技量を知り、その技量の中での患者を診察する枠組み(基準)を明確に意識しておかなければ、間違いをおかすもとであり、患者を治癒に向かわすことができないと言われていました。大事なことですね。

自分のレベルにおける患者の適応と、鍼灸治療が患者の病に対し適応であるか、そのようなことを常に意識し自覚することは、患者さまのためにも、鍼灸師自身のためにも大切です。

最後の30分ほどは、先生の陽経治療の実技を見せて頂きました。




 実技の様子

最後にレジメより、「理想論を語ることは別に悪いことではないが、そこに至るまでの道筋を言うことの方がもっと大切である。理想論だけ述べて、道筋を何も説明しなかったことが、多くの流派に分かれていく原因にもなってきた。
正しい鍼灸術を守るためには、必ず全体の枠組みを知った上で、今の自分がどんな位置にあるのか、また自分のやっている事がどんな意味を持っているのか、その事を考えながら臨床に当たることが必要ではないかと思う」

最近、わたくしは忙しく活動させて頂いています。これからも続きそうです…
今回の講習会だけではありませんが、いつも、その時その時で思うことは、「常に勉強だな~」ということ。

「今」自分に与えられたことを、一つ一つ、楽しみながら、心を込めながら、こなしていくのが、自分の現在の使命かな~なんて思うのでした。

毎日、勉強じゃ~ 

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本鍼灸師会青年部北陸ブロック合同学術研修会 参加①

2010年03月27日 | 鍼灸
3月21日(日 春分の日)、富山県で学術研修会が開催されましたので参加してきました。

朝目覚めると、ここは中国の都市か 砂漠の街か というくらい黄砂が舞っておりビックリしました。近くの山も霞んで見えるし、車は砂模様がついておりました。

この時期、花粉、花粉と言われますが、花粉より小さな黄砂、それに付着している大気汚染物質のほうが実は気をつけなければいけません。喉の弱い人はマスクをし、外出から帰宅した際には、頻繁にうがいをしたほうがいいでしょう。
喉は免疫細胞が集まっているところであり重要ですからね

話を本題に戻しまして…

◎日本鍼灸師会青年部北陸ブロック学術研修会
 日 時:平成21年3月21日(日) 午後1時時30分~5時
 場 所:(社)富山県鍼灸マッサージ師会会館 3Fホール
 主 催:(社)日本鍼灸師会組織局青年部北陸ブロック(担当:富山県師会青年部)
 共 催:(社)全日本鍼灸学会中部支部
 対 象:富山・石川・福井・新潟の開業鍼灸師、全日本鍼灸学会会員 約100名
 参加費:会員 3000円・一般 4000円
 ■講演1
  演 題 (教育講演)『新しい標準経穴部位-主な変更部位とその意義-』 
  講 師 明治国際医療大学 伝統鍼灸学 教授  篠原昭二先生
 ■講演2
  演 題 (特別講演)『今、何を為すべきか』
  講 師 杉山鍼療院 院長  杉山 勲先生



 開会のあいさつをする富山の津田先生


 講演1 講師の篠原先生

講演1では、第二次経穴委員会の副委員長をされている篠原昭二 先生のお話があり、私たちが日々の臨床で患者さまに使用している経穴(ツボ)に関し、新たに国際的に共通した基準(部位)が決められたという話でした。その決定までの会議の流れ、中国、韓国、日本での経穴部位をめぐる議論、その経穴を探す方法、経穴決定のための指標など、会議での裏話などを交えながらのお話でした。

この第二次経穴委員会の合意は2007年、つくば会議において日本、中国、韓国によってなされ、2008年5月には京都にて「WHO/WPRO標準経穴部位公式版発刊記念講演会」において世界に向けて公表されました。その後、2009年4月に「WHO/WPRO標準経穴部位」日本語公式版が医道の日本社より発刊されました。これを元にして、現在、鍼灸専門学校や大学において使用されている教科書が作成されています。



この話を聴き、この話がどれだけ日本の鍼灸師に浸透しているのだろうかと思いました。新たに鍼灸学校を卒業して経穴を教育されてくる鍼灸師と、現在、臨床の現場にいる鍼灸師との経穴に対する知識が違ってくるわけです。これを意識しながら臨床を行えということになると、まったく無視する先生もいるだろうし、この部位が浸透し、自然に意識せずに使えるまでは時間がかかるだろうと思います。

話の中では、ある経絡治療を行っている大家の先生に、この新しい経穴について質問したところ「私は新たな基準は使わない。だって今のほうが効果があるから」ということを言われたというものがありました。
また、私が先生に直接質問に行った際は、「臨床の現場が混乱するんではないか」ということを聞いたのですが、「しばらくの間でしょう」ということでした。本当にそうかと思いましたね。また鍼灸の団体には古典や経絡治療、中医学など多くの団体がありますが、この新しい基準をどう使うかは「その団体で協議してもらう」という話でした。
でも、全日本鍼灸学会の発表や、原著としての論文を作成したり、世界に論文を提出する時など公式なものに関しては全て、この新たな基準の経穴で記さなければいけないということでした。

例えば『風池(フウチ)』という経穴が後頸部にありますが、世界においてはこの経穴は『GB20』と表記されます。経穴(ツボ)を世界標準にする場合は、どこの国の人が見ても分かるようにすることは必要なことです。しかし、経穴が漢字で表記されているという所に”意味がある”という部位がたくさんあるのです。
何を言いたいかというと、経穴がただの記号となってしまうということです。その辺りも考えながら会議がなされたと思いますが…、変化してしまったのですから、これから新しい基準が臨床的にどうなのか検討されていき、さらに変化していくのだと感じます。

しかし、鍼灸治療の効果を科学的に、定量的に見出していこうとする学会報告と、臨床を行っている鍼灸師との間の解離が起きないか心配するのです。特に中医学や経絡治療など、弁証論治、経絡の流れ(流注 ルチュウ)を重視して治療を行っている鍼灸師には受け入れがたいものになるかもしれませんね。

でも、学校を卒業してくる学生とも話が合わなくなってくるわけですから、どのように経穴の位置が変化したかなどは、知識として頭に入れておかなければいけません。

経穴部位を決定する際は、①体表解剖学的、②骨度法、③同身寸法という基準で経穴の位置を決定するのですが、①②が重視され、③が補助的に使うという話がありました。①は最も重視されるわけですが、加齢や成長によって形態は変化するので、その辺りを考慮しなくてはいけないという難点もある。②も体表解剖学同様の考慮が必要であり、③は患者の指の長さや、腕の長さを基準にして、経穴の位置を決定していくわけですが、これはアバウトであり補助的に使うというものでした。しかし、実際には臨床的には③が多く使われているんではないかと思います。どの方法にしても一長一短があり、臨床ではこれらを駆使して経穴をとっていけばいいんだと思います。

日本の中でも経穴の部位には、いろんな差が出てきます。この流派ではココ、この学術団体ではココ、この先生のところではココ、などです。それぞれの先生や流派により刺激の方法が違うし、それによる臨床効果も違うので、部位も少しずつ違ってくるというものもありますが、今回の話では時代的変遷も考慮すると、経穴部位の分岐点は、①鍼灸古典が特定の一か所を示すことができない、②伝写の過程で字句が変化する(鍼灸甲乙経、千金方、素問などの書物により違う)、③現代の人の解釈法によって意味が分かれてしまう、という点を挙げていました。全体の大きな経穴の位置は古典を元にしていますが、細かな所に関しては、時間の経過において、上記のような多くの問題が出てくるので、経穴の位置に関しては古典を重要視しなかったとのことでした。それも一理ありかな…。

中国は、経穴部位に関しては『黄帝明堂経』を基本にしているという話しでした。
経穴部位に関しては、日本が細かいところまでこだわり、緻密に議論しようとしているが、中国は「この辺りでいい」とたいへんアバウトだったということでした。韓国は日本と中国の間くらいだったようです。これは鍼の治療方法にも表れています。中国・韓国は鍼を打って、ビーンと響きがあればそれでいいんだ、というスタンス。日本でもそのようなスタンスで治療されている鍼灸師もいますが、身体はそんな強い刺激を加えなくても、微妙な刺激で効果が出ることが多々あるのです。日本人の繊細な心には、繊細な鍼刺激が適度なことが多いのです。異論もあるでしょうが…。

