二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

プロ野球選手の折鍼事故からリスクマネジメントを考える

2022年05月21日 | 鍼灸

 少しずつ梅雨の前線が北上してきております

 皆様、体調はいかがでしょうか。

 

 さて、3月に九州でプロ野球選手(投手)が鍼治療の施術途中で鍼が折れるという問題が起こりました。その報道をうけて、地元、鍼灸マッサージ師会から中央団体へ対応が依頼。業界団体が集まり対応が協議され、共同声明という形で発出されました。

 

【折鍼に対する注意喚起と予防策に関する共同声明ープロ野球選手の折鍼事故を契機にー】

 

 私の記憶しているところでは、このような事故はこれまで聞いたことがなかったです。人の振り見て我が振り直せ、ではありませんが、このような事故は100%起きない保証はないので、今回のことをきっかけとして、自分の臨床においても注意を払わないといけないなと再認識させていただきました。

 

 鍼が折れると言いますが、日本で鍼を製造するメーカーの製品は、その使い方さえ間違わなければ、鍼が折れることはまず確率が0に近いと言えます。近いですから100%ではありません。

 相当、乱暴に使用したり、基本、ディスポーザブルの鍼を使用しているところがほとんだと思いますが、1本の鍼を使い回ししたりしなければ、まず問題ありません。

 今回は、筋肉が発達した運動選手であったことや、運動鍼と言って鍼を刺したまま関節運動をさせると言った手技を行ったため、事故が発生したのかなと予測します(方法にもよりますが)。
 どんな鍼を使っていたかは分かりませんけど・・・

 

 当院でも、運動選手、特に痛みの鍼治療を行うため、鍼を刺して置いておく方法、あるいは、そこにパルス通電を行う方法を多用します。

 患者さんから見える見えないは別にして、治療で鍼を置いてある場合は、患者さん本人が見て確認してる場合を除いては、「今、腰に鍼が○本刺さってますから、大きな動きはしないようにね」とお伝えしています。

 私が、リスクマネジメントとして気をつけておかないといけないなと感じるには「スマホなど携帯電話」です。これは学生や一般の皆様すべてに共通することですが、鍼を置いてパルス通電する場合、10分や15分などの時間を要するわけです。その場合は、携帯電話を出している皆様や脱衣かごに入れている場合は、できるだけ枕元においてもらうようにしています。

 これが、側に置いていないと、鍼を刺した後、通電が始まった後でも、携帯電話が鳴ったりすると、グッと動かれる方が多いのです。治療が終わり、その鍼を抜いてみるとかなり曲がっていたり、抜けづらくなっていたりするわけです。

 まさしく「ヒヤリ・ハットの事例」ですね。

 そんなことを少し考えながら共同声明に目を通していました。

 5月24日(火)には、日本鍼灸師会で、このことを契機としてリスクマネジメント研修会が開催されますので参加予定にしています。

 

 臨床をしていると、今回ような事故や失態が起こらないという保証はありません。細心の注意を払っていても起こることはあります。

 ですから、このような事例があった場合や、また業界団体の研修会を受けて心新たに意識を引きしめ、患者さんに不利益が生じないようにします。

 そして、業界団体に所属する大きなメリットは、賠償保険制度に加入できることです。一般より少しお安く。業界団体で加入の場合は直接保険会社ではなく、中央団体に担当者がおり、そこで様々な対応を講じていただけます。
 これだけでも業界団体に入会しているメリットがあるのだと感じます。

 もちろん私も賠償保険をかけ、毎年更新しています。

 

 また、今回の事故は、鍼灸師全体が把握するべき問題です。発出された共同声明は、単なる報告ではなく、業界団体・学会・学校団体が「鍼灸医療安全性連絡協議会」という場で協議し、経緯報告とともに、予防方法や発生した時の対応、リスクマネジメントまで大切なことを述べています。

 業界団体に所属していない鍼灸師の皆様にも、是非、読んでいただき認識しておいていただきたいなと思います。

 

 初めて今回の報道を見たときは、何を~~~~と思いましたが、事故にあったプロ野球選手もその治療院とは固い信頼関係があったようですし、その後の対応が懇切丁寧だったことで特に大きな問題になることもなく事態は収まりました。

