二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

小林生観さん 講演会に行く ③

2009年04月30日 | その他の活動
②からの続きです。

生まれる前の記憶をもつ子どもの話もありました。これは飯田史彦先生や池川 明先生の著書を読んだりしていましたので「ここでも話題に出てくるのか」と感じました。

生観さんも、その子供たちの数十人に話を聞いたところ、どうも子どもたちは親を(特に母親を)励ましに生まれてくるようだということに気づいたというお話がありました。「親は子どもを教育しなくてもいいのです。子どもたちは親を励ましにきているのですから、一緒に成長すればいいのです」「親は子どもを抱きしめ、愛情を注ぐ、これが本来の親子の姿なのです」「母親が喜びに溢れ、楽しくしていれば、子どもも幸せであり、自然と教育されていくのです」深い言葉です。大人になればなるほど常に謙虚さを忘れてはいけないということですよね。

創造主はまず女性を創ったが、女性は賢く、広く安心の目で物事をみつめ、愛が溢れ、完全な魂であり、完成度が高くなり世の中が安定してしまいました。これでは、魂の成長が促されなくなってしまいます。そこで創造主は対極の存在である男性を創りました。男性は賢いの対極ですから「バカ」ですね。そして、危険をかえりみることなく行動する(であるから冒険や発見があるわけですが)不完全な魂の存在を創り、世の中の中和、中庸を保ったというお話もありました。

だから賢い女性は、男性の行動や思考を理解できず、その逆である、バカである男性も、女性の行動や思考を理解するだけの賢さがありません。女性と男性は違う生き物であるという認識があれば、旦那さんが何をしようが、奥さんがどんな言葉を発しようが腹も立たないというものであるということも言われていました。勉強になりますな~

○カール・ブッセ:「幸せというのはすぐそばにある」、と言っています。

○メーテルリンク:幸せの青い鳥の中で、こちらも「幸せはすぐ近くにある」と言っています。

○良寛:「災難と思わなければ、災難ではなくなる」と言っています。

○一休禅師:弟子の一人が、極楽浄土は夕日が水平線に沈む時、黄金色に美しく輝く場所、西方にあるのですかと尋ねたが、禅師は「違う」と言われた。もう一人は、では、朝日が昇るとき金色に輝く東方に極楽浄土があるのかと尋ねたが、禅師は「違う」と答えた。また一人は、お釈迦様は常に北枕で寝ておられ、亡くなる時も北枕であったので、北に極楽浄土はあるのかと問うたが「違う」と言われた。
禅師は、「極楽浄土は南にある」と言われました。そう、極楽浄土は南(皆身)にあるということです。幸せは自分の中にあると言われています。

○お釈迦様:般若心経の中に「照見五蘊皆空」というくだりがあります。五蘊というのは、≪色・受・想・行・識≫であり、肉体や精神を含む、宇宙を構成する要素であり、すべてを構成する要素は実態をもたないものであると説かれています。「幸せも、不幸も、自分が”思う”ことであり、世の中のすべては自分が決めることである」と2500年以上前から言われ、今も語り継がれています。

○小林生観:40代まで生観さんの考え方=「不幸や、悲劇は存在しない」 40代から現在までの考え方=「幸せや、幸福も存在しない」と分かった。


幸せの宇宙構造とは
     =そう思う「心」がそこにあるだけ


これが、答えであると講演の最後を締めくくって終了しました。

すべての出来事は、幸せ、感謝を感じ、自分が成長するためにあるのでしょう。また、すべてに出来事に意味を見出し、その学びを自分の成長に繋げていくことが「幸せ」なのかもしれません。

さて、いい話を聴いたら、日常生活に、人生に実践していかないとね

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小林生観さん 講演会に行く ②

2009年04月30日 | その他の活動
年300回を超える講演回数をこなす生観さんが、冒頭で話された言葉が、
「私は好きで講演会をやっているんじゃないんですよ~」
でした。ただ人から頼まれた頼み事をひきうけて死んでいく、そんなスタンスで人生を歩んでおられるようです。

その話と前後して、「好きか、嫌いかではなく、ただ淡々と生きている」と話されていましたが、この辺りは、私は達観していないので理解できないことですが、要は、自分のペースで、自分の使命を、自分なりに全力を尽くすことが大切なのだと思いました。人と比べる必要はなく、競争することや、優劣をつけることが人生の真理ではないということと理解しました。

様々な例をあげながら、「教育というのは、称賛し、救済することであって、教えるということではありません」「すべての人に対し、同じ対応をとることが信頼につながります」「お金が欲しい!結婚したい!と自我を欲すれば欲するほど遠ざかるようです」

現代社会は競争することが求められる社会です。教育、経済、政治、すべての事柄において競うことが当たり前のように言われていますが、人と比べず、競わず、協力して行うことにより、自分が必要である存在だという自覚が生まれ、生きがいができ、興味が湧き、そこに他者のため、世の中のため、それがひいては自分の成長のためなのだという思考に変化していくのではないかと思います。

世の中の常識や社会通念は、宇宙の法則からすると非常識なのかもしれませんね。

「知的障害のある人たちに共通することがあります。それはガンで死ぬ人がいないということです。
「逆に、20代~50代で若くしてガンで亡くなる人たちに共通することは、人より優れている人であり、出世頭なんです」