面白かったのは「チャングムの誓い」は観た人が多いと思いますが、その鍼治療の場面の話があり、手や足など顔が分からない部分の鍼はエキストラの方に鍼を打つそうなんですが、鍼を打たれるエキストラの方の報酬は高いそうです。それは「痛いから」なんですね。その点、日本の鍼は鍼自体も細く、痛くありません。これは向上心を持って技術の練磨をしている人は…ですが。

この講習会の感想は、学会で発表したり、研究したりしている鍼灸師は知識として必要となるということです。また、臨床的には、身体の反応をきっちり診ていくことは、今までと変わりがないわけですから、考え方は従来の経穴の位置でいいのだと思います。ただ名称や位置が少し変わっただけの話です。

ここから本当に意味のある経穴部位を探っていかなければいけないのではないかと思います。これは治療する位置なんですから当然です。

中国の人、韓国の人、お付き合いするといい人がたくさんいます。本当に温かい人たちです。しかし、「国」というものが乗っかってくると、今回の経穴委員会ではないのですが、政治や経済でも、国益、国の威信、名誉、などが絡み、非常に複雑な議論になってしまいます。グローバルスタンダードなんて、どこの誰が世界に流した言葉かは分かりませんが、世界標準も大事ですが、もっと大切なものがあるように感じます。鍼灸師だけでなく、政治家も、事業家も、この真に大切にすべき人たち、真に大切にすべき精神を心の基礎におき、何事も議論して頂きたいと思いますね。
キレイごとかもしれませんが、これからの世界に必要なのは、その心からくる行動であり、それこそ真のグローバルスタンダードだと思います。東洋医学では、人体は小宇宙と捉えます。地球も宇宙の一部であり、人間はその生命体の元で生かされています。そんな謙虚な心こそ、これからの世界に本当に必要不可欠なことだと感じるのです。

長くなりましたので、講演2はパート②で 

二葉鍼灸療院 田中良和
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生きるということ ~生きる意味~ 考

2010年03月23日 | 言葉のちから 心のちから
今日も気持ちよく、自分のやるべきことを頭の中に思い浮かべながら、ワクワクした一日の始まりを思い目覚めました。

生きるとは…、生きることの意味… な~んて難しいお題ですが、肩肘はらずに少し考えてみますね。

≪~感謝へのふりかえ~
病であろうが、運命が悪くなろうが、それを感謝と喜びにふりかえることです。
そもそも病とか不運とかいうものの原因を考えてください。何も自分に落ち度がなくして、病や不運がくるはずないのであります。つまり、原因あっての結果。

ですから、「おまえの生き方には誤りがあるぞ」、と自覚を促すために病になり不運なりが与えられたとしたら、これは大きな恵みですわ。

それを考えたら、恨みどころか感謝にふりかえ、喜びで誤りを是正する方へと自分の心を積極的にふり向けることが一番必要でしょう。≫

『中村天風 一日一話』 中村天風財団[編]


病は氣からと言いますが、心の持ち方次第でいい方にも、悪い方にも変化します。人生も同じです。人生の様々な分岐点は一日の生活の中にたくさんあります。
ステーキを食べようか、それとも和食にしようか…それもまた分岐点の一つです。そこで体の中の声が聞こえず、腸が弱っているのに、ステーキを食べると、結果は目に見えていますよね。

人生に起こる全ては原因があって、結果が現象となって現れます。そして、全ての分岐点での決断において自分に責任があるのですね。その結果を他人や世の中に転嫁せず、自分の心の鏡に映すと、それが感謝となり、反省となり、不運や病気だと思っていた事柄の中に「宝」が潜んでいたりします。

全ての出来事に感謝できると、自分の中に気づきが生じ、そこから人生は好転していくのだと思います。

これは積極的思考であり、世の中の真理の一つであろうと感じます。このように思考をもっていると世の中、何があってもあきらめることなくチャレンジしていけますよね

しかし、飛行機や電車、自動車など、自分には全く過失がないのに事故で家族の命が失われた、あるいは、事件に巻き込まれ命を失ったり、体が不自由になってしまった。また、お子さまが生まれながらにしてハンディキャップを背負っている、など世の中には理不尽なことも多々あります。そのような人は「分かってはいるんだが、そこまで心を持っていくことができない」というのも世の中の真実です。

≪そして、私たちは、この世という修行の場に、何度も何度もくり返し来訪しては、愛すること、許すこと、感謝することの大切さを学びます。人生とは、いわば、生まれる前に自分で作成しておいた問題集のようなものです。それぞれの問題を解くことができても、できなくても、正解は問題集を終えるまで見てはいけません。

人生という問題集を最後までやり遂げた時、初めて私たちは、自分で用意しておいた正解と照らし合わせ、自分の成長を自己評価することができます。そしてまた、解けなかった問題を解くために、あるいはいちだんと難しい問題を解くために、自分自身で新たな問題集を編み、それをたずさえて、この世という修行の場を再訪するのです。(~中略~)

もう一度、確認しましょう。「思い通りにならないこと」こそが、この物質世界が持つ最高の価値なのではないでしょうか。そして私たちは、「思い通りにならない」という「価値ある現実」から出発して、「思い通りにならない人生」をいかに正しく苦悩しながら生き、ふだんは「思い通りにならない」からこそ、時おり出会うことができる「願いがかなう喜び」を、いかに正しく味わって感謝するかということを、日々の人間生活の中で学んでいるのではないでしょうか。

それが、この物質世界で人間として生きることの意味であり、人生とは、「思い通りにならない」からこそ価値があるのです。(~中略~)

言いかえれば、自分から求めて訪れてきた「思い通りにならない物質的環境」の中で、生まれる前に自分自身で用意しておいた「人生という名の問題集」を解いているというのが、私たち人間の姿であると言えるでしょう。

『[新版]生きがいの本質 ~いつまでも、いつまでも一緒~』  飯田史彦 著


あの世があるのか、ないのか。あるいは、人間死んだら、何もなくなるのか、魂になって存在するのか。これはその時になってみないと本当のことは分かりません。飯田先生は、目に見えるもの、形あるものが全てだと思っている現代の人にも分かりやすく、魂やスピリチュアルの世界を解説されています。

自分にとって究極的にマイナスな出来事が起こったときは、泣いて、悲しんで、落ち込むことも必要です。何もやる気がなくなることも必要な場合もあります。しかし、上記のような思考をすることによって、立ち止まっていた「この場所」から、歩みはほんの少しずつだとしても、一歩一歩前進を始めることができると思うのです。

この思考も世の中の一つの真理だと思います。そして、この柔らかい、優しい思考は、そっと背中を押してくれるような力があり、落ち込んでいる人の心に「頑張らなくちゃいけない」という、大きなストレスがかかることもありません。

中村天風さん、飯田史彦さん、いずれも、人生での使命を思考するため、人生の意味を知るために必要な思考方法だと思います。時と場合によって、あるいは、自分の性格によって、思考方法を選択すればいいのだと思います。

表現方法は違っても、最終的な行きつく先は同じであるように感じますね。

二葉鍼灸療院 田中良和
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3月 酔耀会(鍼灸手技療法勉強会) 参加

2010年03月20日 | 酔耀会(すいようかい)
3月17日(水)、酔耀会が行われましたので参加しました。

本日、体調を崩していた先生も久しぶりに参加され、酔耀会のメンバーがほぼ全員参加して勉強会が行われました。1名は多忙のため欠席でしたので11名ですかね。この勉強会を始めたのが3年前の1月だったと思います。

その時は5名でしたので、徐々にネットワークが広がってきていますね。今は福井県からの参加があります。福井の先生も「この勉強会は面白いし、得るところがたくさんあるので、まったく眠くならない」と言っていました。