 そして、私たちは同業者として大きな学びを得る機会も得ました。

 禍転じて福となったな~という出来事でした。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

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鍼灸師 田中良和 ~新たなる旅立ち~ 師匠ってなんだ?!を辿る物語 ☆第5話 師匠の師匠☆

2022年05月18日 | 鍼灸

 立夏も過ぎて、盛夏の前哨戦のような日差しの日も多くなってきました

 皆様、気温差で体調が思わしくないなどはありませんか
 睡眠時間など、少し気にして、早寝早起きを心がけると一日のスタートがスッキリしますぞ~

 

 さて、第五話は、私の鍼灸の師匠、黒野保三先生の、さらに師匠についてのお話です。

 鍼灸師の師匠の師匠って、そりゃ~鍼灸師でしょ?と思いますが、これが違うのです。

 

 黒野先生は名古屋の盲学校出身です。生まれながらにして片目に障がい があり、義眼でした。

 視覚障がい はありますが、ゴルフもされ、それもレッスンプロをつけ、さらに暇があればゴルフの練習をされる徹底さです。囲碁もアマチュアの5段、それをやりながら鍼灸治療室も、そして、名古屋市立大学の研究員として鍼灸の研究もやっておられた、スーパーマンみたい先生でした。

 黒野先生は、盲学校を卒業される時に、鍼灸とあん摩マッサージ指圧の免許を取得されました。

 その後は、相撲取りのような大きな身体をされたイナモト先生という方に、あん摩を教えていただいたそうです。

 鍼灸は、全国に教えを受けに、ありとあらゆる治療方法を求めて有名な鍼灸師のもとへ勉強に行かれたそうです。様々な病院でマッサージをされたり手術の手伝いをされたりしながら、鍼灸について考えを深めていかれることになります。
 先生の若い頃は見ていないので分かりませんが、私が弟子に入ってからでも、とことんやり抜き、考えを深め、さらに実践する実行力、一つの道を追い求めるエネルギーたるや凄まじい勢いがありました。

 社会や経済、世の中の流れも表から裏まで、真実をみつめられていましたので鍼灸界の現代医療への貢献という危機には、いち早く気づかれ、このままではアカン!と、周りを巻き込み積極邸に行動に出られたのだと思います。
 鍼灸学会等の話は、2話にまたがるくらい深いものになりますので、後日、気合いを入れて書きます。

 

鍼灸(医学)の師匠 高木 健太郎 先生

 黒野先生はご縁があり、高木 健太郎 先生の鞄持ちされ医学について、そして、鍼灸医学がどう進んでいくことが国民のためになるのか、という大きな方向性について影響と言いますか、教えをいただくことになります。

 高木先生は、名古屋大学名誉教授、名古屋市立大学名誉教授を歴任された先生です。証明には至りませんでしたが「圧反側発汗」など皮膚反応の研究をされ、鍼刺激にもご興味があり理解がありました。

 黒野先生の鍼灸医学への心(人生も)を一言で表わすと「真実の探求」です。

 高木先生から、なぜ鍼は効果があるのだ との一連の話、その経緯の中で、この摩訶不思議な鍼治療の効果を、基礎医学的に、実証医学的に証明していかなくてはいけないという熱い志を強いものにされたと、これは私が黒野先生からお聞きした覚えがあります。

 黒野先生の弟子の皆様も次々と、名古屋市立大学や名古屋大学の研究員となられ、鍼刺激等に関わる基礎研究をされることになります。そのあたりの業績は東洋医学研究所®のHPをみていただくと詳しいです。

 また、高木先生は、黒野先生が中心事物の一人となって、これからの鍼灸医学、鍼灸医療発展のために進めていた(社)全日本鍼灸学会設立(現、(公社)全日本鍼灸学会)に向けて尽力いただくことになります。
 高木先生は、学会設立に携わられた晩年は参議院議員という立場でもありました。黒野先生が選挙戦に尽力されたことは言うまでもありません。
 そして、高木先生は、(社)全日本鍼灸学会の初代会長に就任されます。