そんな話もされていました。ガンに関しては、私もちょっと勉強していますので、この話題を書くと長~~~~~~い文章になってしまいますから書きませんが、これは何を意味するのでしょうね。「全ての人がそうではない」という批判もあるかもしれませんが、生観さんの言葉を素直に捉えると、これはどういうことなんでしょうかね。

「笑わない人が痛い」「病気が治りたければ、命をかけて笑ってみよう」「謙虚さ、素直さを失った人が、それを取り戻すために事故や病気になる」
わかるような気がします。ここまで意識が高まっている人は理解できることです。私は、臨床において医学的な説明や、全力で治療するわけですが、心の面をここまで持ってこれれば患者様の治りもきっとよくなってくるな~と思いました。

また、言葉と記憶の妙のお話もありました。
ある動物学者と生観さんが会談されている時、「動物には”痛み”という認識はないのです」という動物学者さんが話されたそうです。ヒトには”痛いという言葉”があるから、例えば傷ついたり、骨折したりすると、「痛かったね」「痛くないよ」という言葉とともに、この状態が=痛い として脳に記憶され、これがケガをした時やぶつけたときに「痛い」と認識されるというお話でした。

「だから、骨折したら、あー楽しい、あー嬉しいと言葉をかけていれば、痛みなんてどこかへ行ってしまいますよ」ということでした。難しいことだが…これも真理の一つでもあるんでしょう。

また、「平和という言葉は、戦争や紛争があるから出てくる言葉であって、平和が普通の状態であれば”平和”という言葉は必要ありません」「ニューギニアのある部族では”自然”という言葉がありません。それは、自然が普通だからです」「また、ある部族では”やさしい”という言葉がありません。それは部族のほとんどが親戚のようなもので、協力して生活するのが当たり前だからです」というお話もありました。
んん~これも宇宙の真理でしょうね。当り前に普通に存在していれば、そこに言葉を作らなくても、皆が共通して認識していることになりますからね。それが混沌とした状態になるところに人間の学びや成長があるのかもしれませんが…

少し長くなりましたので、③に続きを書きたいと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小林生観さん 講演会に行く ①

2009年04月30日 | その他の活動
4月22日(水)、少し診療を早めに終了させて頂き、小林正観さんの講演会へ行ってきました。

小林生観さんは、様々な著書を出版されています。「嬉しい」「楽しい」「幸せ」な存在になろうと、宇宙の構造や、世の中の構造などを研究されている方で、”うたし会”というものを主催されています。宗教家ではないそうです。

私も何冊か著書を持っており、なかなか腑に落ちる、前向きになれる不思議な、いい本たちだと思います。

縁あって講演会の情報を得ることができましたので、聴講させて頂きました。

日 時:平成21年4月22日(水) 午後7時~9時すぎ
場 所:石川県青少年研修センター
講 師:小林生観
演 題:『幸せの宇宙構造』


200名の限定でしたが会場は満員でした。確かに著書にも不思議な力があり、何が、こんなに人を惹きつけるのだろうか、と、興味津々で講演会の始まるのを待ちました。

当初の小林生観さんのイメージとしては、んん~少し徳を積んだお坊さんのような威厳のある方なのかな~と思っていました……が、予想に反し、失礼な言葉ですが
「ええ~こんな普通の、というより、少し体力がなさそうなオジサンが~」
という第一印象でした。生観さんは、あまり有名になりたくないので、録音はいいのですが、写真やデジカメの撮影はしないようにということだったので(しかし、もう十分有名ですがね 年に360回も講演していれば、そうでしょう。)お姿をお見せできないのが残念ですが。

2時間の講演で”何が人を惹きつけるのか”ということも意識しながら聴いていました。初めから終わりまで終始、お話の中で貫き通されたことは「常に、寒いものから(失礼)、考えさせられる高度なものまでダジャレが入り、効いている人を、いろんな意味で飽きさせなかった」ということです。

あれは、嬉し、楽し、幸せを追求している、また笑顔の大切さを説いている、生観さんならではの話し方だなと思いましたね。これが情熱的に話すのではなく「わたしは、講演をやりたくてやっているんじゃないんですよ~」なんて、そんなはぐらかすような言葉を入れながら、何とも言えない雰囲気で講演されていました。

そして、ダジャレを言って、寒くても(失礼)最終的には聴いている人の笑いに繋げ、さらに「隣の人と、これをやってみてください」って突然、知らない人と会話をするように言われたり、「やらないと、前に進めないんですよ~」「はい、やってみて」など、聴衆を参加させ、会場に一体感をもたらし、自然に話に引き込んでいくところなど、勉強になりました。

面白かったのは、「携帯電話はオフにしなくてもいいですし、マナーモードにしなくてもいいですよ~」と言われたことです。「実は、携帯電話は話の中で重要な部分を知らせる合図なんですよ」ということに気づいたということです。実際、(サクラか)と思うくらい、いいタイミングで、いい話の部分で携帯が鳴ったんですよね。 不思議だ。

終始、笑いと、楽しい雰囲気とで、素晴らしい講演でした。最後の『幸せの宇宙構造』の答えを、身をもって心身(魂)で感じることができる、そんな不思議な勉強になる(他人に聴いて頂くための話し方として)講演会でした。

②では、お話の内容で、自分が感じたところを少し書きたいと思います。 

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「下座行」のススメ 謙虚な姿勢 (掃除)