まあ、それだけ皆、情熱があるということですね

☆内 容

・本当!?気の測定器~
 【石田先生】
気とはいったい何なのか。それは鍼灸師にとっても永遠の問題でしょう。工学博士である、ひろせ ゆきお氏(金沢学院大学知的戦略本部長・同大学院教授 兼 金沢大学大学院特任教授)がアクタスという雑誌に出していた記事を紹介し、気について少しばかり議論。ひろせ氏は、気の要素の一つが遠赤外線と考え、体から出る微弱な遠赤外線を増幅して測定する装置を試験的に開発し、今後の展開(ビジネス)として、予防医療用あるいは美容・健康維持・増進ツールとして活用できるのではと考えているようです。気はあるでしょうが、それを臨床的に証明できないので、確信を持って患者さまに説明できないのが現状です。患者さんにも分かるような、安価な装置が開発されれば面白いと思いますね。

・鍼灸の保険診療について
 【藤田先生】
鍼灸の保険治療について患者さまにどう説明したらいいか、また、書面で説明するためには、こんな感じがいいのか、という藤田先生の日頃の悩みを「相談」という形で勉強会に提出。本当に臨床現場は経験が浅い藤田先生ですから、全てが勉強。こんなこともオッケーな勉強会です。日頃の悩みや、好奇心のあること、疑問など、何でもありの勉強会です。全部勉強ですから。私も含め鍼灸マッサージ師会の保険審査委員が3名いますから、その意見も取り入れ患者さまに分かりやすい説明ができれば、それがまた信頼に繋がるというものです。この話題をきっかけに、保険の事情や状況も皆と議論したのでした。

・美容鍼について
 【安井先生】
東洋はり医学会に所属する安井先生です。その例会に出席した際に講師の先生が、日頃、接触鍼として臨床で使用していた方法を美容目的として応用できる可能性について発表があり、その概要を説明してもらいました。また、それを自身の臨床現場でも少し興味を持って追試してみたところの実感を話して頂きました。実技も交えてですから非常に面白かったですね。顔の鍼についてモニターになった女性の感想を聴くと、年齢に関わらず、肌の艶や弾力性が増し、化粧ののりが良好であったようです。1回の持続効果は2~3日のようです。鍼は不思議なもので、さするだけでも効果がある時が多々あるのです。美容に限らずです。鍼治療の生きる道はいろんな所にあるんですね。(私は美容鍼はしませんが…するかも

・皮膚について考える
 【宮川先生】
昨年の京都で開催された全日本鍼灸学会でも講演をして頂いた、傳田光洋 氏(資生堂ライフサイエンス研究センター主任研究員)の書かれた『皮膚から考える命、こころ、世界 「第三の脳」』から、その研究の一端を紹介して頂きました。皮膚に関する不思議、皮膚では実は様々な反応が展開され、思考回路があるのではないかというくらい緻密な機能があることが分かってきています。皮膚は体液を流出させないため、異物の侵入を防ぐばかりでなく、多くの機能があるのです。色も認識します。そんな意味で皮膚は「第三の脳」であるということなのです。ちなみに第一の脳は、脳脊髄であり、第二の脳は腸管です。鍼をさす時、まず接触するのは皮膚です。皮膚に様々な機能があるなら、それは鍼灸やマッサージの効果やメカニズムを考える上で頭にいれておかなければいけません。次回もさらに深いところを紹介して頂けるということで、楽しみで~す。

・不妊症に対する鍼灸治療
 【豊島先生】
36歳、女性の症例報告。約1年半ほどの鍼灸治療(顕微授精など高度生殖医療も受けている)を行ったが(週1回)良好な結果が得られなかった。体調はすこぶる良くなり、卵のグレードなども改善されたが、なかなか妊娠まではいかない。途中でドロップアウト。1年後、違う主訴で来院し話を聞いてみると、最終治療の翌月に生理痛がひどくなり、不正出血も認めたため病院で検査してもらったところ「子宮内膜増殖症」との診断で処置を受けたとのことであった。この病変が長年のホルモン剤により急激に起こったのか、どうして起こったかは不明であるが、これは子宮体癌の前駆症状ともされているため、気をつけなければいけないという話でした。決して不妊治療歴のある人の全てというわけではありませんが、注意する必要がありますね。また、子宮内膜症や筋腫など子宮内膜に何らかの病変がある場合は着床しにくい印象を豊島先生は得ているようでした。私のところも不妊症の患者さまが多いので参考になりました。

・「つわり」に対する鍼灸治療の経験
 【田中良和】
「つわり」は病気ではありませんが、ひどくなると妊娠悪阻にもなり、著しく生活の質を損ないます。妊娠周期におけるマイナートラブルであるとしても、改善できれば、妊婦さんにとってはいいことでしょう。34歳の妊婦さんの症例報告。5週目から「つわり」が始まり、最初は食べることもできないくらい気持ち悪かったが徐々に改善。吐くまではいかない。現在、24週においては食べることはできるが、他の人の食事のニオイを嗅ぐと気持ち悪くなる。夜、気持ち悪くて目が覚める。24週から鍼灸治療を開始(3回の治療)。治療中は今まで感じたことがないほどスッキリするのだが、帰ると元に戻ってしまうという状態で治療はドロップアウト。どんな治療方法が良かったのか、あるいは、「つわり」は治療しないほうがいいのか、治療できる時期(リスクマネージメント)についてなど議論しました。ここでもなかなかいい意見が出たので、今後に繋げていきたいと思います。


ということで、充実した勉強会でした。が、情熱が溢れれば溢れるほど議論が白熱してきます。内容とは関係のないことまで飛び交います。そこがまたいいのですが…。

そんなこんなで終了はいつも午前1時近くになるのです。

『中庸』に曰く、「博く学び、審らかに問い、慎んで思い、明らかに弁別し、誠実に実行する。人がこれを一回するなら、自分は百回行い、人がこれを十回するなら、自分は千回行う。果してこの方法を実行すれば、愚者であっても必ず賢者になり、柔弱であっても必ず強くなる」。

継続は力なりですね。そして、少しでも多く学ぶことを心がけることこそ、大きな力となり自分に返ってくるのですな~。

でも怠けてしまうのが人間の習性。そこのところは私も人間のようです。
その点、ワクワクするような勉強会があり、そこに向けて勉強できる環境があり、それを議論し合う仲間がいるということは、本当に感謝ですね 怠け癖も少し抑制されますしね

二葉鍼灸療院 田中良和
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2010 星稜野球部 初 練習試合 (対 南砺総合福野)

2010年03月20日 | 高校野球
今年は気温の差が激しいですが、徐々に春の足音が近づいて来ています。

星稜野球部にとって、2010年のスタートとなる練習試合が3月14日に行われましたので観てきました。

朝から雲ひとつない、いい天気 だったのですが、風が冷たい冷たい。動いている選手はいいかもしれませんが、じっとして観ている私としてはジワジワと固まっていくような、そんな冷たさでした。

でも、いい天気になって良かったと思いましたね

☆練習試合

  星稜南砺総合福野(富山)



 試合に臨む星稜の選手たち


 南砺総合福野ベンチ

選手は、みな初戦ということもあり、目的を明確にして試合に臨んでいたようです。結果を出せた出せなかった、それは別として、自分がどんな目的を持ち、何を意識し、どう試合を行ったか、それが重要なことであり、それが反省に繋がり、その積極的思考は、成功にしても、ミスにしても、次のステップアップに繋がる要素となっていきます。

特に試験あけで、1週間以上ほとんど練習をしていなかったわけですから、なおさら意識を高くして臨まなければ、ミスだけではなく怪我をしてしまうことも考えられます。

打撃、守備、ピッチングなど、始まったばかりなので、まだまだグランドに慣れて、調整していくことが必要です。その点は、始めとしては、まずまずでしょう。自分の欠けているところ、チームの欠けているところをチェックしながら、自分の長所、チームの長所をどんどん伸ばしていって欲しいと思います。



気になった点は一つだけ。「声に元気がない」ということ。それなりの声は出ていますが、外で野球をやれる喜び、一年のはじまりをこんな快晴のもと試合をできる感謝、自分のプレーをグランドで発揮できる嬉しさ、そんなものを表現する「声」というものが足らないかな~と思ったのです。

