お久しぶりのブログ更新です。
パソコンがスタートアップできなくなり ・・・ 修理 ・・・ さまざまな設定や必要なものをパソコンに入れ、いやはや大変でした。パソコンがないと仕事がはかどらない半面、違うことに意識が集中でき、何やら少し静寂を感じることができました。良い方向に考えるようにしまっす
といってもほぼ自分の責任でもありますし、確認やバックアップなど自分が怠っていた部分が浮き彫りになり、災害ではありませんが、何か起きた場合の日ごろからの準備の大切さも思い知らされた点では、有難い出来事だったのかもしれません。
あらっ、本題に移ります
筋痙攣(けいれん)の はり治療~メカニズムと対応~
筋痙攣・・・苦い思い出です。
第100回全国高校野球選手権記念大会では石川県代表の星稜高校野球部のトレーナーとして8日間選手に帯同しました。その愛媛県代表の済美高校との2回戦・・・詳細はまた別ブログで書きたいと思いますが、試合中に筋痙攣者を3名も出してしまいました。
本当に記憶に残る思い出であり、反省点がいっぱいな活動となりました。
高校野球は猛暑である今夏、筋痙攣が注目されましたが頻度は少ない症状です。マラソンなど大量の汗をかき運動強度の強い競技に関して筋痙攣は多く報告されています。
また一般の方でも、高齢者や妊婦さんなどにも下肢の筋痙攣はよくみられる症状です。
筋痙攣とは・・・ 突然起きて短時間持続する、疼痛を伴う筋または筋群の不随意収縮のこと。 筋痙攣は健常者(通常は中年または高齢者)でよくみられ、ときに安静時にも起こるが、特に運動中もしくは運動後または夜間(睡眠中も含む)に発生する( 睡眠時随伴症 : 睡眠関連下肢こむら返り)。
原 因・・・脱水、電解質異常、神経疾患、代謝性疾患など
ここで筋肉の収縮(ちぢむ)と弛緩(ゆるむ)について簡単にみていきます。
①脳から運動しなさいというシグナルが筋肉に発せられます。
※細胞内に多いカリウムと細胞外に多いナトリウムが細胞膜を境に出たり入ったりすることで生まれる電位差によって神経が働きます(体の中の電気の流れは、カリウムとナトリウム〈電解質〉と水分のバランスで成り立ってます)。
②神経の末端から筋膜に電気信号が伝わります。
③その信号は小さな管を通り筋肉の深くまで伝わっていきます。
④その刺激により筋小胞体に蓄えられているカルシウムイオンが放出されます。
⑤カルシウムイオンの濃度が上昇すると、AТPが分解されエネルギーが放出されます。
⑥そのエネルギーを使って二種類ある筋繊維が滑ることで筋肉が収縮されます。
⑦筋収縮を起こしたカルシウムイオンが筋小胞体に戻ることにより筋肉が弛緩します。
※神経細胞から筋膜へ刺激を伝える調節、筋弛緩の際、筋小胞体へカルシウムイオンを戻す時、また筋肉が収縮する時などに、その濃度を調節の機能を持っているのがマグネシウムイオンです。
ちょっと難しくなりましたが、筋肉が正常に収縮し弛緩するためには、簡単に書きましたがこのようなシステムが必要となります。
上記の筋肉の収縮・弛緩のシステムを踏まえながら、では筋痙攣はどのような場合に起こるのか考えてみましょう。
神経のシグナルがスムーズに伝わらないのは、ナトリウム・カリウムと水分の量や働きのアンバランスで起こるということ。
筋肉の収縮と弛緩がうまくいかなくなる時は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンの量や働きのアンバランスで起こるということ。
ナトリウムイオンが細胞外へ戻る時、カルシウムが筋小胞体に戻るときにポンプ作用のためエネルギーが必要。これが不足(糖質やAТP)すると収縮・弛緩がうまくいかなくなること。
スポーツドリンクなど水分摂取や栄養摂取がうまくいかない場合は上記、電解質や栄養素が不足するため痙攣が起きる地盤をつくること。
運動不足等で筋繊維自体が少ない、しぼんでしまった場合、疲労しやすくなっていること(=筋肉にエネルギーを溜めておけない)。
多量の汗をかいたときなど細胞内外の水分調整がうまくいかなくなくなり、皮膚からの熱の放散機能が低下すること。
細胞の中にあるエネルギーをつくるミトコンドリアの機能が低下したり、筋肉の中に貯めておく糖質の量が少ない場合はエネルギーが枯渇しやすいこと。
下肢など末梢での血液循環が悪く、運動・睡眠など身体状況において必要な血液が不足している場合も筋痙攣を起こす地盤をつくること。
筋痙攣は一つだけの原因というよりも、これらのさまざまな状況が重なり発症するのであろうと考えます。
では、筋痙攣を起こさないためには、どうしたらよいのでしょうか
タンパク質、脂質、糖質、そしてビタミン・ミネラル等、バランスの良い食生活を心がけましょう
状況に応じた適度な水分摂取を心がけましょう
適度な運動を心がけ筋肉量を維持しましょう
歩く、体操、ストレッチなど何でもよろしいですので体を動かしましょう
汗を多くかいた時は水分とともに塩分(ナトリウム)やカリウムなど電解質を含む飲料を飲みましょう
長く座る、長くたつなど長時間の同じ姿勢でいることは体の負担になりますのでできるだけ避けましょう
緊張する場所や状況では交感神経が活発になり、さらに筋肉が過緊張しやすくなりますので、ゆっくり深呼吸しましょう
睡眠不足、働きすぎなど疲労を残さないように質の良い休息を心がけましょう
体に痛みや違和感などがある場合は早めに対処しておきましょう
どうでしょうか。筋痙攣を起こさないようにというよりも、これらを心がけていれば体自体が元気に健康になっていくのではないでしょうか
筋痙攣になってしまった場合や、長期間続く場合は、比較的効果が早いものに漢方薬である「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」があります。
実は、はり治療でも即効性があり、持続性があります。スポーツ選手の場合は漢方薬だけでも十分な場合も多いですが、高齢者や妊婦さんになるとそれだけでは効果が出ないことや、やはり薬はできるだけ使いたくないという方も多いのことがあります。
そんな時に副作用なくご利用いただけるのが はり治療 です。
はり治療はスポーツ選手の筋痙攣にも効果がありますが、前記のような高齢者や妊婦さんにも効果があるのです。
その症例は、当院のHPで書かせていただきますので、ぜひご覧ください
『筋痙攣の はり治療~症例 編~』 クリック
最後までお読みいただき、ありがとうございます
追伸;まったく関係ありませんが、思わず吹き出してしまった画像を掲載
二葉鍼灸療院 田中良和