2009年04月25日 | 経営って何?!
毎日、掃除をしていると、自然に感謝や謙虚などの気持ちが湧いてくる感覚があります。

便所や玄関、建物、治療院がある場所から、自分が普段何気なく使っている道具まで、すべて「縁」あって、今、自分の周囲にあるのですから「ありがとうございます」という感謝と謙虚な気持ちで使いたい、掃除したいものです。

≪私がよく勧めているのは、「下座行」に取り組むということです。「下座行」とは、自分の身を低くし、人から顧みられないようなことについて、手足を汚すことを厭わずに行うということです。

トイレ掃除などは、まさにこの「下座行」そのものであり、この行いを続ける中で、自分とその周囲の環境を変えてきたわけです。

ここで大切なことは、身を低くすることで人間としての謙虚さを身につけ、手足を汚すことを通じて目に見えない価値を実感することです。これこそが、現代人が失いつつある生活感覚を身につける基本だと言っていいでしょう。

さらに小さな、それでいてとても大きな可能性を秘めた行いがあります。それは、はきものを揃えることです。どんなに疲れて帰った時でも、玄関口のはきものがきちんと揃えてあれば、それだけで救われる思いになります。

長野のあるお寺の御住職の詩にこんな言葉があります。
「はきものをそろえると、心もそろう。
         心がそろうと、はきものもそろう」≫

『鍵山道場 人間力を磨く法則』 鍵山秀三郎 著


日々新たに、気持ちよく一日を過ごすには、自分の心を磨く「掃除」がいいのだと思います。私も毎朝、便所と玄関を掃除してます(時々、手抜きになります 人間力のなせる業ですかね)。

掃除してると、気持ちがシャンとしてきて、一日の計画が流れるように閃くことがよくあります。そして「ありがとう」って言葉が自然に口から出るようにもなるんですよね 不思議です。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小さなお子様、ご来院! 小児はり

2009年04月24日 | 小児はり
4月8日、小さいカワイイお子様がご来院。

当院には、最近、小さいお子様が「はり」にくることが多くなってきました。

眠らない、疳虫、おねしょ、元気がない、などが多いですかね。

今回は当院のホームページをお母さんが見て問い合わせがあり来院されました。なんと、ドイツからの患者様です。お父さんがドイツの人、お母さんが金沢の人、ドイツと金沢のハーフですね(んん~おかしいか)。

里帰りで金沢に来ていて、ちょうどホームページで見たということでした。縁って不思議ですね。 やはり縁は大切にしていかないとね。一期一会です。

すこしヤンチャで、暴れたり、なかなか眠らなかったり、他人の髪をすぐ強くひぱったりする、カワイイ彼は11か月。

いや~それにしても、ドイツから金沢まで10時間以上の長旅をしてきたわけだから疲れますよね。大人でも疲れるでしょう。ドイツに住んでいる時から、上記のような状態であったとか。ドイツには「小児はり」というのがないということで、金沢にいる間に一度受けてみたいということでした。また、「こんな状態だと帰りの飛行機がたいへん~」とお母さんの心配もありました。

期間限定。4月8日から24日まで7回、小児はりを行いました。「はり」と言っても、刺すのではなく、皮膚をハリでさするだけなのです。子どもたちは、すごく心も体も敏感なので、これでよく効くのです。

あまり笑わなかった彼も、口元、目元の表情が豊かになり、よく笑うようになりました。 夜、昼とも睡眠がとれるようになり キーと疳の虫が出ることが少なくなりました。

表情が豊かになるなどはお里の人間関係や、この数週間でカワイイ彼が成長したことなのかもしれませんが、「小児はり」が何らかの手助けになったのではと自己満足しています。

最後に、彼が笑顔で「ありがとう」ってコクンと頭を下げたのが、すごく印象的でしたね。

「また金沢に帰ってきた時はおじゃまします」

ということでしたので、成長が楽しみです。ドイツでも元気でね
またのご来院をお待ちしております。

子どもは、どこの世界でも宝です。その健康づくりの一助として、「小児はり」をどんどん利用して頂きたいと思います。当院では、多くの子どもたちが治療をしに来院しますが、今回、小さな国際親善をさせて頂きましたので、いい機会だったので「小児はり」のご報告いたしました。

二葉鍼灸療院 田中良和

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成21年4月 酔耀会(勉強会)

2009年04月22日 | 酔耀会(すいようかい)
4月15日(水)、酔耀会が8時過ぎより開催され勉強してきました。患者様が思ったより来院され、若干、遅れてしまいました。

皆、やはり勉強熱心。、どうしても終了は0時を越えてしまいます。本日も0時30分をじゃっかんまわりました。

診療とは瞬間瞬間の状況判断であって、様々な記憶が患者様との対面の中で展開されます。この酔耀会の勉強が役に立つ場面にでくわすことが、けっこうあるんですよ。

≪内 容≫

◎解離性の上肢運動麻痺の症例  
 豊島先生
プールで泳いだ後から肩の違和感が感じられ、その後、90度までしか肩を挙げることができなくなった60歳男性の症例報告でした。脳神経外科、整形外科で検査をするも原因不明。症状発症から1か月経ったが変化がみられないので治療を開始しました。豊島先生が以前、全日本鍼灸学会北陸支部集会で発表した(この時は肩の障害と判断してしまった症例報告)ものと症状が似ていることから、キーガン型の解離性上肢運動麻痺と判断し、予後や経過を説明し、治療を行ったところ、良好な結果を得られたということです。まず症状の本態を「知る」ことが大切だと思いました!