「声出せや」「もっと守備の時、元気にしゃべれや」「声が聞こえんぞ」ということを選手に話していました。意識の大切さとともに。

不調であっても、打てなくても、ミスをしても、変わりなく力をさせるのが「声」です。逆にこれをきっかけに、スランプから脱したり、何かを掴んだりすることもできるくらい高校野球には大切な要素だと思います。
調子がいいから、気合が入っているから声が出るのではなく、声を出すから、調子がよくなり、リズムに乗り、気合が入って、チームに勢いがついてくるのです。まず「声」を出すことが、自分たちの力を押し出してくれるのですね。


 応援・観戦する父兄会の皆さま

いろいろ課題が見つかったと思いますので、これから練習試合ごとに、また日々の練習においてパフォーマンスを上げていって欲しいと思います。この時期は怪我や痛みが出やすい時期ですから私も気を配る必要も感じています。


 練習に励む選手たち

本日は、午前中は練習試合、午後からは、実践的な練習を多くやりました。私は途中用事があったので、夕方には帰らせて頂きましたが、ここからの星稜野球部の飛躍を思いながら岐路についたのでした。

二葉鍼灸療院 田中良和
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ワクワクセミナー 参加

2010年03月19日 | その他の活動
3月12日(金)、ワクワクセミナーという楽しそうな、何か発見があるようなセミナーに、鍼灸師の先輩にお誘い頂き参加してきました。

会場が金沢駅にあるので、駅を歩いていたところ、この時間にしては人が多いな~と思っていましたら、ニュースにも出ていた、急行「能登」と「北陸」のラストランの日であり、いわゆる鉄道オタクの人たちの熱気が残っていたのでした。

1回だけ「能登」を利用させて頂いたことはありました。長い間、多くの人を運んでもらってお疲れ様でした、ですね。

◎ワクワクセミナー
 日 時:平成22年3月12日(金) 午後8時~10時
 場 所:ヴィアイン金沢 3階 会議室
 演 題:これからの治療家として必要なこと
 演 者:新谷哲祟(シンタニ ノリタカ)
      (株)ラブ・シンヤ 専務取締役(婦人服小売業)


遠い親戚のお通夜があり40分ほど遅刻して参加しました。

なぜ、服屋が「治療家に必要なこと」という、はじめは少し疑問符も入る気持ちでしたが、「ワクワク」という言葉に誘われて参加したのでした。

この新谷さんは、小松市の商店街で婦人服店を経営されており、その傍ら、北京オリンピック女子ソフトボールチームのメンタルトレーナー、あるいは桑田真澄さん(プロ野球 元 巨人)の大怪我からの復帰の際にメンタルトレーニングを行った、西田文郎氏にスパーブレイントレーニングを学び、実践中という面白い経歴をもつ方です。


 講師の新谷さん



その新谷さんが、そのメンタルトレーンングを経営というものに活かし、多くの人との出逢いの中で、地域を、日本を元気にして行こうというのが、このワクワクセミナーのようです。

ワクワクするようなお店、医師や治療家の取り組みを話された後、昨年11月に開催された「第1回治療家甲子園」というDVDを観ました。治療家甲子園というのは、治療家は自分で限界を決めてはいないか、もっと夢と理想を持って、素晴らしい仕事なんだということをアピールしていきたいということで、それぞれの治療院としての取り組みを書類審査やプレゼンなどで競い合うというものです。

このDVDを観て(一部分しか観てはいないが)、治療院経営という点では学ぶべき所もあるなと感じました。お金は後から付いてくるとしても、お金がないと生活ができないのも事実です。稼ぐという言葉は嫌いですが、そうしなければ生きていけない現状がありますね。

しかし、このDVDで一貫して流れていたのは、「人と人の繋がりの大切さ」「思いやり」「感謝」「チームワーク」「前向きな積極的姿勢」「すべては学び」など形のない所が溢れていました。これは非常に大切なことだと思いました。また、患者さまとの繋がりを持つための様々な取り組みなども取り入れていけるかも…と思うこともありましたね。

肯定ばかりでなく、ここでは接骨院を主に行っている経営方法が中心でしたが、では、流行っていると言われる治療院において、どれだけの先生が積極的に、学会に参加し学術的研鑽を積んでいるのか、あるいは、業界の活動に出て、自分の治療院あるいはグループ以外の益のために活動しているのかということです。

私はいくら流行っていても、その中心となるべき治療家が、学会に参加したり、発表したりしないのであれば、まったく魅力を感じません。それがないとなると、あくまでも経営手法というだけの話であり、国家資格を有する者の義務というものが全く感じられないということです。目先だけ見て、一時的な豊かさのために「今」を思考し、実践していたのでは、現在の人類や、地球が直面しているような、そんな”ツケ”というものが必ずやってくると思うのです。

バランスが大切ですね。経営も学術も、地域貢献活動もみな大切なのですからね

さてさて、このセミナーで私が学んだことについて書きますと…

○自分のワクワクには限りがある。他人をワクワクさせる、他人を喜ばせることこそ、自分の中に無限のワクワク感を生じさせる。

○人間の脳は、現実か仮想(バーチャル)な世界か分からなくなることが多くある。いわゆる人間は「錯覚する」動物である。が故に、思考において積極的思考、ワクワク思考をすることによって、脳を錯覚させ、それが現実に転化される。

○楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔でいるから楽しくなる。これはよく言われていることであるが、ようは形から入れば、現実が伴ってくるということ。

○「ありがとう」と言っていれば、有り難くなくてもだんだん有り難くなってくる。不思議であるがそれが現実。

○他人が喜ぶにはどうしたらいいか、他人が笑顔になるにはどうしたらいいか、そう考えると自分もワクワクしてくる。それが実現した時の相手の「笑顔」を創造するだけでやる気が出てくる。

○お客さま、患者さまが「用事がなくても行きたくなる」「あそこへ行きたくてしょうがない」そんな治療院、そんな場所にしていき、なくてはならない存在になっていくにはどうしたらいいのか思考する。

○自分はなぜワクワクする必要があるのか、その大きな目的の一つは、子どもたちに大人を姿を見せることにある。「大人って楽しいんだよ」「大人って格好いいんだよ」という、そんな明るい未来の姿を見せていきたい。

○いろんな業種の人たちでつくられるいる「アホ会」というものがあり、一年に一回開催される。これは一年に一度、みんなでアホになろうという会であり、新谷さんも所属している。大きな夢を語り合う場で、その人の夢を絶対に否定しないというのが条件。ちなみに新谷さんの夢は、「火星に商店街をつくりカッセイカさせること」なんだそうな。

○一番自分の力を引き出してくれるパワーは「他喜力」=他人を喜ばせようとする力である。

○理想を実現するために大切なことは、夢があり、夢を語ることができ、夢を語り合える仲間がいるということ。

○脳は錯覚を起こす動物であることは述べた。だから、どんどん脳にいい錯覚を起こすような思考や夢を持って、人生を過ごすことが成功に繋がる。

○失敗を振り返ると、人生には学びとチャンスしかないと気づく。失敗はそこであきらめるから失敗なのであって、全てを学びとすれば、失敗と言われるものは成功のための一つの過程である。

○不況も錯覚

そんなことを学んできたのでした。いいことは実行しないとね。できることからやってみたいと思います。というか、新谷さんの話は以外に私の思考とシンクロすることが多く、心の在り方として実行していることも多いのでした~

その後、酔耀会メンバー2人と、その彼女(鍼灸師仲間)とで、深夜までミーティング…という飲み会を行い、充実した夜を過ごしたのでした

んん~やはり人生、すべて学びですね。そして、いい仲間がいることに感謝ですね 

二葉鍼灸療院 田中良和
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成功者の共通点

2010年03月18日 | 言葉のちから 心のちから
世の中、不況の真っただ中。しかし、心は前向きに、そして、仕事に対して、人生に対して向上心あふれるものでありたいものですね

社会を見渡すと、元気な企業やお店もあれば、苦境を強いられている企業やお店などもあります。自身の現段階を踏まえて、やはり「心」の持ち方、ものの観方、考え方、捉え方が、これから、”その状況をどう変化させるか”ということに繋がっていくのだと思います。