 参議院議員在職中に病に倒れられ、お亡くなりになりますが、その後も黒野先生は高木先生の奥様やご家族の皆様とは、最後までお声がけや鍼治療で恩をお返しになるということを、自然に当たり前のように実践されていました。

 物事を徹底して、情熱を傾けて、鍼灸医学の可能性を探究する姿勢、そのような精神や志、魂が高木先生を巻き込み、無から有を生じさせる実践力に繋げたのだと感じます。高木先生との出逢いがきっかけとなり、鍼研究に関しては、名古屋大学や名古屋市立大学の名だたる医師・研究者の皆様と共同で行われました。
 そう言えば、愛知県がんセンター総長の先生とも親交があったことを覚えています。すべて黒野先生が高木先生との繋がりや絆を生涯大切に扱ったからだと私は思っています。

    

心の師匠 佐治 眞光 先生 

 黒野先生も、「も」というのは失礼な言葉かもしれませんが、若い頃から、自分の人生はこれで良いのか、このような方向や道を進んでいって良いものなのか悩まれ、山にこもったこともあるそうです。いくら考えても分からず釈然としない気持ちで戻ってきた時の話です。

 どのようなご縁かは、ちょっと覚えていないのですが、その悩みを相談しに行かれたのが、愛知県一宮市にある曹洞宗 全久寺の住職、佐治 眞光 先生でした。

 先生は住職に自分が抱えている釈然としない気持ちをお話したところ、「そんなことは私には分からない、あなたに分からないものが、私に分かるはずがない」と言われたそうです。

 先生も血気盛んな若い時代のことでしたので、「なんだ、このクソ坊主」と怒りの気持ちで帰ってきたそうです。

 少し時間が経過して、振り返られた時に、「佐治先生の言葉は正しかった」と真理のようなものを悟られたそうです。

 以後、佐治先生と黒野先生は、佐治先生がお亡くなりになるまで事あるごとにお寺と東洋医学研究所を行き来されるようになります。佐治先生も囲碁をやられていたこともありましたけど。二葉清友会の研修の中でも、仏教のお話や心のお話の講義をいだける時間がありました。

 黒野先生のすごい所は、お世話になった方々には、ここまでされるんだというほど気をつかわれ、最後まで、またご家族に至るまで気をまわされるということ。それを当たり前にこなしてしまう所は、私の心の中に強く残っています(2回同じことを言ってます 笑)。

 佐治先生とは何度かお話したことはありますが、優しく静かにお話されますが、短い言葉の中に、グサッと心を見抜かれる言葉を発せられるところは印象に残っています。

 

処世術の師匠  角田 鋭彦さん

 角田さんは、(株)丸榮(栄にあったデパートなどを運営)の初代専務です。

 私はどのような経緯で、どのような教えを受けたかは定かではありませんが、合併して丸榮ができたのが1943年(昭和18年)ですから、戦前から戦後にかけて動乱期、日本の経済成長期で活躍された方ですからスゴイ方の教えを受けたのだと思います。

 この方に、処世術の教えを受けたということが、東洋医学研究所の教育システムや経営システム、また、現在はなくなりましたが、名古屋の経済界の出資を受けて運営されていた東洋医学研究財団設立なども、もしかしたら影響があったのかもしれません(私見です)。

 私は、経営者にあるまじき数学嫌い人間でありまして、黒野先生の運転手をしている時に、時々、経営や計算の質問をされるわけですが、これがなかなか上手く答えられなかった思い出が多々・・・あります💦😆 
 このようなことも、何か意図があって質問されていることでした。先生の先見の目や思考は、やはりこの数学的、金銭的観念の基礎がきっちりあるからなのだと感じました。

 この点は、修業時代、あまり学ばなかったな~と後悔しております。反省しております。

 上の写真は研究所の3階に飾ってある写真です。

 黒野先生がお世話になった3名の師匠です。

 先生は、お世話になったご恩は終生忘れることなく、最後まで尽くされるところは、自分の人生においても見習うべき部分です。

 