◎体力ケア教室を実践して!
 泉 先生
先日から開始した、高齢者のための「体力つくり教室」でのメニューの紹介でした。これから訪れる高齢化社会に向け、このような取り組みも「未病治」「疾病予防」という観点からも大切になってきます。

◎深部マッサージの紹介
 松邑先生
深部マッサージ(ディ―プ・ティッシュー・マッサージ)を自分の体験と、現在勉強中の書籍からの紹介でした。いろんなことを考えながらマッサージ、指圧に取り組んでいる先生です。鍼灸でも指圧でも、体を診る時は、表面から骨にいたるまでの間を診ることも大切ですし、刺激方法もいろんな局面で様々に存在します。身体運動にしても、深部と浅部を意識してトレーニングすることが大切ですからね!

◎ストレスタンパク質と鍼灸刺激
 田中(私)
タンパク質というと”お肉”を連想されますが、タンパク質は体の筋肉、骨、神経細胞、酵素など全てをつくる原料となります。タンパク質の種類は体の機能により様々な組み合わせで作られています。その中でも、熱や有害物質、活性酸素など、生体にストレスとなる刺激に反応し、体を正常に保つため働いているタンパク質があります。これがストレスタンパク質です。以前はHPS(ヒート・ショック・プロテイン)と呼ばれていたものです。これらの概要を説明し、鍼灸刺激も、体に対してのストレス刺激であるなら、この体の見えないところで働いている機能も視野にいれて臨床を行うことも必要かな、ということで発表させて頂きました。


”三人行えば、必ずわが師あり” 「論語」

酔耀会のメンバーは、私の知らないことを知っているし、体験しています。
いつも勉強会では”わが師”のような存在なのかもしれません。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

徳川家康 ・・・ 遺訓

2009年04月22日 | 言葉のちから 心のちから
徳川家康はご存じ、江戸幕府を開いた人物です。

江戸時代は日本に事実上初めて出現した強力な全国政権であって、二百六十五年にわたる長期政権が続き、なおかつ平和を維持して豊かな文化が築かれました。

他のアジア、欧米諸国の専制政治とはまったく異なった性格の時代だったようです。

この文化の中、現代に繋がる組織の在り方や理念、洗練した経済社会を発展させた大変ユニークな時代でした。
西欧の歴史学者は江戸時代のことを「トクガワ・ジャパン」「パスク・トクガワーナ」(徳川の平和)とも呼んでいるそうです。

開祖、徳川家康が残した遺訓の中の最も有名であるのが、

「人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。勝つことを知りて負くることを知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるに勝れり」

『江戸の遺伝子』 徳川恒孝 著


世界に類を見ない、平和で熟成された文化が築かれた江戸時代、人生に対する考え方、捉え方など、心の在り方なども熟成されていったのでしょう。トップが高貴な思想を持ち、万民がそれを理解できれば、素晴らしい国家や組織ができあがるということなのでしょうかね。

エジプト考古学の吉村作治先生によると、江戸と同じ約三百年間、15代の王が平和を守り続けた時代がエジプトにもあったそうです。それは、プトレマイオス王朝(紀元前三〇五~前三〇)であり、最後の王が、あの絶世の美女と言われているクレオパトラ女王でした。

政治も、経済も、生活も、手本や明るい未来への鍵は”平和で熟成された文化を築いた江戸時代”にあるのかもしれません。グローバル世界もいいですが、自分たちの足元である、正しい歴史を振り返ることも大切ですね

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

わたしの生き方はわたしで選んでいる

2009年04月21日 | 言葉のちから 心のちから
求めている時に、必要な言葉が、必然的に目に入ります。

わたしは、わたしの人生の主人公、ヒロイン(ヒーロー)、自分の生き方は自分で選んでいます。

それに気づいたら、まわりのせいにするのをやめてしまいます。

最初はたいへんでも、開き直ると、かえって楽になるからです。自分が選んだ人生なら、生きていけるから……。

今日という人生を大切にしましょう。
「いま」という人生を大事にしましょう。
ずっと、いまが続いているから。これからもずっと……。

いまの自分をどう選んでみる?
顔をしかめる? 笑顔にする?

だって選べるのよ、自分で。大きな笑顔にしましょう。

選べるなら、満月のように、太陽のように、しあわせな人のように。

顔をしかめたら、どうなるか試してみます。泣いてみたら、どうなるかも試すことができます。

不満を言ってみたら、まわりが何と言うかも、実験できます。怒ってみたら、まわりの人がどう反応するかも、知ることができます。

笑顔にしたら、どう展開するかも、わかるのです。

選んだあとの結果で、人生体験をつめるのです。だから何を選んでも実はOKなのです。

人生は思いの、選択の違いによる壮大な実験なのですから……。

たくさん実験した人は笑顔がすてきです。笑顔の実験結果を知っているからです。

たくさんの人生を知っている人は、いつも笑顔で前進します。
本当の自分の光に向かって、直感を信じて進むのです。

光の中を笑顔で前進。

『すべては うまくいっている!』 越智啓子 著


んん~今の私の心境にはもってこいの言葉です。

どんな心境かって ひ・み・つ~です

素敵な言葉たちには、湧き出る元気をもらえます 

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第13回 健康づくりフェア 鍼灸マッサージボランティア 参加