≪大きな成功を収めた人、真に偉大な人、その道での第一人者といった人々は、肉体と精神の両面の痛みを克服しているという事実である。それとは逆に失敗続きの人、何をやってもうまくいかない人たちは、肉体的、精神的両面の痛みに対する恐れにとらわれており、それはほとんど迷信とも言えるものであった。

肉体的、精神的な痛みを克服したということは、自分の心を完全に支配したということにほかならないということだ。これこそ創造主が人間に授けた完全にして絶対の支配権であり、唯一絶対のものである。≫

『自己実現』  ナポレオン・ヒル 著  田中孝顕 訳


素晴らしい会社、大きな事業を成功させている人たちには、少なからず影の部分があり、辛さや、悲しみなどの苦境の道を耐え、そして、そこから得られた力をバネに、大きな理想を信念として、その思考を実現させているのだと感じます。

ナポレオン・ヒルは続けて、ワシントンで彼の講座に参加したある未亡人について書いています。

≪彼女は第一次大戦でご主人を亡くされたのだが、それからほどなく病気になり、大手術が必要になった。最初の手術は失敗に終わり、二度目の手術が必要になった。彼女はそうした費用を支払うために、家を手放さなければならなかった。そのために、手術が成功して退院しても住むところがない。二人の息子があり、どちらも結婚していたが、どちらの嫁も一時的にさえ同居を承諾しなかった。兄と姉が一人ずついたが、これもまた、どちらも彼女の養生中の面倒を見ようとはしなかった。

とうとう彼女が以前に通っていた教会の牧師が手を差し伸べ、一時的に宿を提供する親切な人を見つけてくれた。私が彼女に初めて会ったのが、この場所である。私が彼女の自立の助けになるのではないかという希望から、私が招かれたのである。もちろん慈善的な行為であり、それに対しての報酬を受け取るつもりはなかった。そして、授業料は免除するので私の授業に出てみるよう、彼女に話した。

ところが、そのとき彼女の態度に、私はすっかり驚かされた。私の申し出に対する彼女の返事はすばらしいもので、ぜひ、ここに紹介したい。

「ご親切ありがとうございます。でも世の中にはただで何かを頂けることなどないと、ずっと思ってまいりましたので」

と彼女はまず言った。

「どう生きたらいいのかを皆さんに教えるのは、先生のお仕事です。それで暮らしていらっしゃる。ですから、私も先生の教室でご指導を受けたいのですが、授業料はあとで必ずお支払いします。そのことだけは、はっきりさせてください。

体の痛みにも、心の痛みにも苦しんだのは確かですが、私の闘いはまだ続いてますし、試練に負けてもいません。いまのところは経済的な手立てがありませんが、気持ちはしっかりしています。この気持ちをいつもしっかりさせて、貧しさに負けないで、どんなことにも恐れない生き方をしたいと思います。きっと、神様もそうお望みでしょうから。
夫に死なれましたが、そういう女性は他にもたくさんいます。私だけが苦しいわけではありません。

子どもたちも兄も姉も、一番助けが欲しい時に、私を助けようとはしませんでした。でも、そのために傷ついたのは、私よりもあの人たちです。あの人たちは、困っている人に愛を注ぐ機会を剥ぎとられたのですから。それなのに私には、自分の心を頼りに自立し直す道が、まだ残されているのです。

私はこれまでの苦しみを残念なこととは思っていません。そのおかげで精神的に強くなれたのですから。その強さで、将来は自由な生き方をしたいと思っています」


彼女はさらに続けた。

「それに、私を助けようとしなかったからと言って、家族を恨む気持ちもないのです。お蔭で私には、『汝を傷つける者を許せ』という神のお教えに従う、すばらしい機会に恵まれたのですから。『われらに罪をなす者をわれが許すがごとく、神よ、われらの罪も許したまえ』。

逆境を経験して、私はそれ相応の”利益の種子”を見つけました。それは私自身の心が持っている力に気づいたことと、その力を使えば悲しみも悩みも乗り越えられると分かったことです。

でも、逆境から得られた一番すばらしい収穫は、肉体の痛みであれ、精神的な苦悩であれ、辛さというものは、神の訴えるのに都合のよい場所を与えてくれる、そのことに気づいたことです。

夫の亡くなる以前にも、私はある教会に属してはいました。逆境の洗礼を受けてもくじけなっかた時から、私は本当の信者になったのです。そして私は今、生活が信仰そのものになっています。ただ信じさえすればいいというものとは違います。

本当に一番苦しい時に、私は絶対に屈しない魂を持っていることに気がついたのです。ですから、なぜ私が家族に恨みを持っていないのか、はっきりおわかりでしょう。家族が何もしてくれなかったからこそ、私は自分の心の持つ力量に気がついたのですから。

私は自分を哀れだとは思いません。でも、血肉を分けた子や兄弟は、たいへん気の毒だと思います。助けるべき者を助けるという慈愛を示して、自分の心の大きさに気づくという、またとない、すばらしい機会を掴みそこねたのですから」


この女性は私の教室で学び、成功の科学をマスターした。のちに、アメリカ大統領から政府機関での、女性としては最高の地位に任命された。その後、彼女は政府の女性職員を対象とした講習会を開き、自分自身の心を発見する方法を教えている。彼女が広義の基礎としているのは、成功の哲学を自分の自立体験に照らして説明することである。

この勇気ある女性は、肉体および精神両面の逆境と苦難を経験して、あらゆる力の源泉へ通じる道を見出した。が、彼女をそこまで奮起させたのは、三回の大手術、夫の死、経済基盤の喪失、親族の冷遇といったことだけではない。お気づきの通りである。

もっぱら前向きの心構えで苦難に対処する、これこそが彼女が苦難の中から「それに見合った利益の種子」を探し出す手段である。彼女が発見した不利な状況を有益なものにする方法、これはすべての人間に恩恵として与えられているものだ。

挫折感、悲しみなどは、それを経験する人にとって、すばらしいものにもなれば、致命的な失敗にもなるのである。その人にとってどちらの状況になるのかを決めるのは、”ひとえに状況に対する心構え次第”である。ある人にとっては、つまずきの石である。だが別の人にとっては、今、お話した未亡人のように、あたり一面を見晴らせる人生の高みへと登る踏み石となるかもしれない。

この未亡人の話を終える前に、彼女のお気に入りの、祈りの言葉を引用しないわけにはいかない。

「過ぎた富を望みはいたしません。神様、必要なものだけをお与えください。また、悲しみや苦しみから解き放たれたいとも思いません。ただ、それを英知に変える術を、この世の摂理にかなった生き方に私を従わせる英知に変える術を、どうかお示しください。全ての人間に等しく授けられてはいないものを、望むこともいたしません。他人から傷つけられた時には、私は相手を許せる強さを、相手の人たちには行いを悔い改める光栄をお与えください。最後に、私が生きる上でどんな状況にあっても、その状況を読み取り、的確に対応できるように、お導きくださいますように」

『自己実現』  ナポレオン・ヒル 著  田中孝顕 訳


心ひとつの置きどころ、心がけ次第で、人生どのようにも変化していくという教えでしょう。人生は「今」の積み重ねであり、「決断」の繰り返しです。「今」をどのような心で過ごし、ここでどのように「道を決断するか」で、自分の行くべき道も決まってくるということなのだと感じます。

自分の道は自分にしか創ることができないし、自分に全ての責任があります。99失敗しても、最後の1が成功であれば、それは人生の成功というものです。あきらめることが失敗です。

自分の中に潜んでいる、”可能性という力”にワクワクしながら、日々の仕事に、人間関係に、そして、遊びに 取り組んでいきたいな~と思うのです 

二葉鍼灸療院 田中良和
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第29回 加賀・三策塾(合同学術研修会) 参加

2010年03月17日 | 鍼灸
何かと忙しいこの時期です。確定申告も終了し、少し落ち着いたところです。
有り難いことに、毎月、予定が目白押しです。また、患者さまも、気温が20度近くになったかと思ったら、同じ週内に雪が舞ったりと、春先は三寒四温と言われ天気の変化が激しい時期ですが、それを通りこして、激しすぎる気温変化が続いています。ですから皆様、体調がすぐれない人が多いですね。ということは当院も忙しいということなのでした~。