 今の鍼灸マッサージ界では師弟関係ということは、なかなか築けない環境かもしれません。
 師匠の一挙手一投足に集中し、一言の重みを熟慮し、師匠が何を求めているかを感じながら行動する。そんな中で、鍼灸治療や臨床に大事な人間関係、鍼灸医学の真実を探求するために必要な人間性や心の在り方を実践で学ぶこと、それが師弟関係かなと私は思っています。

 「師匠」の捉え方は人それぞれでいいと思いますが、師匠から学ぶ技術とは、そこに流れる思想や心、信念や情熱、様々なものが一つになっての技術なのだと理解しています。だから患者さんに役立つ治療技術になるのだと感じるわけです。

 感性が研ぎ澄まされていた師匠であっても、3名の師匠をはじめ多くの人に学びを受ける柔軟な姿勢、そして、鍼灸医学・医療の真実を探求するのだという理念と、それを突き動かす信念や情熱、忍耐、誠意、本当に多くのことを学ばせていただいたと感謝しかありません。

 

 あとは自分の学んだことを、どう伝えていけるかですね。

 大きな宿題を黒野先生からいただいております。

 

 いつも長くなりますが、最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

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金沢市鍼灸マッサージ師会 令和4年度研修会・定期総会が開催

2022年05月13日 | 鍼灸

 皆さま、梅雨に向かって進んでいるこの頃ですが、皆さま体調はいかがでしょうか

 先日、金沢市鍼灸マッサージ師会の令和4年度研修会と定期総会が開催されました。

 会場:金沢歌劇座 2階 大集会室(第1区画)  

 時間:10時~12時

 

金沢市福祉はり・きゅう・マッサージ施術費助成制度・研修会

 金沢市では、70歳以上の高齢者の皆さまに対しまして、年度18枚の施術費助成を行う制度があります。

 この券を施術の際、出していただきますと1200円で施術ができます。

    金沢市ホームページの説明

 市役所ならびに保健所等の各出先機関で、この助成券を発行していただくことができます。

 施術する側の立場として、毎年度初めに担当であります金沢市健康政策課より担当者をお招きして研修を行っていただき、適正な運用を心がけています。

 金沢市に登録してあります施術所のみ使用できます。その名簿も助成券発行時にいただくことができます。

 どうぞご参考にしていただき、この制度を多くの高齢者の皆さまがご利用され、健康で幸せになっていただければと思います


金沢市健康政策課 尾西係長

令和4年度 定期総会

 ここ2年ほどは、コロちゃんの影響で、事業がほとんど中止となりました。総会も書面決議となったケースもありました。

 やはり皆さまの元気な顔を見ながら開催することは、短時間のコミュニケーションであっても会員と会員を繋げる大切な場であると感じています。

 各議案ともに承認され、会長として4年目を迎える私としては、いつも総会が終わると区切りとしてホッとします。

 

 開会の冒頭に顧問議員のお二人よりご挨拶をいただきました

 いつもお世話になり、ありがとうございます


下沢佳充 石川県議会議員


下沢広伸 金沢市議会議員

 

 金沢市鍼灸マッサージ師会は来年が111周年になります。

 現在、どこの鍼灸マッサージ師会や鍼灸師会でも組織率が低下しています。

 金沢市鍼灸マッサージ師会では、上記の施術費助成制度もあるため会員数の増減は少ないですが、会員の高齢化があるのは確かです。

 昨年度は、廃業や死亡退会ふくめ、減少の傾向が少しずつ出てきています。

 

 ベテランだけど入会しない、新しく学校を卒業された鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師が入会しない理由は多くあると思います。

 業界団体を知らないこともありますし、メリットを感じないこともあると思います。

 全国や県の業界団体、上に行けば行くほどそうですが、厚生労働省や各省庁、県や関連団体との交渉や懇談は業界団体を通して行われます。

 鍼灸やあん摩マッサージ指圧師がおかれている現状を少しでも改善していくことを業界団体が担っているわけです。

 各個人のメリットの捉え方の問題でもありますが、私たちの社会的立場や存在意義を組織の力で支えています。

 

 これは個人が技術や知識を磨き、資質向上していくということとは別問題です。

 