2009年04月18日 | ボランティア活動
4月11日(土)、12日(日)の両日、金沢健康プラザ大手町にて、第13回健康づくりフェアが「金沢・健康を守る市民の会」の主催で開催されました。テーマは”メタボリックシンドローム”でした。

金沢市鍼灸マッサージ師会も例年通り、鍼灸マッサージ無料体験コーナーということで、西館1階の夜間診療所をお借りしまして、ボランティア活動をさせて頂きました。今年は12日(日)の午後10時から午後4時までの活動でした。

天気がひじょ~に良好で、桜の下にベッドを持っていって施術したいくらいの素晴らしいお花見日和でした。

14名の先生方が活動に参加して頂き、75名の方々が鍼灸マッサージ施術を体験されました。若いエネルギーほとばしる小学生から、人生のベテランの方が、男女問わず(女性がやはり多いかな)体験して頂きました。「去年も来たよ」という人たちもチラホラみられました。


 宮川先生なかなかいい男に写ってるね
 顔が見えんけど

今年の特徴は、マッサージは受けやすいとして、今までは「ハリ・きゅう体験しましょう」なんて言うと、ちょっと尻ごみされる方が多かったのですが、他の先生に聞いても、「今年は意外に鍼灸を希望する人、すすめても嫌がらない人が多かったですね」と話していました。


 限られた時間で丁寧に施術、アドバイスする安井先生

優しく、わかりやすい体に関するアドバイス、普段の治療はできませんが、できる範囲で丁寧に優しく先生方が施術されていたので、皆様、好印象で好感触なご感想がほとんどでした。一人でも多く、鍼灸マッサージをご利用されて、健康保持・増進に役立てて頂きたいと思います。


 さすが、ベテラン常盤先生
 この技術は学ぶ点が多い

まだまだ、鍼灸治療に関しては受けたことがない人が多く、理解が得られていないことの方が多いですが、これら地域のボランティア活動も少しは力になり、徐々に変わってきつつあるのかな~なんて少し楽観視したいな~と希望的願望を持つ私でした。

ご来場いただいた市民の皆様、ありがとうございます。
活動にご協力して頂いた先生方、ありがとうございます。

しっかし、本当に、いい天気だったね~

(ちなみに、この後、5時から金沢市鍼灸マッサージ師会の理事会、その後、加賀・三策塾運営委員会で、スケジュールが終了したのは……9時過ぎでした

でも、充実した一日で・し・た。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貧しい人々の中にいるキリスト (マザー・テレサ)

2009年04月18日 | 言葉のちから 心のちから
私はキリスト教信者ではありませんが、マザー・テレサの言葉には共感します。人のために愛を実践している人に宗教というものは関係なく、「ただそこに宗教がある」のだと思います。

≪貧しい人々が飢えで死んだ場合、それを神様のせいにしてはなりません。あなたや私がその人が必要としていたものを与えようとしなかったからなのです。

つまり、私たちが神様の愛を伝えるみ手の道具になろうとせず、パンの一切れを与えることなく、寒さから守ってやる衣服を与えようとしなかった結果なのです。

キリストが、寒さに凍え、飢えで死にかけた人の姿をとって再びこの世に来給うたこと、淋しさに打ちひしがれた人の姿、温かい家庭を求めてさまよう子供の姿をとって来給うたことに気づかなかった結果なのです。≫

『マザー・テレサ 愛と祈りの言葉』


世界を見ると、イラク、アフガニスタン、ガザ地区、ソマリア、チベット、タイ、パキスタン、インド、中南米、各地で紛争、戦争が絶えません。

世界の3分の2の人たちは、日々の食料を得るのさえままならない状態です。

枯葉剤、原子爆弾、劣化ウラン弾、さまざまな戦争の産物で、一生辛い重荷を背負って生きていかなければならない人々が大勢います。その被害に苦しんでいる人は、大半が戦争に直接関係のない女性、子供、赤ちゃん、若い希望溢れる青年、長年未来ある社会をつくってきた高齢者です。

それらが生まれるのは、兵器をつくる人がいるからです。戦争を商売にしている人がいるからです。世界に対立や不穏な空気をつくり、紛争を生む原因をつくる人がいるからです。画像や情報操作を使って人々を洗脳する人たちがいるからです。

戦争をなくさなければ貧困はなくなりません。その逆もしかりです。

先進国、わが国、日本を見渡すと、戦後、いろいろな要素は絡んでいるんだろうと思いますが、先輩たちの努力により”豊かな日本”が築かれてきました。

しかし、物質的、金銭的、経済至上主義的、目に見えるものに価値を見出しすぎた結果、また、地位、権力、私利私欲、自分さえ良ければ、という価値観の人々が増えた結果、凶悪犯罪が増え、自殺者が増え、精神的・物質的格差が広がり、すさんだ世の中になっているのが現状です。

しかし、世界でも、日本でも、それに気づき自分の思考や行動を変えている人、意識を向けている人がたくさん存在します。官僚や政治家の中にも存在します。目に見えない大切なものに意識を向け、輝く未来を構築しようとしている人も地道ながら着実に増えているのも事実です。

自分の周囲から、あたたかい心、あたたかい手をさしのべて、小さいところから”幸せの渦”をつくっていきましょう。自分のできる範囲からでいいと思います。そんな時代にきています

そして、地域へ、日本へ、世界へ、地球へ、宇宙へ、人へ、動物へ、植物へ、虫へ、物質へ、自分が、あたたかさを実践できる範囲を広げていけば、”幸せの渦”は徐々に大きくなり、いろんなものが渦の中に巻き込まれて、幸せが地球を覆いつくすんでは…なんて考えます。

すべて「環の端なきが如く」繋がって世界がつくられているんですからね。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜 さくら サクラ・・・ 鯉? 