そんなこんなで、ブログはなかなか更新できまんが、時間と集中力のある時に一気にやるようにしています。

前置きはこのくらいにして、3月7日(日)に開催された、加賀・三策塾(合同学術研修会)の報告をしたいと思います。

日 時:平成22年3月7日(日) 午前10時~午後12時
場 所:石川県立盲学校
内 容:
 ・肢端紅痛症の一例
                   鍼灸なかだ治療院  中田和宏 先生

 ・『奥村三策の生涯と偉業』 ~奥村三策顕彰講演会~
                                松井 繁 先生  
 ・鍼灸・医療最新ニュース&書籍紹介



 症例報告の中田先生

前半の症例報告では、肢端紅痛症という聞き慣れない症候名の患者さま。この症候は、足の血管ノイローゼに例えられ、血管運動神経の障害により毛細血管が拡張したままとなり、皮膚が赤くなり痛むものです。鍼灸治療で奏功する症候であり積極的に治療を行うべきと書物にも書かれているものです。自律神経障害の一つですから、鍼灸治療が効くのですね。
この演題を見ただけで、「まだまだ知らないことがたくさんあるな」と、常に勉強、一生勉強しなきゃいかんなと思うのでした。

症例は、79歳の女性。両足趾の発赤と痛みが主訴。2年前に思い当たる原因がなく発症し、内科や整形外科を受診するも原因不明。雨が降ると痛み、歩行時に足裏痛、夕方になると両下肢が重だるくなったり、顔がほり足が冷えたりする。顔面、手掌、足趾、足裏の皮膚に発赤あり。糖尿病や高血圧、骨粗鬆症、高脂血症などの既往がある。今まで病気になったことがないくらい元気あったが、このような症状が長引き不安が重なり、ややうつ傾向にある。
足の趾間穴への鍼治療と、澤田流の経穴を使用して体力増強を期待しての太極療法を行ったところ、1ヶ月は痛みの改善がみられなかったが、夜間頻尿や便秘が改善され体調は良くなってきた。3ヶ月後(65診)には、痛み、発赤ともに消失し、皮膚も健康的なピンク色になってきた。うつ傾向の患者さまはドロップアウトしやすいが、痛みだけにとらわれず、全身に出ている症状(便秘や夜間頻尿など)を改善することで、信頼が得られ、治療を重ねることができた。継続して治療していくためにはモチベーションをあげることがポイントであり、慢性症状の消失につながることを考えさせられた症例報告でした。


 講演会の講師、松井先生




第二部の講演会は、鍼灸医学の近代化推進に絶大な力を及ぼした、金沢が生んだ鍼灸マッサージ師の大先輩である奥村三策先生の顕彰講演会が行われました。『奥村三策の生涯~近代鍼灸教育の父~』(森ノ宮医療学園出版部)を著された、松井 繁 先生にご講演して頂きました。
2歳で失明し、47歳でご逝去されるという短い人生でありながら後世まで名を残している奥村先生の生涯をパワーポイントにて辿りました。先生が師事した代々加賀藩筆頭藩医の御鍼立として前田家に仕えていた久保三柳、西洋医学では大井玄洞、東京医科大学学長の三宅 秀、あるいは、矢田部良吉、明治政府、初代文部大臣の森 有禮など、臨床や教育を行いながら、多くの人たちとの繋がりの中で、政府が行う漢方医学撲滅政策と真っ向から立ち向かい、鍼灸医学の存続と近代化のために信念と情熱を傾けた生涯は何かつき動かされるものを感じました。
また、時代のニーズに即した教科書編纂、奥村先生の教え子である富岡平吉が東大病院に、日本はおろか世界初の病院勤務マッサージ師として就職した話は、先生の強い信念を感じました。会場からは、奥村三策先生と同郷である私たちも誇りをもって努力し、鍼灸マっサージの良さを広めていきたいという意見もありました。この学術研修会の名称である。「加賀・三策塾」、この名に恥じないような鍼灸マッサージ師を目指していきたいものです。



その後、鍼灸業界の活動報告や学会のお知らせがあり、何冊かの書籍の紹介がありました。

自分で書籍から勉強することは大切なことです。しかし、このような講習会に参加し、新たな情報を得て、広い視点から医学や臨床を見つめ、患者さまにより良い鍼灸医療を受けて頂くことこそ医療を行うものにとっては必要不可欠なことだと思います。教科書では勉強できない生の情報や話が出てくるわけです。

これからさらに変化の激しい時代がやってきます。その時に来てから慌てても遅いのです。「今」の積み重ねこそ、未来の自分をつくっていくのです。早くそのような視点に立って勉強に励む鍼灸師が多く出てくることを願います。患者さまのためにも

私は名古屋の東洋医学研究所で10年間、勉強・修行させて頂き、勉強することが自然になっているようです。師匠の黒野先生には、「いい癖をつけて頂いた」と感謝しているしだいです。

しかし、患者さまのことを思えば、それが自然なわけであり、そうならなければ不自然なのですが…

さて、今回の講習会でも、日々の臨床に「心をこめる」ため、さらなる精進をと心新たにさせて頂きました。ありがとうございます 

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本のエネルギー開発 原子力発電について考えてみた ③

2010年03月12日 | 社会
日本のエネルギー開発や原子力発電を考えると、熱くなってしまいます。

政府は地球温暖化防止には原発は必要不可欠とし、「原発推進」をしています。この点は、同じ与党内の社民党が訴える「原発を切り札にせず、脱原発に向かうべきだ」という意見に、私は大賛成です。

これから、さらに原発を20基以上作ろうとしています。お隣、中国のエネルギー事情も大変なようで、日本よりはるかに多くの原発をつくる予定もあるようです。

人間とはどれだけ強欲なのでしょうか。自分のためだけ、利益だけ、経済回復にため他を犠牲にしてまでも利益を追求する時代はもう難しくなっているのではと思います。もし、それでも人間の欲求のおもむくままに開発を続けたら、地球は悲鳴をあげて自然治癒力を発動するのかもしれません。人間にとっては最悪の事態。

人間は何かを失わなければ、失敗しなければ、本当のところは理解できないのかもしれません。それとも古代文明が滅びたように、私たちも同じ徹を踏み、消滅しなければ、この経済活動、文明活動に歯止めが利かないのかもしれない…とも思うのです。

現政府には「今の経済状態を踏まえると、原発の力を借りざるを得ないのが現状。だが、将来的には脱原発を推進し、自然エネルギーをはじめ他のエネルギー開発に力を入れていきたい」というような内容の会見をして欲しかったと思います。

繰り返しますが、日本は地震地帯です。今後、東海を中心にした大地震なども予測されています。記憶にある方もあるかもしれませんが、ロシアのチェルノブイリ原発が事故で爆発を起こした事件がありました。

チェルノブイリ原発から周囲30kmは永遠に居住区として禁止されています。永遠にです。

万が一、これが日本で起きたらどうなるでしょうか
先祖から受け継いで来た、山紫水明、美しい山や川、海や森、多くの大自然が一瞬にして生物の地獄となってしまうのです。そのような権利が人間にあるのかな?とも感じます。

もう一度、自分の生活からエネルギーについて考える時に来ているのだと思います。
経済は一度消失しても何とかなりますが、地球や人間がダメになれば、そこからは何も生まれません。

そんなことを、最近の政府や官僚のエネルギー行政、経済界(原子力開発を巡る大企業の)の利益優先主義を見ていて思うのでした。

『言志四録』に曰く
≪一つの物事が道理に適っているかどうかを見て、全体の良し悪しを問わない。また、一時的な利害にこだわって、長い先の利益を考えない。政治が執るものがこうならば、国は危険な状態になる≫

長々と読んでいただき、ありがとうございます。 

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本のエネルギー開発 原子力発電について考えてみた ②

2010年03月12日 | 社会
原子力発電について考えています。

①でも話したように、原子力発電には放射性廃棄物がつきものです。現在、この処理を現時点お科学水準で行うには非常に難しい問題だとされています。現に六ヶ所村の再処理施設、廃棄施設では事故が続発していいます。その廃棄物はドラム缶のような詰め物に入れられたり、ガラス固定され、それらは地中深く埋められることになっています。