 そんな組織にも、コロちゃん達のお陰で、変わらざる得ない状況になっているのも事実です。

 現状維持は衰退ですから、今後、より一層の鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師の存在価値や社会的立場の明確化などを打ち出していかなければならないとも感じます。

 そのために業界団体は、行政や政治との結びつきを密にして活動しております。

 素晴らしい医療や福祉の一つである鍼灸マッサージを広め、市民や県民の皆さまに幸せになっていただく力を秘めている施術を、より理解を深めていただくために努力をすることも業界団体には求められていると思って活動しています。

 

 金沢市鍼灸マッサージ師会では、2年間ほとんど事業が中止状態でしたので、まずは3年後を目指しても学術研修会や経営セミナーを行政との関係づくりをしながら令和4年度は実施していきます。会員の皆さまが、より充実した臨床や経営ができれば、施術者も患者さん(利用者)も、地域社会も幸せになるという仕組みです。

 ウエルビーイングな社会実現のために鍼灸マッサージ施術・医療を社会に活かし貢献していきたいと考えています。


監査報告を行う中田監事


 閉会の挨拶 宮川副会長

平元理事、橋本総務部長、安井財務部長、お疲れ様です

 令和4年度もスタートしました。

 行動しなければ何も始まりません。

 直感型の私ですから、役員の皆さまたいへんかと思いますが、よろしくお願いしま~す

 

 最後までお読みいただきまして、ありがとうございます

 

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心がこもった患者さん紹介状

2022年05月02日 | 鍼灸

 5月が始まりました

 依然、一日の気温差が激しい日々が続いております。基本的なことですが、食事、睡眠、適度な運動、そして身体を冷やさないように心がけてください。

 最近、お風邪をひかれている、あるいは呼吸器症状が出ている方が多くあります。
 コロナじゃないのかと不安になってしまいますよね。

 だから養生で風邪にかからない身体作りを心がけましょう

 

 さて、本日のお題は患者さんの紹介状についてです。

 令和4年3月、当院のご近所で鍼灸院を開いている尊敬する先輩が閉院されることになりました。

 患者さんも多く施術されており、大ベテランの大御所先生が閉院ということでビックリしました。

 

 仕事や人生に対する様々な考え方があると思いますので、まだ仕事をやりきり、元気なうちに仕事をリタイヤする考え方もあるなと勉強になりました。

 その際、患者さんを見捨てるわけにはいきませんので、先生は、鍼灸を継続したい患者さんに対し、ご近所でオススメの鍼灸院を紹介することになります。

 当院も、ご紹介いただきました。

 

 先生が書かれた、紹介状は、単なる、患者さんの現在の状況や経過を知らせる情報提供書ではなく、先生の鍼灸治療に対する方法や考えを細かく記載いただきました。それだけも患者さんや後輩への愛を感じ、勉強になりました。

 見習い、伝えていきたい点、その一でした。

 

 もう一点、ご紹介いただいた患者さん皆さんから同じ話を聞きました。

 「治療方法や診立ては違うけど、まず先生(私)を信頼して鍼灸を継続することが大事だよ」

 「これからずっと鍼灸施術してもらうつもりで通院するといいよ」

 という言葉を閉院間際の施術の時や紹介状を渡す時に、先生から患者さんへ何度も話があったということでした。

 患者さんのこと、紹介する鍼灸院の施術者のこと、鍼灸という施術の特性、そして後輩のこと、単なる紹介状ではなく、幾重にも気づかい、心づかいがなされ、先生の心のこもった紹介状をいただきました。

 見習い、伝えていきたい点、その二でした。

 

 お陰様で、皆さん、現在のところ定期的に施術計画に沿って来院いただいております。

 

 おそらく先輩は、このようなことを自然に実践されているのだと思います。

 いつものことのように自然に、普通にやってのけるところが本物なのだと感じます。

 精神の練度が違うといいますか・・・

 このように先輩からいただいた心を、患者さんを通して鍼灸で改善することで恩返ししたいと思います。

 また後輩達へも実践の中で伝えていきたいです。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

二葉鍼灸療院(金沢)

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