2009年04月13日 | 日常
今年は、金沢城公園近くで桜を激写


 角度を変えて撮影してみる 


 桜はキレイです。なぜ人を惹きつけるのか 


 大手堀の桜並木 


 最後は…なぜか恋でなくて鯉 
 気持ちよさそうに泳いでいたんで~
 
 ここで一句
 
 ”はるがきて こいするこころ さくらさく”

 こんなの出ました

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春風接人

2009年04月13日 | 言葉のちから 心のちから
≪春風を以て人に接し、
  秋霜を以て自ら粛(つつし)む。

春の風のような穏やかな態度で人に接し、秋の霜のような厳しい態度で自らを律していく。
 ※これができるように、自らを修めていくのである。≫

『佐藤一斎 一日一話』 渡邉五郎三郎 監修


以前、少年野球を観に、戸室山のグランドへ行った帰り、車を止め、山深いところで休憩していたとき、心地よい風が吹き、

「こんな感じで、人に対応できたらいいな~」
「こんな心地よい風のようになりたいな~」

と、思ったことを、思い出しました。

人と自分への対応、大切なことですね。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子どもの体力低下・学力低下 ③

2009年04月11日 | 成長期の身体と心
少し面白い発想から”運動””脳”というものを考えていきましょう。

○カンがいいということ
(養老)今、なぜ、子供に虫を捕らせたほうがいいのか。その問題を考える時に、世間の皆さんに、ぜひ気づいてほしいことがあるんです。それは要するに、脳みそは総合なんだということです。言いかえると、脳の機能は回転なんだということ。
(奥本)なるほど。それで?
(養老)まず外界からの情報が感覚を通して脳の中に入ってきますよね。これがインプット。脳の中で計算して、考えて、その結果が肉体の運動として出ていく。これがアウトプットです。たとえば、今、ここにコーヒーカップがある。すると、まず「目の前にコーヒーが入ったカップがある」という情報が視覚を通して脳にインプットされる。脳で計算して、「しゃべり疲れたから、ちょっと飲んでみるか」と考える。その結果が、手をのばしてコーヒーを飲むという運動としてアウトプットされるわけだ。
(池田)入力した情報を脳の中で解釈して、出力するわけだ。
(養老)そしてコーヒーを飲んでみたら、「もう、ぬるいや」と感じる。すると脳は「もう一度入れ直そうか」と考える。そういう具合に、インプットとアウトプットが再入力されながら、ぐるぐる回っているんです。
(奥本)なるほど、回転ですね。
(養老)感覚→脳→身体→感覚……という具合に、情報をぐるぐると回していくことが、とても大事なんです。このことの重要性に気づいたのは、脳研究の世界でも、実は比較的最近のことなんですけどね
(池田)再入力あるいは再代入するプロセスとして、脳を捉えるわけですね。
(養老)そうです。だから赤ん坊がハイハイすることは、たいへん大事な意味があるわけ。ハイハイした瞬間から、自分の手足を使って世界の中を移動するという、とても知的な作業が始まるんです。これが、脳の発育にとって、とても大きい。脳性麻痺の赤ちゃんの場合、かわいそうだからと歩かせないでおくと、言葉が出てこないんです。
(奥本)一歩動いたら、すべてのものの角度が変わってきますから。
(池田)赤ん坊の目に見えいているものが変化していく。
(養老)でも、そういうふうに次々に変化していくものを全部覚え込もうとすれば、脳が壊れちゃうんです。情報量が多すぎる。それでどうするかと言うと、自分が移動することで違った世界がどんどん現れるけど、その世界は根本的には一つの同じ世界で、違うように見えているだけだというふうに、脳がまとめていくわけですよ。概念にまとめあげていく。
(池田)われわれが中学校で習う比例という概念も、同じようなことですね。
(養老)そう、相似とかね。あの比例という概念は、実はわれわれは、数学で教わる以前に理解しているんですよ。あれは要するに、同じものが、遠くでは小さく見えて、近くでは大きく見えるということでしょう。遠くにいると猫だけど、近くに来たら虎だったって報告できる人はたぶん存在しないんですよ。数学って、元来そういうものなんだと思う。感覚的には、すでに知っていることなんですよ。その感覚が優れている人を、「カンがいい」と言うわけ。
(奥本)ところが、学校でも役所でも、そのカンというものを認めない。数値化できないし、カタログデータ的に登録しにくいから。むしろ特殊なカンを持った子は先生に嫌われて落ちこぼれたりする。農協のトマトやキュウリと同じで、形のそろったまっすぐな、大きさも一定のもののほうが扱いやすい。規格外のものははじき出されるようになっている。
(池田)そういうカンのよさこそ、知的な作業においては最大の武器になるのにね。
(養老)そのカンを磨くには、小さい頃から再代入、再入力を繰り返して、脳をブンブン回さないとダメなんですよ。
(奥本)要するに、外に出て、自然の中で思う存分遊べということですね。
(養老)それしかない。そして、数ある遊びの中でも虫捕りがなぜいいかというと、それはほぼ理想的に脳が回転するからです。感覚から入って、計算して、その結果が運動として出て、出た結果が再入力される。虫を見て「いた」と思ったら、筋肉を動かして、捕まえて、自分で調べて、標本を作って、考えて、また虫を見て……という具合に、インプットとアウトプットが連鎖しながらくるくる回り続ける。
(奥本)しかも、虫の行動を観察して、次はこっちに飛んでくるから、ここで待っていて、こう網を振ると捕れるなと、一所懸命考える。
(池田)一生終わらない(笑)。やっぱり自然物を相手にしていると、面白いですよ。
(養老)子どもをまともに育てようと思ったら、とにかく戸外で、自然の中で作業させるのがいちばんいいですよ。人間はもともと、そうやって生きてきたんだから。いくら近代化したって、子どもは常に白紙で生まれてくる。近代的な世界の中で、子どもを育てた方がよくなるという実験結果は、どこにもないでしょ。