さて、日本という土地は四つのプレートが入り組んでいる、いわゆる世界で一番地震が多発する国です。そして日本の各地には多くの活断層が存在します。阪神・淡路大震災の時に動いた活断層もそれ以前には発見されていない部分があり、発見されていない活断層も含めると、日本には地震の起きないところがありません。
また、日本は世界でも類をみないほど「水」がキレイな国であり、水道ひねったら、おいしい「飲める水」が出てくるところなんて、世界でもそう多くはありません。ということは、森林が根ざし、地下水脈がヒトの毛細血管のように張り巡らされているということです。そこから数百年かけて伏流水として地表へ涌き出てくるわけです。ありがたい自然の恵みですね。

何が言いたいかというと、そんな条件のところへ核廃棄物を埋めるということです。埋める場所について、細かく調査して検討されているとは思いますが、こう考えても何か怖いものがあります。「私の近くに埋めるわけではないから関係ない」と思う人があるかもしれませんが、地球が汚染されるわけですし、日本という狭いと土地で行われるわけですから、その影響はまわりまわって自分に返ってくるのです。人事ではないのです。

最近、中国四川省での大地震、ハイチでの地震、チリの大地震、先日はトルコでも地震があり、日本でも沖縄に100年ぶりくらいの大きい地震がありました。鹿児島の桜島では今年ハイスピードで噴火が確認されています。これら自然現象は何を示しているのでしょうか
新潟県沖で起きた地震の際、柏崎原発が火災を起こしました。この地震での揺れが想定外だったとのことでした。原発は地震対策はしてあると思います。しかし、想定外の地震は今後、予測することもできません。ただでさえ事故が多い原発です。私は石川県に住んでいますが、石川県にも志賀原発があります。事故が多いです。そこへ想定外の大地震が来たらどうなるでしょう?自然の営みは人間の科学力や知能をもってしても計れ知れないところが多いのです。ほとんどといってもいいかもしれません。

私は地震により亡くなられた方や、残された遺族の方の中には地震が憎くてたまらない人がいると思います。しかし、地震は止めることができません。台風も止めることができません。人間は自然とともに共存していくしか道はないと思います。
ですから、プレート活動や火山活動などの大自然の営みが、何か人間の行いや思考に対してメッセージを送っているのではないかと思ってしまうのです。

福井県に美浜原発というのがあります。この1号機クラスの原子炉が事故を起こし爆発した場合、風向きにもよりますが、周囲8kmにいる生き物は即死すると言われています。

核廃棄物だけでなく、原子炉自体が、このようなリスクを抱えて存在しています。

私も電気を使いますし、文明社会を享受してますから、原子力発電から得た電気を利用しているわけです。もし原子力発電を止めて、経済が混乱するにしても、不便が生じるにしても、それは受け入れなければならないと感じています。そういう覚悟もあります。

私たちは文明社会が最も優れていると思っていますが、アマゾンの奥地やアジアの未開の地に住む人々は、何が素晴らしい生活だと思うのでしょうか 果たして私たちが築いてきて文明社会が最高の生活なのでしょうか。と、ふと考えることがあるのです。

経済がなくなっても、食物を育む、大地と水、そして太陽、生物を育むキレイな川や湖、海があれば、人間は生活していくことができます。
原子力発電は水や空気に放射能を放出しています。原発側は微量であり、人体には影響がないと言います。しかし、それは自然が放出する量をはるかに超えています。目に見えないからさらに怖いのです。確かに自然にも放射能が放出されています。岩盤浴の発祥の地、秋田県の玉川温泉などにしても、それを利用しているわけです。微量な放射性物質により身体の細胞が刺激され病気が治癒に向かう(ホルミシス効果)ということが実際にあります。これは、あくまでも本当に微量な、自然界における放射性物質ですけどね。

土地や水や空気が汚染されると言うことは、それを口から吸い、それを口から摂取する人間も汚染されるということです。医療者がいくら頑張ろうが、鍼灸治療をしようが、根本的なものが汚染されているので、病気はなくならず、さらに悪化していく、というシナリオも考えられなくはないと思うのです。

人間は地球の資源を利用させて頂いているだけで、けっして人間のものでもないし、人間が自然の創り出すものを創れるのかというと、ほぼ不可能です。それは、人間も自然の一部であり、自然循環の中の構成要素の一つなんですからね。新しい発見、新しい発明は、皆、地球の恩恵を受けているのです。

その地球を汚染するエネルギーシステム、将来大きな危険が起こる可能性があるエネルギーシステムが未来永劫、必要不可欠なのでしょうか 甚だ疑問です。

現在の経済活動を維持するために、危険なエネルギープラントの使用を続け、それから生まれるさらに危険な核廃棄物が蓄積します。甚大な危険に晒され、それと隣り合わせで共存し、そして、最終的にこれらの問題を処理しなければならないのは、子や孫の世代なのです。このような遺産を残しておいていいのでしょうか、と思うのです。

長くなりました。熱くなりました。③に移ります。

二葉鍼灸療院 田中良和
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日本のエネルギー開発 原子力発電について考えてみた ①

2010年03月12日 | 社会
ヒトは、朝、眠りから目覚め、昼は活動し、夜になり再び眠りにつきます。活動する時も、眠りにつき夢の世界にいる時も、ヒトの身体は動き続けています。

ヒトが活動するためにはエネルギーが必要です。質量のない、目に見えないエネルギーです。これは身体の細胞一つ一つの中にあるミトコンドリアという発電所で作られます。この発電所が機能的に働き、活発であるとヒトはエネルギーに満ち溢れ、健康な状態が保たれ、活発に活動できるわけです。そして、夜、寝ている時は新陳代謝を行うため、さらに活躍するわけです。

ミトコンドリアの活性が低下したり、機能を消失したり、あるいは、ミトコンドリアに必要以上の負担がかかると、活性酸素というものが放出されます。これは適度であれば、細胞の自然死のシグナルとなったり、身体に害を及ぼすものを破壊する働きがあります。
これが増えすぎると、自身の細胞を傷つけ、それが重なり広がっていくと、いわゆる病氣という状態になります。

ヒトのエネルギーの仕組みを簡単にお話しましたが、人間の生活も同様なのだと思います。

人間が生活(文明社会)を営んでいくには、様々な設備と環境が必要となります。現在のところ、電気、ガス、水道は必要不可欠となっています。電気というのは目に見えません。電気をみたことのある人はいますかそれは、おいといて

電気なくしては文明社会を築き、維持していくことはできません。その日本のエネルギー量の3分の1を担っているのが原子力発電です。

原子力発電に関しては、細かいことを過去のブログにて書きました。これは大きなリスクを伴う発電であるということを理解しなければいけません。原子力発電の原料はウランです。これも地下資源ですね。無尽蔵ではありません。これを濃縮して使用するわけですが、その濃縮過程で出た劣化ウランはミサイルの先端について武器となり、爆発と同時に酸化ウランという猛毒物質となり、人間を内部被爆させ、遺伝子異常を起こし、また、周囲の土地や水を汚染します。イラクやアフガンでは大量に劣化ウラン弾が使用されました。そのために、先天的奇形をもって生まれてくる子供たちがたくさんいるのです。

日本は今後さらに原子力発電所を増設し「原発推進」に向けて動き出そうとしています。これは鳩山総理がCOP15において、地球温暖化に関する温室効果ガスの25%削減を2020年までに行うことを表明したことにあるでしょう。しかし、この会議のデータはIPCCのものを基盤にしているのですが、この地球温暖化に関するデータが、温暖化事業を推進するのに都合よく改ざんされていることが発覚するという問題が出てきました(クライメイト・ゲート事件)が、日本ではほとんど報道されず、そして、いつの間にか話も消えてしまった感があります。

環境破壊は進んでいますが、地球温暖化は本当なのか?ということも、それぞれ一人一人が考えていかなければいけないと思いますね。地球温暖化=ビジネス=原子力発電、では何か嫌な感じが私はするのです。「本当に今後、原発が必要なのでしょうか」今あるものは仕方ないとして、脱原発に向かうべきだと思います。

