二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

令和5年5月 二葉鍼灸療院(金沢) 施術スケジュールを更新してます! (チラッと生命の神秘)

2023年05月13日 | 鍼灸

 5月も、もう中盤となりますが、当院の5月施術スケジュールをHPで更新しています

 ご覧いただき、来院計画を立てていただければ有難く思います。

二葉鍼灸療院(金沢)

 

 5月は一日の寒暖の差が激しくなっております。

 身体や心の調整が難しくなっているのではないかと思います。

 何か心身の不安ごとや気になる症状がございましたら、些細なことでもかまいませんのでご連絡いただければ嬉しく思います。

 

 さて、5月5日(こどもの日)に能登半島沖を震源とする最大震度6強の地震がありました。

 金沢も震度4とかなり揺れましたが、石川県全域にわたって大きな被害がなく少し安堵しております。

 被災した皆さまには一日も早く通常生活に戻っていただければと願っております。

 

胎児の世界

 さて、当院では妊娠しやすい身体づくりの一環で鍼灸治療を提供させていただいております。

 妊娠後も必要であれば、出産までのケアとして鍼灸治療を実施します。

 さて、その中で妊娠初期を中心に「つわり」という症状もご相談を受けることが多くなります。

 赤ちゃんは、男女が愛し合い、卵子と精子が卵管膨大部で出逢い、子宮の中で育まれ10月10日の成長の末、この世に生まれてきます。

 胎児は、この受精から出産までの間に生命の進化過程を経験すると言われています。

 

 1億2千年の進化を数日で

 解剖学者の三木成夫先生は、胎児の形態を解剖学的に調べ観察、研究しています。

 その中で、「胎児は、受胎の日から指折り数えて30日を過ぎてわずか1週間で、あの1億年を費やした脊椎動物の上陸史を夢のごとく再現する」と書籍に書かれています。

 受胎から32日(胎齢5週・妊娠7週)の胎児の形態はエラを持つ魚類の姿が、35日の形態は手にほんのわずかなくびれができカエルのような両生類の姿が、36日には心臓に隔壁ができていわゆる肺呼吸の形態ができます。いわゆる海から陸への上陸劇です。この時期は爬虫類のような姿を見せています。

 つわり症状は、妊娠5・6週で始まり、10~12週でピークを迎えることが多いとされています。

 三木先生は、この胎児が成長の中で体験する海から陸への上陸劇も含めた生命1億2千万年の変化が、この「つわり」症状に関係があるかもしれないとロマン的に話されています。

 38日では、5本指の痕跡が現れはじめ、狛犬のような鼻面で、哺乳類の面影を呈しているということです。

 そんな成長がお母さんのお腹の中で繰り広げられているのです。

 

 胎児の身体の変化

 生命の上陸劇を胎児が体験するという観点から生理学的な変化を見ていきます。

 胎児は、胎児ー胎盤循環の中で胎盤を通じてお母さんの身体と繋がっています。

 胎児や母胎の身体はそれぞれ影響しあっています・・・当たり前と言えば当たり前ですが。

 

 肺の血管は胎齢10週(妊娠12週)くらいから発生し始め、胎児の呼吸様運動は早ければ妊娠10週(胎齢8週)より見られます。

 

 胎盤からは多くのホルモンが分泌されますが、胎児からもホルモンが分泌されます。

 妊娠の調整作用があるエストロゲンは、コレステロールを原料として胎児副腎でDHEA-Sが産生され、一部は胎盤に行くが、多くは胎児肝臓で16-α-OH-DHEA-Sに変換。これが胎盤に行き、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)に変換され母体循環に流入するのが妊娠期です。

 

 下垂体前葉ホルモンは胎齢12週(妊娠14週)までにすべて分泌されます。

 下垂体後葉ホルモンのオキシトシン、バゾプレッシンは妊娠12週~18週(胎齢10週~16週)の間に確認されます。

 甲状腺ホルモンは妊娠12~14週(胎齢10週~12週)の間に合成を始めます。

 

 腎機能として、尿産生と糸球体濾過機能は妊娠9~10週(胎齢7週~8週)、尿細管機能は妊娠9~12週、ネフロンループ機能は妊娠14週で始まります。

 胎児尿は、妊娠18週以降の羊水の主成分となります。

 

胎児の解剖学的、生理学的な事実が物語るもの

 つわり症状の発現やピークを迎える、妊娠5週~12週周辺では、解剖的(形態)では生物進化の、特に上陸劇を含めた1億2千万年の変化を約1週間で経験します。

 生理学的には肺の発達、腎機能の発達、各種ホルモンの分泌などが盛んに行われるようになり、こちらも劇的に変化すると言っても過言ではないのかなと思います。

 本当に人体って摩訶不思議で神秘的です。

 

 このような事実も踏まえながら、鍼灸臨床を行う際は、東洋医学的観点からも考察や思考を加えながら治療していけば、より効果的に妊婦さんの体や心の症状が軽減される方法がみつかるのかもしれません。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます

 

健康・養生・幸せブログ

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note 田中良和

石川県鍼灸マッサージ師会

東洋医学研究所

コメント
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