『虫捕る子だけが生き残る 
  ~「脳化社会」の子どもたちに未来はあるのか~』
        養老孟司 池田清彦 奥本大三郎 著


人は素晴らしい文明を築いてきましたが、私たちは、大自然が創り出す「すごい」と息をのむような絶景を作り出すことはできません。人が作り出すすべての物は自然の恩恵を受けないものは一つとして存在しません。

人が人として豊かに育つためには、自然を感じ、自然から学び、自然の豊かさを知り、自然に畏敬の念を持ち、自然に感謝することが大切であり、それが人を生かす道であるのだろうと思います。

さ~て、子どもたちはテレビの画面の前で座ったり、携帯ばかり見ていないで、自然の中で遊びましょう~ね

太陽のあたたかい光をあび、心地よい風に吹かれ、力強い大地を踏みしめ、清らな水の流れを感じ、

楽しく、元気に、自然の中で遊びましょう

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子どもの体力低下・学力低下 ②

2009年04月11日 | 成長期の身体と心
近年、脳科学や神経科学の分野では研究が進み、脳機能、あるいは脳と体をを結ぶ様々な重要な発見が相次いでいて、ミクロの分野において、人を調整・制御する脳機能において様々な絵が描くことでできるようになっているようです。

「運動をすると、セロトニンやノルアドレナリンやドーパミン―思考や感情に関わる重要な神経伝達物質―が増えることはよく知られている。読者の皆さんも、セロトニンについては耳にされたことがあるんだろうし、その不足が抑うつに関係していることもご存じかもしれない。私が会ってきた多くの精神科医でさえ、それ以上のことはあまり知らないようだ。
強いストレスを受けると脳の何十億というニューロン(神経細胞)の結合が蝕まれることや、うつの状態が長引くと脳の一部が委縮してしまうこと、しかし運動をすれば※神経化学物質や成長因子がつぎつぎと放出されてこのプロセスを逆行させ、脳の基礎構造を物理的に強くできること、そういったことをほとんどの人は知らないのだ。実際のところ脳は筋肉と同じで、使えば育つし、使わなければ委縮してしまう。脳のニューロンは、枝先の「葉」を通じて互いに結びついている。運動をすると、これらの枝が成長し、新しい芽がたくさん出てきて、脳の機能がその根元から強化される」

 ※神経伝達物質の他、ニューロンの成長や機能調節などの様々な役割を担っている物質。

「神経科学者たちは、運動が脳細胞の内部―遺伝子そのもの―に及ぼす影響を研究し始めたところだ。生物の基礎である遺伝子レベルでも、体の活動が心に影響することを示す兆候がみつかっている。
また筋肉を動かすとタンパク質がつくり出され、血流によって脳にたどり着き、高次の思考メカニズムにおいて重要な役割を果たすことが分かってきた。そうしたタンパク質群にはインスリン様成長因子(IGF-1)や血管内皮成長因子(VEGF)などがあり、その発見により、心と体の結びつきを新たな角度から見られるようになった」

「神経科学者がこうした因子の機能に注目し始めたのはここ数年のことだが、続々と新しい発見がなされ、驚異的な事実が明らかにされている。脳のミクロの環境でなにが起きているかについては、わからないことの方がはるかに多いが、すでにわかっていることだけでも人々の生活は変えられる。そして、おそらく社会も変えることができるはずだ」

『脳を鍛えるには運動しかない』
  ジョンJ.レイティWithエリック・ヘイガーソン 著より


アメリカのイリノイ州ネーパーヴィル203学区では、新しい体育の取り組みとして「0時限授業」が行われて17年になるそうですが、意外な結果が出ているようです。「0時限」というのは、通常の授業が始まる前という意味であり、その前にグランドをそれぞれ目標を設定し走る(有酸素運動)というものです。

様々な効果を及ぼしたのですが、最たるものは、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)の結果でした。数学・理科など二つの大切な教科における生徒の知識レベルを国際比較するために作られたテストです。

このテストは1995年以来、4年ごとに実施されています。1999年には、38カ国から23万人の生徒が受験し、米国からは59000人が参加しました。ネーパーヴィルの生徒もまとまって参加し、生徒の成績を国際基準に沿って調べました。米国の生徒の平均が、理科18位、数学が19位で、ジャージーシティとマイアミの地域はそれぞれの教科で最下位だったそうです。