先ほど話した劣化ウランはどう処理するのでしょうか?エネルギーを得た後には、今度、廃棄物が出るわけです。放射能汚染のレベル度合いで高レベルから低レベルまで。この処理を一手に青森県の六ヶ所村の処理施設で行おうとしているわけですが、将来の安全性、あるいは、事故が多発しておりまだ稼動段階ではありません。いわゆる保証のない実験を行おうとしていると言っても過言ではないと思うのです。

これら放射性廃棄物は、原発を行えば行うほど出てきます。そして、その管理は数百年単位のものです。「処理・管理のリスクは後の世代にお願いします」、というのが現段階での原発の現状でしょう。
さらに高エネルギー放射性廃棄物からプルトニウムを取り出し、それをウランと混合して、効率的に大きいエネルギーを得ようとプルサーマル計画なるものが開始されました。これも危険極まりないものです。この大きいエネルギー(莫大な熱量、放射線)に耐えうる原子炉を作って行うならまだしも、既存の原子炉を使い発電(実験)を行うわけです。確かに高速増殖炉「もんじゅ」での失敗により、多くの研究がなされてきたと思いますが、極めて危険であると思うのです。

また、日本の原子力発電所は、そろそろ老朽化による限界が来ています。現在は、まだ使えそうなので、10年ほど継続して使おうという話になってきています。これも極めて危険だと思います。事故も多発するでしょう。実は原子力発電所は建造するよりも解体するのに数倍の予算がかかるのです。エネルギーを得る効率も悪く、毒物も多く発生させる、本当に危険で無駄が多いものなのです。

評論家や専門家の中には、「自然エネルギーでは経済が持たない」「原発が必要だ」「自然エネルギーに替わりはできない」という人が多くみられます。そうでしょうか?国が現在推進しているエネルギー開発の70%弱は原子力発電のものです。これでは自然エネルギーも発展しないというものです。

確かに経済は大切です。が、地球あっての、人があっての経済です。経済ありきではありません。

長くなりましたので、②へ移動

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、正しい姿勢・美しい姿勢が大切なのか?

2010年03月11日 | 東洋医学研究所 コラム
東洋医学研究所のコラムが更新されました

『なぜ、正しい姿勢・美しい姿勢が大切なのか?』 

   東洋医学研究所グループ 二葉鍼灸療院 院長  田中良和


『なぜ、正しい姿勢・美しい姿勢が大切なのか?』 研究所コラムはこちらをクリック!

今月のコラム担当は、わたくしでございます。

「姿勢は大切ですよ」ということはよく聞く言葉ですが、では、どうして姿勢が大切かということを今回は考えてみました。いろいろな考え方があると思いますが、短いコラムの中に、ヒトの進化の過程や発生学的視点から、あるいは、地球に住んでいるからには必ず影響のある重力(引力)というものをベースにして姿勢をみていくことにしました。

姿勢と重力、姿勢と自律神経系、姿勢と免疫系、姿勢と内分泌系(ホルモン)、姿勢と内臓、姿勢と脳、そんなことを簡単に概要を述べさせて頂きました。

ヒトは何気なく直立して歩行しているようですが、一つの動作、一瞬の心の動きにも生理作用が身体内部をくまなく駆け巡ります。日常意識していなくても、カラダは環境に対応するため、一定の状態に保つため(生体恒常性維持機能)、まるで、忙しいレストランのように働き続けています。

その重要なカギを握るのが姿勢です。

私は男性ですから、男性側からすると、背筋がピットして姿勢が美しい女性に目がいってしまいます。逆にいくら美人でも猫背だったりすると「…」言葉を無くしてしまいます

姿勢が良ければ、体に不必要な力が入りません。力みがなく、無駄がない。自然体です。前回のコラムはそんなお話でした。力が入らなければ、スポーツだけでなく、日常生活においても、生活態度や物事の取り組み方が前向きで積極的になると思うのです。

仕事でも、恋愛でも、人付き合いでも、趣味でも、遊びでも、それに取り組む「姿勢」が大切になりますよね
これは心の姿勢ですが、心の姿勢も、カラダの姿勢と繋がっていると思いませんか

そんな「姿勢」というものを考えてみましたので、是非、コラムをご覧になってください よろしくお願いしま~す

二葉鍼灸療院 田中良和
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鍼灸師仲間 水野先生 ご栄転祝い!!

2010年03月10日 | 鍼灸
2月28日(日)は、本当に忙しい日でした。鍼灸マッサージ師会の諸々の行事が終了したのは午後4時過ぎでした。実はこの後に行われる行事こそ、いわゆる”今日の本番”なのでした~

学会活動や鍼灸マッサージ師会の行事などにも積極的に参加し、石川県の中枢を担っていたと言っても過言ではない、水野カイトウ先生が、石川県に来てから勤めていた(財)東洋医学臨床研究所から、鈴鹿医療科学大学 鍼灸学部へ中医学の教育者として、今年の4月からのご栄転が決まりました。


 熱い、熱い抱擁と…おぞましい、いやいや、美しい光景
 真ん中が水野先生。

水野先生は、先ほども触れましたが、非常に学問や地域貢献活動へ積極的に参加される先生でした。石川県としてはたいへん有望な人材が出ていくわけですが、教育者となり、高い志と強い信念を持った、鍼灸師を育て全国へ輩出できるわけですから、鍼灸界にとってはプラスであり、鈴鹿医療科学大学からは優秀な鍼灸師が卒業してくるでしょう。

うかうかしてられませんね。

東臨研に働いていた時から、この施設は、研究(学術)、教育、臨床(技術)の拠点になりうる環境を持っているのだから、それを実現したいという強い信念と目的意識や理想を持ってやっていました。話していると年下ながら圧倒されることもありましたね。

この先生のいいところは、誰とでもしっかり向き合って、自然体で付き合っていくことができるところです。それが大学の教授であろうが、先輩であろうが、同僚、後輩であろうが、他業種の人たちであろうがです。これは本当に見習うべきところなんですね(私はどちらかと言うと人見知りだから)。

それともう一つは臨床面。石川県に来て何年だったかな~10年はたってないと思いましたが、学術的には鍼灸若草塾の塾頭であり、金沢大学の客員教授である、多留先生に師事しておりました。しかし、臨床面では、いろんな先生の治療方法を貪欲に、積極的に学んでいました。「全てから学ぶ」、これは自分の基本があって初めてできることです。そんな完璧を目指して、あるゆるものから学ぶ姿勢、これも大いに学ぶ点でした。

彼は”声がでかい”声は元気を示すバロメーターですから、大きいということは良いことです…が、これは時と場合と場所にもよりますよ。時々「うるさいな~」と思ったこともありましたね。でも、授業には活かされることでしょう

水野先生の挨拶や話の中で、「石川県で臨床ができてよかった」「石川県で皆さんと出逢えてよかった」としきりに話していました。出逢いは人の人生を左右するし、出逢いが人生と言っても過言ではありませんよね

この石川で得た財産を鍼灸師の卵さんたちに教育していって欲しいと思います。業界活動も積極的に行い、学術活動も積極的に行い、臨床も貪欲に学んだ(遊びも少々)大学や専門学校の教育者というのは、そうはいないと思います。鈴鹿医療科学大学の生徒諸君は、いろんな面で知識を持つ水野先生から多くを吸収して欲しいな~と思いますね。


 前座は青年部の先生方で”池田町バルバール”にて、まず一杯
 水野先生 写ってません ゴメンね、ゴメンね~



 本番は全員で”ビストロ 紙屋市べゑ”にて乾杯 


水野先生ご栄転祝いは、前座は若い先生方で、そして、本番は水野先生と懇意にしている、以前、金沢大学医学部 救急部に所属されていた尾山先生も合流し、お偉方の先輩も合流、20数名ほどで開催されたのでした

いい会でした

水野先生の活躍を期待すると同時に、私もさらに磨きをかけなければと思った次第でございま~す 

二葉鍼灸療院 田中良和
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