しかし、ネーパーヴィルの生徒はなんと理科のテストで1位(世界一)となり、数学では6位となり、その上にはシンガポール、韓国、台湾、香港、日本だけだったという、米国の教育水準からでは考えられない成績を残し、全米が注目することになったそうです。

全てが運動の効果とは言えないまでも、体力(運動)と学力(脳)は密接な関係があることが言えると思います。

皆さま、ご存じのように、運動ことに有酸素運動は脂肪を効率的に燃焼し、肥満予防になるばかりか、脳神経細胞に働きかけ、学力向上、心の安定に貢献するという事実があるのです。

学力を向上させたければ、30分から40分の有酸素運動を定期的にやってみてください。必ず頭がスッキリし、さらに記憶力が増すことでしょう。

さあ、運動をしよう

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子どもの体力低下・学力低下 ①

2009年04月11日 | 成長期の身体と心
現在、子どもの体力低下、学力低下が問題となっています。今年1月に文部科学省から発表された初の全国体力テストの都道府県ごとの結果が波紋を広げつつあるようです。

地域間での格差があるようです。この地域間の格差や評価方法は置いといて、”子どもの体力低下”の原因はというと、やはり直接的には「身体活動量の低下」です。携帯電話やインターネットの普及、テレビを視聴する時間やテレビゲームの増加により、“外で遊ぶ”機会が減少しています。また、学校の統廃合の問題や、通学での安全確保という観点から、保護者の車やスクールバスでの送迎により、学校へ行く時ですら運動する機会が失われています。

昔は、山や川、公園など外で遊ぶ環境がたくさんありました。学校から走って帰ってくると、ランドセルを家に置き、また走って外に遊びに出る子どもが多かったように思えます。生活の中に運動があったのではないでしょうか。山で虫をとり、道なき道を探検し、川で魚をとり、木に登り、でこぼこの山道を駆け巡ることで、総合的な神経機能が発達し、さまざまな生活に順応する強い体力が養われたのだと思います。

外で遊ぶ=自然との対話の中で、「これは危険だ」「虫はこう動くから、こうしたら上手くとれるんだ」「川には深いところもあるんだ」「この草は草笛がふける」「木を速く登るにはどうしたらいいか」などなど、自然から危険、対応力、知恵、関心、興味、いろんな体験を通じて、総合的な判断能力や体力が養われます。

確かに現代は危険と隣合わせですが、「あれをしてはいけない」「危ないから…」など過剰に安心、安全を強調しすぎてもいけないし、また、文明の発展してきた一つの要素である“便利””楽”というものも追及し、子どもの頃からその環境につかっていると、ストレスに弱い、対応力、応用力の欠如した、総合的体力がない子どもが育つことは目に見るより明らかではないでしょうか。

また、間接的というよりも、これも身体運動量減少と並列して、大きな要素となっているのが、食事や睡眠などの生活習慣の悪化です。例えば、朝食を食べてこない子供は、小学生で約1割、中学生で約2割、高校生では3割であり、食べている子どもも、パン1枚であったり、おにぎり1個であったりという例も多いようです。

食事は現代医学的なカロリー(熱量)で計算されるようなものでは、片手落ちです。その食品自体の食性(漢方で言う熱・温・涼・寒など)、含有栄養の量(旬のものか、地元産のものか、オーガニックのものか、など)、ご飯をつくるお母さんはたいへんかもしれませんが、そのあたりも少し意識にいれておいたほうが、質のよい食事ができます。

朝食に関しては、食べないほうが健康になるという説をとる方々もいて、考え方も様々ですが、学校では、体育あり勉強ありで、エネルギーを消費するので、食べすぎない程度の、ビタミン・ミネラル豊富な朝食をとるべきだと思います。私は和食がおススメだと思います。そして、ゆっくり噛んで胃腸の働きを良くし、排便反射を起こさせ溜まった便をスッキリ排出することが大切でしょう。

睡眠は成長ホルモンの分泌が最大になる時間です。また、記憶をしっかり脳に刻み込むことも行われるようです。また、胃腸の機能が活発になり、体の新陳代謝が行われ、細胞新生が活発に行われます。「寝る子は育つ」とはよく言ったもので、昔の人は人間をよく観察していたんですね。

低体温であったり、貧血であったり、疲れやすい、半分眠ったような状態であったりする子どもが多くなり、このような子どもの多くは、学校へ登校しても体調不良で、そのまま保健室に登校する子どもが増加しているようです。これは遅くまで起きていたりなど、睡眠のリズムが狂っていることが大きな要因の一つでしょう。

通学意欲・学習意欲の欠如の原因の第1位は「体調不良」であるという調査報告もあります。今、子供には「心のおかしさ」ということより、むしろ「体のおかしさ」が起こっており、早急に体のケア=運動の処方が必要であるようです。

文部科学省は、「早寝早起き朝ごはん」「外遊び」を軸にして、正しい生活習慣を身につける重要性を訴えています。人間の営みから言えば当然のことなのですが、当たり前のことを当たり前にやれないのが現代です。文科省が行う学力テストでトップクラスの福井、秋田県などは体力面でも上位に位置しているということです。

この他に、体育授業時間数の減少や質の変化などもあり、複雑に原因が絡み合っており、教師、親、行政、地域社会など協力して子どもをサポートしていくことが大切なのだと思います。

子どもは社会の宝です。子どもの健康を考えることは大人の責任です。それが国の基礎ともなります。

②では、体力(運動)と学力(脳)の関係をみていきましょう。

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする