二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

中和医療専門学校 新年交歓会 ③ 廣中邦充 和尚 講演会

2010年01月29日 | その他の活動
西居院 廣中邦充 和尚の講演会の続きです。

◎手を触れるだけホッとする、顔を見ただけで痛みが治ってしまう、会うだけで心が和む、そんな人(鍼灸マッサージ師)になって頂きたいし、それができる職業です。

◎子どもたちに常日頃から言うことは「逃げるな」ということ。ここで逃げても、また、必ず同じ試練がやってくる。だから逃げてはいけない。

◎子どもたちが荒れるのは、子どもが悪いんではない。その子どものメッセージを大人が気づいてあげることができないだけ。

◎名古屋鉄道の創業者の社長さんは、事あるごとに欠かさなかった一つの仕事がありました。それは社員の奥様に感謝の手紙を送ること。名鉄で働いてくれている社員が元気で会社を支えてくれているのも、家庭での奥様の支えあればこそ。家庭(奥様)が大事という思いで手紙を書いておられたそうです。さすが創業者や信頼される会社をつくる社長さんは違う。

◎信じる心が大事(Beleve)。これが行=行動につながる。

◎人間として生まれて来るくらい希なことはない。父母を縁として、梵天より糸を垂らして、海の底に沈んでいる針の穴のなかに、その糸を通すくらい人間として生まれて来るということは奇跡なんです。

◎「三歩の距離」というのがある。これは人間関係の基本である。べったりくっつくわけではなく、かといって離れることもない。これが”寄り添う心””いっしょに”ということであり、『With Love』ということです。三歩の距離でしっかり観ていてあげ、子どもたちに後ろ盾となってあげられる大人になって欲しい。そして、それぞれの人生において出逢いを大切にして欲しい。


◎上記のような話は机上の空論です。しかし、行政でも、家庭でも、周囲の人の一挙手一投足をよくみつめて、実地の中でまず実践することが大切です。絵に描いた餅では、いくらいい話でも何の役にも立たない。



以上が、私が聴いてきた、熱血廣中和尚の話をまとめたものです。初めから終わりまで、内容、人間性、講演の方法など学ぶべきところがたくさんあり、何事にも一所懸命、情熱と心を込めて行うということの見本がここにもありました。

廣中さんの声を通していたマイクとスピーカーもちとかわいそうかな~と思いました。マイクがいらないんじゃないかという声量と、壊れるんじゃないというくらい気迫あふれる声質でした。んん~これも見習うべきところであるが、これは和尚さんの実践や、人間力の内から滲み出てくる声(気迫)なんだろうなと感じました。

本日の廣中和尚さんのお話を聴講し、電車に乗って名古屋へ来た甲斐があったと思いました。2・3回、金沢-名古屋を往復しても無駄ではないくらいの価値があったお話でした

廣中邦充 和尚 ありがとうございます そして、お体に気をつけて、これからも子どもたちを明るい未来へ導いてあげてください

私も微力ながら、地域の人たちが明るく、健康に、豊かに人生を送れるように、この仕事を通じて励んでいきたいと心から思ったのでした 

二葉鍼灸療院 田中良和
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中和医療専門学校 新年交歓会 ② 廣中邦充 和尚 講演会

2010年01月29日 | その他の活動
1月24日(日)、中和医療専門学校の新年交歓会において行われた講演会を聴き、感動しました ので、そのことを記しておきたいと思います。

場 所:名鉄グランドホテル 11階
時 間:午後1時30分~2時30分
演 題:『With Love』
演 者:西居院 住職 廣中邦充 様


知っている人も多いと思いますが、廣中和尚のことを少しご紹介します。
愛知県岡崎市生まれの59歳。大学卒業後、会社勤務、塾や会社を経営された後、父上の跡を継ぎ住職に就かれました。和尚も若いころは、いろんな意味でなかなか活発であったようでその経験は現在に活かされているようです。
和尚のお寺は『平成の駆け込み寺』と言われ、北は北海道から南は沖縄まで、家出、不登校、引きこもり、いじめ、自傷行為、家庭内DV、非行など、親には手に負えない、様々な問題を抱える思春期の子どもたちを無償で預かり、子どもの自立と社会復帰を支援されています。熱血和尚さんです

和尚さんの教育論は実践的教育論として様々な場所で評価されており、テレビなどメディアにも多く登場し、以前放送されたTBSの『”子どもが危ない”こんな日本に誰がした!?全国民に”喝”』に出演された時は、大反響がありました。私もこの番組をちょうど観ていた一人です。本当に感動した覚えがあったのです。

今まで、和尚さんと生活を共にし、このお寺から巣立っていった子どもたちは698名。現在も15名の子どもたちが生活し、なんと、お寺で生活したいと待っている子どもたちは2013名もいるとのことです。この数字をどう考えるでしょうか?未来を築く子どもたちの現状の一端です。
お寺での生活は、ほとんど子どもたちの自主性にまかせられていて、何をしても自由なのだそうです。でも、そこには「自分の行動は、自分で責任を持つ」「原因があって結果が生まれる」ことを、その生活において学んでいるのだろうと思います。それも温かい和尚さんの後ろ盾があるからできるんでしょうね。

そして、お寺での生活のなかで唯一のルールは「夕食は全員一緒に食べること」だそうです。これだけが守らなくてはいけないルールというのはビックリですね。でも一家団欒、本当に温かい家庭をつくるため、心の繋がりを確認するには大切なことです。

さて、ここからが、講演会のお話になります。プロローグが少し長すぎましたかね。

熱血和尚の廣中さん。本当に元気です。講演会が始まるやいなや、みんなを立たせて背伸びをさせたり、会場中を駆け回り、椅子に上り、大きな声でしゃべったり、いきなりのパワー炸裂で、「……」言葉も出ないくらい、あっけにとられてしまいました。

元気オーラ、情熱オーラ、人間味がにじみ出ているオーラ、いろんなオーラが混在して大きなパワーになっていると感じました。ここ数日、長野県飯田市、青森県八戸市、そして名古屋市、この会が終わったら福岡県の小倉まで向かうという、それぐらいの魂の奥から湧き出るパワーがないと行動できませんよね。

書籍販売のため一緒に同行してきた、お寺で住んでいる女の子に「和尚さん、元気だね~、パワーがあるね~」「こっちも元気が湧いてくるよ」って話たら、「いつでも、どこでも、こんな感じです」って言ってました。普段、子どもたちに対するのも、講演会で話す時も変わらない情熱を注ぎ、表裏がない。んん~これだけでも勉強になりました。

廣中和尚が話されていたことを、ちょっとまとめておきたいと思います。

◎廣中和尚は今年で結婚36年。これまで毎朝、かかさずにしていることがある。それは、「お母さん、おはよう」「お母さん、ありがとう」と声をかけること。僕の妻でいてくれて、ありがとう、という感謝を込めて「ありがとう」を言っている。

◎今年は全国28か所で「ありがとうの日」というのも宣言していく。何月何日はここの都市では「ありがとうの日」ということを定めて、例えば「ありがとう探しの作文コンテスト」などを小・中学生に広めていく予定。

◎今は”成長の時代”であり、”心生きの時代”。なのに、地域でも、家庭でも「絆」が欠乏している。その結果、子どもたちは(大人もそうかもしれない)、挑戦をしない、応用がきかない、自分で創り上げることができないようになってきている。その「絆」を回復する意味でも「ありがとう」の癒しのパワーは大きい。

◎お金のない、行くところがない子どもたちを誰が救ってあげるのか 全国の坊主たちよ目を覚ませ 全国の宮司たちよ目を覚ませ と言いたい。

◎子どもが自殺するまで気づかない親は親ではない 誰々のせいではない。皆、自分の責任を人のせいにする世の中になっている。子どもが荒れるのは誰の責任でもない家庭の問題であり、親の責任なんだ。

◎この会場におられる皆様は、鍼灸「師」であり、按摩・マッサージ・指圧「師」であり、柔道整復「師」の先生方です。「師」というのは、尊敬に値する人、敬うべき人に使われます。それを国家資格で認められているのだから、自信を持って仕事に臨んでもらいたい。

◎今日ここに来た目的は「原点に返れ」と言いたい。国家試験に合格した、開業した時の「全員を救ってやるぞ」「全員を治してやるぞ」と誓ったあの時の素直な思いに返ってほしい。

◎「少年よ大志を抱け」という言葉があります。これは背筋をピンと伸ばして歩みなさい、己を知りなさいということなんです。

◎淡路島で行われた小・中学校の教師を対象にした講演会で「あなたたちは教員や教諭ではなくて、教”師”なのです。自信を持って、原点に返って、子どもたちと向き合ってください」「挨拶は誰のためにあるのでしょう。それは自分のためにあるのです。教師がまず挨拶をする、会社でも上司がまず挨拶をすることを心がけることが大切です。生徒たちが教室に入る5分前に皆さんが教室に入って、生徒を迎え入れなさい」と話した。それは、担任を好きになれれば、学校が楽しくなり、学力があがるからなんです。と話しましたところ、兵庫県の教育長が、「夏休み明けは全教室で、生徒を迎え入れることを実施しましょう」と言われました。

◎「匂いをかぎとれ」、子育てにしても、仕事にしても、何でも一緒です。匂いをかぎとる感覚を身につけよう。

◎リーダーの条件=関ヶ原の戦いに学べ=先見の眼をもち、無駄をはぶく。

◎景気が悪い時だからこそ、鍼灸マッサージというソフトな部分が重要な時代になってくるのではないか。自分の仕事を通じて、喜びの心を地域に広げていって欲しい。温もりのある診療室をつくっていって欲しい。

◎鍼灸マッサージ業界には無資格者の問題があるようですが、真実とは何であろうか考えて頂きたい。真実のあるところに負けはない。このようなことが必要な時代であるが、欠けている時代でもある。真実をもって努力していれば、真実以外はすたれていく。

熱くなって、文章が長くなってしまいました。もう少しあるのでパート③に移りたいと思います。

二葉鍼灸療院 田中良和
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第20回 中和医療専門学校 新年交歓会 出席 ①

2010年01月27日 | その他の活動
1月24日(日)、私の母校であります、中和医療専門学校の新年交歓会がありましたので出席してきました。
場所は、名鉄グランド・ホテル 11階。
時間は、午後1時~4時。



私は、中和医療専門学校同窓会の役員もしている関係上、参加しています。まあ、愛知や東海圏の先生方と会えるのも楽しみで行ってるのです。私が習っていた頃の学校の先生方も多くお見えになるので、お顔を拝見しに行っていることもある…かな。

今年は、参加人数が非常に多く107名でした。

これだけ人数が多くなると記念撮影もたいへんです。記念撮影はいつも同業者のM先生が行うのですが、この先生、写真屋さん顔負けなくらい”こだわり””プライド”を持って撮影されるのです。皆さん、並んでからが、いろいろ指示が出て、これが長~~~いのです。立っている先生方からは、国会の予算委員会ではありませんが”ヤジ”らしきものも飛ぶのです。

これがまた、一つの恒例行事になっていまして、私としてはなかなか楽しませて頂いているのでした~。

写真撮影のあとは、同窓会会長や学校長のご挨拶。

その後は、私の本日、新年交歓会に参加した大きな目的であります「講演会」です。演者は、西居院 住職 廣中邦充さん。演題は『With Love』。素晴らしいお話でした。この内容はパート②で書きたいと思います。
感動しました。ぜひ石川県に来てお話して欲しい…いやいや、石川県鍼灸マッサージ師会 青年部長を仰せつかっている権力で話に来て頂こうと、本当に思ったのでした。廣中住職にそんな話もしておきましたんです、はい

講演会が、午後1時30分~2時30分の予定でしたが、10分遅れて始まりましたので、その後の宴会も10分遅れで始まりました。来賓の先生方が10名ご挨拶がありました。その中には、わが師匠の黒野先生が、一般社団法人 生体調整機構制御学会 代表理事としてご挨拶がありました。皆さんそれぞれのお話で熱が入り、私が考えていた時間をオーバーオーバー 

なんでこんな時間を気にするか…それは、私がこの後のアトラクションの司会進行を任されているからでした。打ち合わせでは、宴会が2時30分から始まるので、来賓の方の挨拶を考えると3時過ぎくらいから始められるかな。と考えていました。くじ引きなのですが、なんせ107名も参加者があるものですから…。

さて蓋を開けてみると、アトラクション開始時刻は…3時30分 これはお酒を飲まなくてはやってられないと感じ一気にビールを体内に入れエネルギーとしました。いやいや~お蔭さまで、流れるようにくじ引きが行われ、惰性になりシラケないように、私のトークで参加者を引きつけ なんとかこの場を乗り切りました。

人生、よく予想外、想定外のことが起きるものです。その場を、前向きに、楽しく、その状況にあった一所懸命をどう尽くすことができるか、そんなことも勉強になりましたね。お酒のお蔭か~

周囲からも「盛り上がったよ」「司会、良かったよ」と言って頂き、胸をなでおろしたのでした。

本日も、いろんな意味でいい時間を過ごさせて頂き、名古屋まで来たかいがあったというお話でした。~①はオシマイ~
(追伸:最初の写真は、反省会が行われた、名古屋グランドホテル・ラウンジからの夕焼けです。本当にいい天気で心も体も気持ち良い一日でした。)


二葉鍼灸療院 田中良和
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人間に年齢はない!

2010年01月27日 | 言葉のちから 心のちから
当院には、下は4歳から上は87歳まで幅広い年齢層の方が治療にご来院されます。

皆さまに元気になって頂けるように、日々精進いたしております。

患者さまには、年齢に関係なく心で接するようにさせて頂いています。私より年齢が上の先輩方には尊敬の念を忘れず、下の後輩方には、寛容の心を忘れずにという基本もありますがね。

☆人間に年齢はない!
≪いいですか、私はね、人間には年齢はないと思っています。年齢を考えるから年齢があるように思うけれども、六十、七十歳になろうと、自分が十七、十八歳時代と考えてみて、違っているのは体だけ。そして、もう一つ違っているのは、心のなかの知識だけの話で、心そのものはちっとも変わっていないはずです。

ですから、四十や五十はもちろん、七十、八十になっても情熱を燃やさなきゃ。明日死を迎えるとしても、今日から幸福になって遅くはないのであります。≫

『中村天風 一日一話』  中村天風財団[編]


私の周囲にも、師匠をはじめお手本となる方々がたくさんおられます。有難いことです。まず自分が実践しないとね。今日も情熱燃やして、エンジン全開でいくぞいね

介護や、超高齢化時代な~んて、メディアでは暗い情報が漂っていますが、それを解決する手段は自分自身のなかにあるんでしょうね。心は若いころとなんら変わっておらず、年齢を重ねれば重ねるほど、逆に多くの経験をして熟成されているのですから

心が熟成されて、おいしい味噌ができれば、生理的に、暦的にどれだけ年齢を重ねようが、まったく問題ないですね 逆に熟成されて、なんとも表現できない、美味しくて、味わい深い熟成された人間という味噌が出来上がることでしょう~

二葉鍼灸療院 田中良和
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食事において考えなければならないこと(五思) 貝原益軒 養生訓より

2010年01月26日 | 食の智恵
生命(先天の元気)は、天地父母より与えられ授かり、自分という存在が「今ここ」に存在しています、その生命を、天寿を全うし死するその日まで、養うのが、鼻から吸い込み、肺でガス交換され、体の隅々にまだ運ばれている大気(酸素など)の気(宗気)であり、口から入り、胃で消化され、小腸で分解・転換・吸収され、体の組成や新陳代謝、エネルギー産生に関わる飲食物による気(営気)です。

飲食物による栄養は、人間が生きていくには欠かすことのできないエネルギー源であることはよくご存知だと思います。

貝原益軒は『養生訓』において、食事をする際の心構え、考えておくべきことを五つ「五思」という形で表現されています。

【一つ】この食は誰から与えられたかを思わなければならない。幼い時は父によって与えられ、年が長じてからは殿様からの禄によるのである。このことを忘却してはいけない。またある場合には、君主や父からではなく、兄弟、親族、あるいは他人から養われることもあろう。これもまたその食を与えてくださった人を思って、その恵みを忘れてはならない。農工商の自力で飲食する者もまた国の恩恵を思わなければならない。

成人前は両親により養って頂いています。その後は、会社に勤め、働くことにより、会社から、あるいは社長さんから、自営の人はお客様から直接報酬をもらうことによって、毎日の食事にありつけるわけです。そこを忘れてはいけませんよね。
日本は、どこに行っても飲食店はあり、コンビニがあり、ファミレスがあり、スーパーには所せましと食品が並んでいます。物質の量ではたいへん恵まれた食生活をしています。そんな状況に置かれている今の日本、日本人だからこそ、誰から与えられた食なのかという根源的な感謝の念を感じることが、より大切になってくるのでしょう。

皆それぞれ環境が違うので、各々が自分の立場で想うことが必要なのだと感じます。

【二つ】この食は農民の苦労によって作り出されたことを思わなければならない。忘却してはならない。自分で耕作しないで、安楽にしていながら養いを受けることができる。その楽しみを思わなければならない。

自分が畑や田んぼ仕事、あるいは、漁業や畜産業をせずに、自分の好きなことや、仕事をさせてもらい、それでいて美味しい食事ができるということが、どんなに有難いことか忘れてはいけないことでしょう。その意識や感謝が持てれば、食品を残したり、捨てたり、ということは簡単にはできないでしょう。

日本は、60%以上の食物を外国からの輸入に頼っています。世界の農業や魚業や畜産業に関わる人たちが、私たちの食事を支えていてくれることを、日本人は広い視野と、広い感謝をもって感じなければいけません。そして、日本は輸入した食品の実に3分の1を廃棄しているのです

【三つ】自分には才能も備わった徳もなく、さらには正しい行いもなく、君主を助け、人民を治める功労もないのに、こうしたおいしいものを食べることができるのは、ひどく幸せであると思わなければならない。

常に謙虚であれということでしょうか。物質文明を享受しているのは世界の人口の3分の1であり、その中でも貧富の差が生まれています。日本という国は、そのような自分の作った食物を食べることができない、発展途上国の人々の上に食生活が成り立っていることを想わなければいけません。けっして現状が”当たり前”なのではありません。

食べることができることに感謝 この一口のごはんに感謝と幸せ なのです。

【四つ】世間には自分より貧しい人が多い。その貧乏な人々は糟(かす)や糠(ぬか)でも有難く食べている。ときにはそれすら食べられずに飢え死する者もいる。自分は上等なおいしい食事を十分に食べて飢餓の心配はない。これは大きな幸福というべきであろう。

この言葉は、先ほども述べたような世界の現実を表しています。現在、地震や洪水、干ばつと、世界の環境が著しく変化しています。環境破壊は進んでいます(各国が訴えている地球温暖化には疑問点が多いのですが…)。いつ日本も世界からの食物輸入がストップするかもしれません。これは数十年、数百年後、あるいは環境の大激変があれば、「飢餓」は、近未来の日本に起こる出来事かもしれません。

ですから、今の日本人は、日常の食生活に心から感謝して、心から「いただきま~す」と言うことが大切なのです。

【五つ】大昔はまだ五穀(米・麦・粟・豆・黍)はどれず、草木の実と根や葉を食べながら飢えをまぬがれていた。その後、ようやく五穀がとれるようになっても、まだ火を用いて食物を調理する方法を知らなかった。釜や蒸籠もなく、食べ物を煮て食べなかった。生でかんで食べたので、胃腸をそこなうこともあったろう。
今は白いご飯をやわらかく煮て、十分に食べ、しかも吸物があり、惣菜があって朝夕の二回にわたって十分に食べている。そのうえ酒があって心を楽しませ、気血を助けている。

朝食や夕食をするたびに、この五思の中の一つでも二つでもよいから、かわるがわる思い起こして忘れてはならない。そうすれば、日々の楽しさも、またその中にあることに気づくであろう。


現代の日本が置かれている食生活の現状を「有難いもの」とまず認識することが大切なのでしょう。日本にいながらにして世界各国の料理を食べることができるのですから。これが人間の身体にとっていいことなのか、悪いことなのかは、今は置いておき、まず現状に感謝することから始めることが肝心なのでしょう。

いろいろな技術革新があり、現代の豊食…飽食…日本が支えられています。おかげで1億2千万人が飢え死にせずに、社会生活を営んでいるわけです。

また、帯津三敬病院(帯津良一 名誉院長)で管理栄養士として患者さんの指導にあたり、人間本来の食の在り方を説いている、幕内秀夫さんは、著書の中で
『私には、現代の食生活が「五無の食生活」のように思えてなりません。「五無」とは「無国籍」「無地方」「無季節」「無家庭」「無安全」という意味です。食生活に国籍がなくなり、地方がなくなり、季節がなくなり、家庭の味がなくなり、安全性がなくなっています。このような食生活が、本当に豊かと言えるのでしょうか。まさに今、そのことが問われはじめているのではないでしょうか。私が提唱する「粗食」とは、けっして「貧しい食事」と言った意味ではありません。むしろその逆で、「日本の豊かな風土から生まれた豊かな食生活」のことなのです』

と書かれています。

そのような現代食生活の危険な点もみつめながら、貝原益軒さんの「五思」も頭にいれつつ、毎日の食事に臨みたいものですね 

二葉鍼灸療院 田中良和
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1月 酔耀会(勉強会)

2010年01月25日 | 酔耀会(すいようかい)
1月20日(水)、大寒だけど温かい日でした。午後8時半から午前1時前、またまた皆さん熱心に勉強しました。1ヶ月の臨床でのことや、業界のことなど、深夜まで話が尽きませんでしたね。

☆内 容

・左下肢痛の一症例(症例報告)
 【石田先生】
酔耀会に参加して早々ですが、左ふくらはぎの痛み(肉離れ)を訴えて来院された患者への症例報告をして頂きました。ミニバスケをやっている40歳の男性の症例でした。バスケの途中、ジャンプした時に傷め、近所の接骨院へ3回ほど通院。良くはなってきているが、もう少し改善したいとのことで鍼灸治療を求めてご来院されたようです。腰痛もあったので、その治療と、ふくらはぎへの治療(1回)を行ったところ、安静時の痛みは消え、足を着地した時や歩行時に痛みがまだ残るまで改善しました。来院した時には熱感がなく、逆に冷えと痛覚過敏があり、相応に処置をした。自分が行った鍼灸治療や治療計画は適切であったか、もっと効果を出し患者の苦痛を取り除くことができなかったか、と考察されていました。初回で、これだけ効果が出ればいいんじゃないかと思いますが、向上心をもって臨床に臨むことは大事なことだと思います。また、逆に鍼灸治療で効果が出たが、それが本当に鍼灸治療による効果であったのか、常に考察する謙虚さが鍼灸師には必要だと思うのです。

・筋筋膜性疼痛への鍼灸治療~トリガーポイント療法のヒント~
 【豊島先生】
トリガーポイントについて、今までの復習を行い、痛みの患者に対し、様々な徒手検査で鑑別を行った後、一つの原因・所在追求(痛みの)の手段としてトリガーポイントという考え方、捉え方が大切だということの話でした。「痛みがある場所に痛みの原因があることは少ない」「どこが痛いかではなく、どう動かしたら痛いかが重要」などのワンポイント考察があり、今回は”日頃なにげなく患者さまがとっている姿勢”に注目し、トリガーポイントの痛みの考え方(短縮痛)で捉えると、座っている、寝ている、立っている時の「いつもの姿勢」において、どこの筋肉を伸ばした姿勢をとっているか観察することにより、トリガーポイントのおおまかな場所の把握がでるというものでした。これ、よくよく意識してみると、面白いのです。これがすべてではありませんが、疼痛疾患を多く扱う鍼灸マッサージ治療院では、知識として必要な考え方なのです。

・胸郭出口症候群が疑われた一症例(症例報告)
 【粟 先生】
前回、行った症例報告をさらに詳細に検討。これは来月の加賀・三策塾で症例報告として発表して頂くので、その前の前座として、酔耀会にて検討しました。しっかり鑑別も行っているが、ここが原因だ!というようなはっきりした原因が見当たらないため、質問のしどころ満載の症例報告でした。ただイメージだけで鍼やマッサージをするのではなく、「ここは、こういう目的で治療穴を選ぶ、治療場所を選ぶ」ということを意識して粟先生は治療しているので、発展的な質疑応答ができるでしょう。勉強してあるとできるんですよね、発展的な市議応答が。日々の臨床の「今」ここの判断力を養うためにも、このような症例検討会は重要なのです。来月の三策塾にはいい発表ができると思います。


・ガン治療の現状から鍼灸医療を含めた代替医療の流れを考える
 【田中良和】
現在、日本ではガン患者、死亡率ともに増加しています。また今後もさらに増加すると予測されています。しかし欧米、とくにアメリカでは1990年以降、ガン患者、死亡率ともに減少しています。アメリカがガン治療で歩んできた歴史をみていき、そこから、なぜ日本のガン患者が減らないのか考えてみました。また、そのアメリカでのガン医療を巡る流れから、代替医療に関する取り組みや政策をみていき、日本の代替医療の現状、厚生労働省の動き、そこから私たち鍼灸マッサージ師は、どこをみて、何を「今」やっておかねばならないかなど、ガン治療から代替医療、鍼灸医療までを少し考察してみました。


毎月、メンバーの皆の心意気が高く、そして、貪欲に学ぶ姿勢が出てきていると思います。それぞれの立場で、何でも質問し、何でも言い合う、これが酔耀会のいいとこなんですよね。

私も遅れをとってはいけませんので、志を高く保ち、鍼灸治療で一人でも多くの方々を健康に導けるように勉強していこう と、いつも酔耀会に出席して思うので~す。

”しっかりと志を立てて、これを達成しようと求めるならば、薪を運び水を運ぶといった日常の平凡な行動の中にも学ぶべきものがある。ましてや書物を読んで物事の道理を求めようとするのであれば、なおさらそうである。
志が立っていなければ、一日中読書をしたとしても、それは単なる暇つぶしにしかならない。それゆえに、学問しようとするなら、まず志を立てるより大切なことはない。(言四志録)”

志を立てて、次回も楽しく、実践に活かせる勉強をしていきます 

二葉鍼灸療院 田中良和
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小沢一郎 民主党幹事長 一連の出来事

2010年01月23日 | 社会
連日、報道は小沢幹事長と鳩山首相の、お金をめぐる問題を大々的に報じています。

なぜ国民は鳩山民主党政権を望んだのでしょうか

石川議員が小沢幹事長の秘書であった時のお金の問題にしても、国民は報道で強調されている事柄だけでなく、ところどころに綻びが出てくる矛盾点をしっかり見て、物事の真実を見つめなければ、取り返しのつかない失態になるのではと感じます。

石川議員は国会議員であり、北海道で地域の国民に選ばれた国会議員です。それも、日本のこと愛し考えていたが、大きな力にはめられ再起を図らざるを得なかった(無念にも亡くなられた)中川昭一さんを退けての当選です。人柄も良く、これからを担う政治家だという話も聞いています。

その国会議員を、帳簿のどこの部分が誤りであり、どことどこが違反しているのか、その説明もないまま、国民に選ばれた国会議員を国会開会の3日前に検察は逮捕しました。これだけ考えてもおかしいと思うのです。はっきりした違反箇所を示さないままです。

小沢さんの4億円にしても、最初は収支報告書への記載がされていないということでしたが、サンデープロジェクトで記載の事実が発覚すると、今度は虚偽記載が問題にされ、それに石川議員が関わっていたということです。おかしな話ですよね。

さっと見ても現在の報道には矛盾点がたくさんあります。そんな基本的な問題を無視して、”小沢VS検察”など問題を何か違う方向にそらそうとしているんではないかということを感じるのです。

確かに庶民と、政治家などとの金銭感覚は違うのだろうと思います。が、政治活動もお金がないとやっていけないのも事実です。いろんなことを考えて情報を判断しないといけないでしょうね。

政治や経済は動いています。変化して流れています。それも長い歴史の中で。そして、日本だけでなく、世界と連動して、世界の動きとともに動いています。また、国民レベルでも貧困層から富裕層まで、幅を持って流れ、それぞれに影響を受けています。政治と経済、日本と世界もお互い影響しあっています、そして私たちが意識している目に見える、耳で聞こえる情報とは別の、目に見えない、耳を澄ましてもなかなか聞こえない情報も多くあるのです。

世界でも、日本でも、その差がなくなり、自分が心の眼を開いて、心を素直に、それらの情報をを求めれば、今まで知りえなかった情報が入ってくる時代になってきています。

嘘を隠し通せる時代、自分さえよければいい時代、は終焉目前まで来ていると感じます。

現在、検察や報道各社が歩調を合わせて行っている「小沢・鳩山民主党政権つぶし」、それは複雑で深い繋がりの中で行われているのでしょう。それが、自然の流れとして行われるべくして、行われているとしたら、国民が事の真実を直視し判断することが大切なのでしょう。これが社会的に熟成された国民になる試練なのかもしれないと思うのです。

すべての出来事は自分に繋がり、世界に繋がっています。
それは大自然(大宇宙)と人間(小宇宙)との繋がりとでもいいましょうか。

単純に表面的にだけ見るのではなく、一つのことを深く視る目を養うために「今」この小沢・鳩山政権に関する一連の出来事において真実を視ていかなければいけない時だと思います。

真実をみつめましょう 

二葉鍼灸療院 田中良和
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心がすべてを感じる源

2010年01月23日 | 言葉のちから 心のちから
世の中を視ていると、暗いニュースばかりですね。ニュースは視ないほうがいいのかもしれません。視るときは心の眼も開いて視ておかないと、自分が暗い空気に引き込まれていってしまいますね。

≪さてお互いの人生、いかに価値高く生きるか、という問題ですが、まず皆さん方、間違った考えをしていないかということです。つまり、自分の人生を価値高く活かすには、物質的に価値の高いものに恵まれなきゃ、自分というものを価値高く活かせないんじゃないかって思ってやしない?

自分の人生を価値高く活かすには、なにも、物質的なものに恵まれなきゃ、価値高く生きられないものじゃないんですぜ。

ところが、現代の人々は幸か不幸か、物質文化の時代に生まれている関係上、ただ目に見える物質的なものばかり大事にしてますよ。
生命というものを考える時にも、ただ、目に見える肉体さえ大事にしておれば、これ以外に生命はないように考えている人がだんぜん多いですよ。とかく現代人は、心の重大性というものを正しく認識していません。

ただ、目に見える肉体さえ大事にしておれば、なんていう考え方は、愚かな考え方ですけども、それを愚かとは思っていない。それがために忘れてはならない心の重大性が、とかく忘れられてしまってますよ。

それが嘘でない事実は、こういうことを考えてみてもわかるでしょう。

朝、目が覚める。一番先に何を考えますか?
心を考えるか、肉体を考えるか。たいてい肉体ですよ。
今日は仕事が終わったら、なにしてやろうとか、どこへ行こうとか、何を喰おうとか、何して遊ぼうとか考えていない?

今日一日、どんなことがあっても腹を立てまい、批判もしないぞ、気持も体も、できるだけイキイキとして勇ましく働くぞ、というような気持ちを持っている方がおられますか?

おられても一人か二人でしょう。それとも、ここにお集まりの皆さん方は偉いから違うかもしれませんな。よそじゃ、みんな「あれ喰おう、何喰おう」って人ばかりですがね…。(笑)

人生は何よりも一番先に、まず考えなければならないのは、心なんです。なぜかというと、月を見ても、花を見ても、仕事しても、遊ぶのでも、すべてそれを心が認識すればこその生き甲斐でしょう。

おわかりになりませんか。麻雀した、トランプした、面白いなあと思うのは、みんな心でしょう。おいしいものを食べて「ああ、おいしかった」と思うのも心で、肉体ではないでしょう。肉体が味わう感覚を、意識の中に思い浮かべるのは心の働きなんです。

うれしいのも、楽しいのも、辛いのも、悲しいのも、みんな心なんです。だから、もしも、人間に心がなかったらどうなるだろうか、ということを考えてごらんなさい。

人間に心がなかったら、よしんば万物の霊長として、秀れた働く肉体を与えられてあろうとも、それは庭のなかの石ころと同じになってしまうんですよ。

『君に成功を贈る』 中村天風 著


医学に通じ、ヨーガを体得し、波瀾万丈な人生を送られた中村天風さんの言葉には、日々の生活を送るなかでハッと気づかされることが多いです。

心はどこにあるのか、私は人間をつくる細胞の約60兆すべてにあると感じます。それを統合するのが脳であるんではないかと思います。

どうせ、一日を過ごすなら、心は、楽しく 嬉しく ありがたく 喜んで あたたかく 過ごしたいものです。そうすれば、自分に起こるすべての出来事に、不平不満なく対応できるのではないかと思うのです。

今日もまた、笑顔でたやさず、心が充実した一日を過ごしていきたいですね 

二葉鍼灸療院 田中良和
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金沢市・石川県鍼灸マッサージ師会 理事会でした

2010年01月22日 | 鍼灸
1月17日(日)、午前10時から12時、金沢市鍼灸マッサージ師会の理事会、午後1時30分から午後4時が(社)石川県鍼灸マッサージ師会の理事会でした。

今年も何やら休みの日はほとんど予定が埋まりそうな感じです。業界の行事や講習会、学会、それに、星稜野球部や少年野球も観にいくと……時間を有効に使わないといかんな~と思うのでした。

県の理事会では、今年も大きな行事がたくさんあるので様々な議題が検討されました。

その中の全鍼師会の全国大会を今年、石川県でやるわけですが、これに関して、地方が中心となって行おうとする情熱あふれる石川県の先生方と、今まで通りでいきましょ~よ、という本部側との意志の違いがあり、少し盛り上がりに水が差されたような感じでした。

これまでは本部がすべて計画から内容まで決めてやってきたわけですが、年々同じことを繰り返しマンネリ化し学ぶべきものが少なくなってきていました。それを昨年の北海道大会で感じた視察に参加した先生方が中心となり、学術面を重視し、臨床の糧となる大会にしようと、地方から計画・内容を立案して提案したわけです。金沢で2回の全日本鍼灸学会が行われた下地と、学ぶ姿勢や危機感を持った先生が多いということですね。

この話の中で、若い先生方からは、「せっかくお金を使って、勉強しに大会へ行くのに、旅行がどうの、料理がどうの、と話している時点で、観点が違うのでは?」「本部のそのような姿勢では、この業界自体に不安を感じる」「石川提案が事実上否決されたとしても、もう一回交渉してもらいたい」など熱い意見が多かったです。

そーですよね。お祭りでも、どんな行事でも、スタッフとして動く人に意欲や情熱、目標を達成する信念がないと成功しないものです。

この業界もいろんな人がいます。いろんな思いで仕事しています。いろんな環境で仕事をしています。でも、共通の目的は、”患者さまのため”ということです。業界は、仕事を行う上での制度上の改善や、様々なリスクマネージメント、経営をしていく上での鍼灸マッサージ師の立場の向上を行うのが目的です。ですから、いろんな目的の人がいていいのだと感じますね。

業界の意見をまとめるなんてことは無理じゃないかなと思います。今、政治・経済は変化の時にあります。それも日本だけでなく、グローバルに世界的にです。今年はその大きな変化が訪れる可能性もあります。経営をしていくには、それを見据えていかなければいけません。もう一度大きな経済的変化が来れば、鍼灸マッサージ業界にも今より大きい影響があるでしょう。

その時に、今から(今からでは遅いのかも)備えておかなければいけません。医療を行っているのに、鍼灸の学術団体に入らない人が多いこと自体が?????のことだと感じます。業界(業団)に入るのは仕事を行う以上、大切ですが、もっと大切なことは、学ぶ姿勢を常に持つこと、学術団体に最低でも入って学会に参加することだと思うのです。

これは医療を行う者としては当たり前のことなんですから。鍼灸学校にいるときから教育する必要がありますね。 してるのかな

話はそれましたが、要は最後に残るのは、患者さまのために学ぶ姿勢を常に持ち、自分の内にある畑を耕し、肥料(有機肥料)をやり、種を蒔いている人なのです。収獲だけ得ようと思っても無理なんですからね。

いろいろな同業者の人と話したり、会議をしたりすると、いつもそんなことを思うのです。自分もまだまだ磨きをかけていかないといけませんが、業界全体がもっと遠くをを見つめて、自分たちの立場に気づいてほしいと願うのでした~。

おしまい 

二葉鍼灸療院 田中良和
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不妊症と鍼灸治療

2010年01月21日 | 不妊症
不妊症のために鍼灸治療を求め鍼灸院に来院される方が増えています。当院においては西洋医学的治療(人工授精〈AIH〉・体外受精-胚移植〈IVF-ET〉・顕微授精〈ICSI〉など)を一定期間行っているにも関わらず、良い結果が得られない人がほとんどです。

また、高度生殖器医療を受け身体に様々な不調を訴え、西洋医学的治療を一時中断している時期に、何か自分で体調を良くして、赤ちゃんができやすい身体になる方法はないだろうかと調べられ、ご来院される方もおられます。

結婚が遅く(旦那様やご自身の年齢が心配)、卵巣や子宮(精巣)など生殖機能の衰えを心配してご来院される方もおられます。

一人目のお子さまは無事授かったけれども、二人目がなかなかできないという方もご来院されます。

奥様(女性)の治療がほとんどですが、ご主人様も治療されている方もおられます。男性が原因の不妊症は約4割~5割をも占めるまでになってきました。ご夫婦がお互い元気であれば、精子も卵子も子宮内膜も元気になるというものです。お子さまは一人ではできませんからね

本格的に西洋医学的な不妊治療を始める前に、身体づくりとして、体調を少しでもよくして不妊専門病院の治療に臨もう!とご来院される方もおられます。

様々な環境、様々な条件、皆様おかれている状況は違いますが、目的は一つです。『赤ちゃんがほしい』ということです。鍼灸治療は万能治療ではありませんが、鍼灸刺激を通し身体に適度な刺激を与えることによって、自律神経系や免疫系、内分泌系(ホルモン)などが調整され、血流を促し、身体自身が新陳代謝を促進し、生体防御能力を高め、人間の身体に張り巡らされている自然修復能力(自然治癒力)を活性化するお手伝いができる治療方法です。

≪当院の不妊症の治療方法≫
①問 診:不妊治療歴や生活状態、月経周期や月経状態、旦那様の体調、不妊症以外の身体の状態など、お話をお聞きして、何を目標として治療を行うかなど相談させて頂きます。不妊治療歴などを初診の際にお書きになって持ってきて頂くと問診がスムーズに進みます。

②診 察:お腹の状態、脈の状態、姿勢、皮膚の状態、など身体を総合的に診ていきます。

③治 療:(1)生体機構制御療法(太極療法) 鍼による全身の調整を目的とした治療が基本治療となり
       ます。
      (2)バランス調整の補助として手足の経穴(ツボ)へ鍼を打ちます(必要な場合)。
      (3)頸肩背腰部の超音波治療により、細胞レベルでの活性化、微小循環改善の補助を行いま
       す。
      (4)仙骨部、臍周囲へ電子温灸器により、骨盤内、腹部の血流循環促進を行います。
      (5)(1)の治療効果をさらに高めるため、足の経穴(ツボ)に鍼を行い、心地よいパルス通電を行
       います。
      (6)円皮鍼(必要な場合、手足合わせて4か所ほどに円皮鍼を行います)


初診時は1時間から1時間20分ほど、次回からからは40分ほどの治療時間となります。(予約ではありませんので、少しお待ちいただく場合があります。ごめんなさい

○上記のような治療方法を、患者様に適した方法を探りながら、週2回(最低でも週1回)の治療間隔で行います。
○まず、3か月はこの間隔で通院いただき、体質を改善していきます。身体を構築するタンパク質は3カ月で90%ほど入れ替わります。また、臨床的にも3カ月が一つの目安となります。
○3か月が経過すると、鍼灸刺激により生体の調整が自然に行われます。その証拠に体調が良くなってきます。生理痛、頭痛、腰痛、イライラ、便秘、冷え、消化不良など胃腸の症状、など不妊症とは一見関係のない症状(不定愁訴など)が改善されます。これが実は大切なことでもあります。
○当院の治療は、生体の統合的制御機構(身体に張り巡らされている恒常性維持や自然治癒力・修復力など、身体を正常な方向に維持する働き)を活性化する治療を基本に行います。
 受精-妊娠は卵巣と子宮で行われるわけですが、これらは多くのホルモンの作用を受けて働いているのはご存知だと思います。その指令を出すのが脳にある視床下部であり、視床下部は血液の中のホルモンの量を察知して、脳下垂体(前葉)にホルモンを出させるようにホルモンを放出します。脳下垂体からは、卵巣へホルモンを放出し、卵巣や子宮に刺激を与えます。こうして月経周期が成り立っています。
 月経周期や妊娠にしても必ず脳機能が関わってきます。脳は先端科学により様々なことがわかってきましたが、未だわからないことのほうが多いようです。視床下部より上位には大脳辺縁系の他の部分、大脳基底核、大脳新皮質と、生命維持機能に関わる脳幹など、さらに人間としての複雑な機能が搭載されています。
 鍼灸治療は必ず脳機能に影響を及ぼしています。視床下部-脳下垂体-卵巣・子宮さらには、大脳新皮質や大脳基底核、辺縁系などにある脳内モノアミン(セロトニン・ノルアドレナリン・ドーパミン・グルタミン酸・GABAなど)などの調整など、広い観点から身体を診て治療いたしております。骨盤腔内や腹部の血液循環改善や仙骨や腹部の副交感神経系などの活性化など、末梢レベルも視野に入れることはもちろんです。
 また、視床下部や脳下垂体というところは副腎とも内分泌としての繋がりがあります。副腎からは身体のミネラル分を調節したり、糖分を調節したりするステロイドホルモンや、興奮したときにアドレナリンを分泌する重要な器官です。ストレスが常にかかり慢性化すると、副腎皮質からコルチゾールという物質が出され、身体が常に緊張状態となります。鍼灸治療で副交感神経が優位になれば、ストレスが軽減され、視床下部や脳下垂体の働きも良くなるということです。
 故に、脳機能から身体の末梢まで考慮した治療方法は、身体の自律神経系、免疫系、内分泌系の自然治癒力を高め、身体が自然に調整されます。それは今までの体質を改善し、赤ちゃんができやすい身体(脳、卵巣、子宮)づくりになると考えられます。

④日常生活
 (1)適度に身体を動かしましょう。本来の人間の姿は太陽とともに活動します。運動の効果は多く証明されています。
 (2)食事はバランス良くとりましょう。基本は和食です。特に日本人が足りない、ビタミン・ミネラル・食物繊維を十分にとりましょう。緑黄色野菜、根野菜、海草、果物、大豆、イモ類・穀物(できれば胚芽米・玄米・全粒粉小麦・粟・ひえ など)、発酵食品など。よく噛んで食べましょう。冷たい食べ物は控えめに。
 (3)睡眠は十分にとりましょう。8時間眠ることができればベスト。
 (4)心を安らかに保ちましょう。感情(怒など)を出してもいいですができるだけ短めに。楽しいこと、感謝の気持ち、温かいこと、うれしくなるような心の状態を心がけかましょう。
 (5)身体を冷やさないようにしましょう。
 (6)大きな呼吸(深呼吸・腹式呼吸)を心がけて行いましょう。呼吸は鼻で行いましょう。のどの扁桃は重要な免疫器官です。口で呼吸をすると、ここが乾燥し免疫力が低下したり、内分泌系に悪影響を及ぼします。
 (7)今、自分が存在することに感謝しましょう。そこから始まります。


治療期間は人それぞれであり、いつ妊娠できるかは科学でも解明されていません。

・昨年7月に出産された方は、1か月の治療で妊娠しました。年賀状には元気なお子さまの姿が写っていました。
・今年2月出産予定の方は、7か月の治療で妊娠されました。つわりの治療にもお見えになり、母子ともに健康だということでした。
・昨年9月に妊娠された方は、9か月の治療で妊娠されました。順調にいけば今年ご出産されます。
・今年の年末、胚移植をされた方は、2年2カ月と長期にわたり治療に来院され、今年、めでたく妊娠されました。遠方からの来院でしたので、本当によかったと思います。
・お二人目のお子さまが欲しくて来院されていた方は、3か月ほどの治療で来院されなくなり、どうしただろうかと思っていたところ、年賀状にて「鍼の効果もあり、双子を昨年12月に出産しました!」とご報告がありました。

昨年から、今年にかけての嬉しい報告ですが、治療期間は人それぞれ違ってきます。ただ言えることは、鍼灸治療は身体に良好な刺激を与えるとしても、けっして悪くなることはないということです。
自然妊娠を目的として、人工授精や顕微授精を併用して、どんな場合でも鍼灸治療は行っていけないことはありません。目的達成のための強い味方になると考えます。鍼灸治療の臨床研究や、鍼灸治療の不妊症に対する効果に関しては、東洋医学研究所グループの不妊症専門で治療されている 鈴木裕明 先生のHPをご参照ください。

 ≪空の上にはこんな小さい子どもがいっぱいいて、
   これくらいの大きい人がおせわしてくれてて
   小さい子たちは空の上から見てて、あの家にするっておりていくんだ。
   で、ぼくもおかあさんのいるところに決めたんだ。
   その時は、なっちゃん(妹)に会えなかったけど、
   きっとなっちゃんも
   ぼくとおとうさんとおかあさんがいるおうちに決めたからきたんだよ。

      まきあつしくん/3歳ころ

   (3~6歳の間、おなかの中のこと、おなかに来る前のことをよく話してくれた中の一つ)

    『ママの おなかを えらんできたよ。』  池川 明 著


不妊症に限らず、当院とご縁のあった患者様には、心をこめて治療させていただきます。
一緒にがんばりましょう 

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ④

2010年01月19日 | 癌(ガン)
アメリカでは、ガン治療をめぐる長い葛藤の中、ガン治療に対する捉え方が市民、国ともに変化してきます。最後にその辺りをみていきたいと思います。

病気にかかると現代医療にまずかかる。というのは日本でも考えることなくそうする方が多いと思います。アメリカでは、医療の大きな変化の中、どのような状態にあるのでしょうか。アメリカでは毎年、国民全体が治療を受けた医療機関、医療費などの内容を調査しています。

≪現代西洋医学の側から代替医療が注目され始めたのは、1990年にアメリカで行われた研究がきっかけであった。実に42.1%にものぼるアメリカ人が代替医療を利用しているという調査結果が発表され、医学界に衝撃を与えたのだ。
アメリカにおける代替医療の利用者数は、90年には6000万人であったが、97年には8300万人と38%も急増した。医療機関を訪れる回数に関しても、大きな変化がみられている。現代西洋医学を行う病院や医院への受診回数は、90年から97年にかけては、ほぼ横ばいあった。一方、同じ時期に代替医療への受診回数は大きく増加した(『代替医療』 蒲原聖可 著 中公新書)≫


アメリカの医療界に大きな地殻変動が起きたわけです。国民も様々な情報や真実を知り、より自分にあった、身体に優しい、本来の人間のあるべき姿に戻す医療を選択していったということでしょう。
西洋医学が得意である分野は西洋医学へ、東洋医学を含めた代替医療で信用があり、それにより身体が回復に向かう分野に関しては代替医療へと、国民が自らの意思で選択できるような流れになってきたんだろうと思います。

しかし、アメリカの場合は日本のような公的保険制度とは違い、あくまでも民間の保険会社が医療の分野ではほとんどのシェアを占めます。現在でも医療保険を受けられない、いわゆる貧困層が4800万人もいるとされていますので、そのあたりも考えておかなければならないかもしれません(余談ですが…)。

≪めざましいばかりの代替医療の台頭です。さらにそれを決定的にしたのが1992年でした。この年、アメリカの国民が代替医療に費やした年間費用が、通常医療の病院に支払ったそれを初めて上回ったのです。何であれ、科学的な証明を重視する実証主義的傾向の強いのがアメリカ人です。そのアメリカ人たちが、それまでの現代西洋医学側から、”非科学的”と排斥されていた代替医療へと、自ら選択の方向を変えたわけです。

こうした流れを受け、同じ92年にアメリカ政府もまた画期的な一歩を踏み出しました。日本の厚生労働省にあたるNIH(国立衛生研究所)に「代替医療部」が初めて設置されたのです。そして、それが国立ガン研究所(NCI)などと同格の国家機関である「国立補完代替医療センター」(NCCAM)に昇格しました。この点について、前出の森山氏はその著書の中でこう記しています。

〈この代替医療部は、それぞれの代替療法の有効性を研究し、評価に値するものに対して支援を送ることを目的に設置されました。これまでハーバード大学、カリフォルニア大学、スタンフォード大学など全米13か所の大学や研究所に個別のテーマを振り分け、さまざまな代替療法の検証と推進に力を入れるなど、積極的な活動を行っています。
1992年当初の予算は300万ドルでしたが、2001年には8600万ドルまで増額。2002~2004年は2億ドルに増額する計画が決まっています。…中略…
アメリカは今や官民一体となった、”代替療法先進国”であり、通常療法一辺倒の西洋型医療だけでなく、代替医療を取り入れ「統合医療」への道を歩み始めているのです。〉

こうして見てくると、なぜアメリカでガンの罹患率も死亡率も低下してきたのか、よくおわかり頂けたと思います。しかし、先ほども少し触れたように、アメリカも決して一朝一夕でそうなったわけではありません。現代西洋医学(通常医療)と代替医療との長い闘いの歴史を経ています。≫


アメリカでは現在、莫大な予算で鍼治療を含めた代替医療の研究(検証)がなされています。アメリカの経済は日本よりも厳しい状況下にあり、また、今まで超エリートである知識層が富を築きあげ、貧富の差たるや日本の比ではありません。その人たちが富を築いたから、このような研究もできたことなのかもしれませんが、知識人だけで国が成り立っているわけではありません(おっと、また余談になりました~)。

ガン治療から始まった医療の取り組みは、アメリカの医療を変化させ、人々がより良い医療を受けることができるように長い時間をかけて熟成されてきました。患者中心の医療であり、一人一人にあったオーダーメードの医療ができる基盤が官民ともに出来あがってきたということでしょうか。

鍼灸治療をみると、アメリカの場合は鍼治療が主であり灸治療はほとんど行われていないようです。また、ほとんどが日本式ではなく、中国式の鍼の方法で行い研究されてきています。でも、最近は、日本の繊細で、痛みがなく、浅い鍼も見直されてきているようです。また、欧米の場合では、医師あるいは、医師と同じくらいの教育を受け認定された者が鍼を打ちます。

日本では、近年、鍼灸を含めた代替医療の研究が各大学において研究されており、厚生労働省や文部科学省もそれに助成をしています。日本代替医療学会でも国より援助をもらい代替医療の仕分けのためかどうか分かりませんが研究、検証が行われています。昨年11月には厚生労働省の主導で、東京女子医大の大野准教授のもと、がんに関する代替医療の研究が3年計画で結果を出す目的でプロジェクトが進行中です。東洋医学や鍼灸医学の評価方法の研究などもなされています。

アメリカから、あるいは、日本の代替医療を含めた鍼灸医療の流れをみると、私たち(鍼灸師)が生き残っていくためには何をしなければいけないか考える時期なんだろうと感じます。本当に、事業仕分けではありませんが、国家資格のある鍼灸師にも仕分けや振り分けのされる時代がやってきて、保険や様々な分野での立場に差別化が行われる可能性もあるのかなと考えます。
その差別化の基準は、常に学会などの学術大会に参加し、あるいは業団の講習会に出て自己研鑽をして、自己の鍼灸師としての資質を向上させているかどうかだと思います。学術、技能、あるいは人間性と常に勉強する姿勢が重要なのだと感じます。そして洋の東西を問わず、自分が足らない医学的知識を常に吸収していくことが、来るべき医療あるいは鍼灸界の変革の時に、慌てず、余裕をもって、自分の生活を積極的に守るために必要な条件ではなかろうかと思うのです。

”諸行無常のひびきあり”なんて昔から言われています。人間の身体も、社会も、地球も、宇宙も常に変化しています。それが常です。今まで見てきたガン治療もそうですが、今の現実、そして本来そうあるべき姿や真実を把握し、次の段階へ常に成長していくことが人間の使命であるとも感じます。ガン治療もこれから変化するでしょう。医療界も、鍼灸界も変化するでしょう。そして国民の皆様が本当のこと(真実)を知り行動する時も来るでしょう。

その時に、残るのは未来を見据え、努力の種をたくさん蒔いた人でしょう。そこに芽が出て、葉が生い茂り、綺麗な花が咲くのだと思います。それが、どの世界においても”本物”になるために必要なことだと思いますね。

「ガン治療」というテーマからいろいろ考えてみました。日本のガンが減らない理由の大きな要因が分かって頂けたかと思います。現代西洋医学を批判しているのではありません。医療は人間の身体を扱います。人間の身体も自然の一部です。大自然は人間が創造(想像)する事柄に関係なく、ただ大自然(宇宙)の法則にしたがって淡々と現象が現れてきます、それが真実なのだと思います。その真実に従うことが医療の本来の姿であり、無理のない、心と体に優しい医療だと感じます。それが病氣にならない、健康な人生の実現に繋がっていくのでしょう

「なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか?」、少し気合いが入り①~④と長くなってしまいました。 最後までお読み頂きましてありがとうございます。

これからも”ガン”に関してはしっかり勉強していきたいと思っております 

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体の中にある」 真柄俊一 著

二葉鍼灸療院 田中良和
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ムダな努力なんてない!

2010年01月19日 | 言葉のちから 心のちから
この人生は幸せになるためにあり、幸せは自分の内から生まれてくるものです。世の中の表面的なところばかり見ていると、暗~~い面ばかりが強調されていますがね

≪かつて人間は、相当な努力や年月を積み重ねないと自分が望むものを手に入れることができませんでした。手に入れるための手順、手続き、年月、辛抱がどうしても必要でした。では、そうした努力がムダであったか。

けっしてムダではありませんでした。

努力を重ねる過程で、私たち人間は暗黙の規範、規律、秩序を身につけることができたではありませんか。

『鍵山秀三郎 一日一話』  鍵山秀三郎 著


一所懸命、毎日を生活すること。そうしていれば一見、ムダであるように思えることでも自分の人生には何らかの意味があるということですかね。世の中、ムダなことなどなく、それをムダにするか、それとも意味あるものにするかは、”そこに気づき””そこへ意識が向くか”ということなんでしょうね。

そして、意味ある人生をより鮮明に生きていくには、目指す場所が必要であり、そこへ向かう意志も大切でしょう。それが人生の目的や目標であり、信念だと思いますね。

さて、今日一日を、一所懸命 楽しく 笑顔で 感謝しながら 一歩一歩進んでいきましょう 感謝で眠りにつけるように 

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ③

2010年01月16日 | 癌(ガン)

アメリカでは様々なガン治療への変化の中で、日本のがんセンター総長にあたる NCI(アメリカ国立ガン研究所)のデヴュタ所長が1985年のアメリカ議会において次のように証言しています。

≪分子生物学の発達などで遺伝子の仕組みや働きが詳しく調べられるようになってショキングなことがわかった。それはガン細胞の中には抗ガン剤対抗遺伝子(反抗ガン剤遺伝子:ADG)とも呼ぶべき遺伝子があることだ。抗ガン剤をぶつけてもガン細胞はこの遺伝子の働きで、抗ガン剤に負けない細胞に自分自身を変身させてしまうことがわかったのだ。ガンのプロとしてこれに大きなショックを受けている」

つまり抗ガン剤ではガンには対抗できない、抗ガン剤でガンが治せないことが理論的に立証されてしまったわけです。

≪NCI所長のADG(反抗ガン剤遺伝子)証言に続いて、1988年にはガン研究・治療期間としてNCI自身が「がんの病因学」というレポートを出し、そこで決定的な指摘をしています。今村氏の著書から、さらに引用を続けます。

〈さきほどホジキン病(注;悪性リンパ腫の一種)の治療が、新しいガンを生むという指摘を紹介した。しかし話はホジキン病だけに限らない。他の多くの抗ガン剤治療も、また放射線治療も、もとのガンのほかに新しいガンを生むことを、1988年にはなんとNCI自身が3000ページの大レポート「ガンの病因学」で指摘した。
デヴュタ所長の指摘や1988年の日本癌学会で問題にだれたのは、抗ガン剤ではガンは治せないということだった。しかし、NCIのこのレポートでは、抗ガン剤や放射線治療はガンを治せないだけでなく、”抗”ガン剤などは抗ガン剤にあらず、正確には新たなガンを増やす向ガン剤で増ガン剤だということが指摘されたのだ。〉

恐ろしい話とは思いませんか。抗ガン剤はガンを治療するどころか、新たなガンを生み出す”増ガン剤”である……。
NCI所長の議会での証言からすでに22年(今年からすると25年)、NCIレポートからでも19年が経過しています。にもかかわらず、日本のガン治療の現場で抗ガン剤、放射線が大手を振ってまかり通っているのです。≫


日本でもガン治療に関しては多くの研究がなされていますが、こと治療成績ということになると、このアメリカでの報告を上回る、科学的根拠や客観的事実があるのかが問題となってきます。また何を目的に治療するのか、というのはガンを縮小させるためだけを目的とするのか、ガンを生んだ身体自体を根本から治すことを目的とするのかにより、どの治療方法を選択するのか変わってくると思うのです。

自分の身体は、医師が治すものでもなく、鍼灸師が治すものでもありません。本人の身体自体にその力があり、身体の健康はご本人の決断に委ねられます。

また、OTA(アメリカ議会技術評価局)という、さまざまな政策の立案にあたって基礎調査を行う専門機関があります。この機関が3年の時間をかけて、ガンの通常療法(現代医学的治療)と非通常療法(代替医療)について調査を実施しました(1987年~1990年)。その報告書(OTAレポート)は300ページにものぼる詳細な報告です。

≪〈3年前(1987年)、アメリカの上下両議員40名は、連名でOTAに非通常療法のことを調査するための専門プロジェクトを発足させた。40名の議員たちはこう主張した。
「通常療法では治らないとされた末期ガン患者が、非通常療法でたくさん治っている。議会はこれらの療法のことを詳しく調べ、国民に知らせる義務がある」
こうして発足したOTAのヘルス・プロジェクトは非通常療法のことを調べるとともに、現在主流となっている通常療法に関しても独自に調査し、両者の比較検討などを行った。…中略…
OTAのレポートは非通常療法による効果を数多く紹介するとともに、通常療法の欠陥を指摘し、NCI(アメリカ国立ガン研究所)やACS(アメリカがん協会)などに厳しい批判と叱責を加えているほどである。抗ガン剤ははたしてその使用を正当化するだけの根拠があるのかという疑問もで持ち出している。これは、「抗ガン剤の抗腫瘍効果は、逆に患者のためにはマイナスにしかなっていないことも多い」ことが分かったからで、こういう現代医療の欠陥に手を打たずに(正確には手を打てずに)きたNCI に対しては「これでは国民のガン・センターとはいいがたい」とまでその責任を追及している。

ガンの治療研究は医学の諸分野の中でも、もっとも熱心に進められている。読者もガン治療も年々、進歩していると思いこんでいる人が多いに違いない。そういう人には、OTAレポートの次のような指摘は不思議に思われるかもしれないし、大きなショックに違いない。
「ガン療法(通常療法=現代医学的治療)には過去、数十年ほとんど見るべき進歩がなかった。〉
つまり、1971年にニクソン大統領が号令を発した「ガン征服戦争」は、まったくの敗北に終わったことを決定づけ、ダメ押ししたのがOTAレポートです。≫


このOTAレポートには、このようなことも書かれています。

≪「生存期間や病気のない期間の伸長、さらに生の質(QOL)の向上を図ることが、望ましいガン治療の姿であるのはいうまでもない。現在までのところは生存期間の伸長できる療法は、ガン細胞やその腫瘍に直接的な効果があり、腫瘍の場合はそれを退縮させることのできる療法だと考えられている。確かに場合によって腫瘍を小さくすることが、その腫瘍のある位置、腫瘍の大きさゆえに患者を苦しめている苦痛を軽減させ、生存期間を延ばし、さらに生の質をも向上させる場合がある。しかし、多くの抗ガン剤は激しい副作用を伴っていて、腫瘍を縮める効果が必ずしも生存期間の伸長という治療の本当の目的にはつながっていない」〉

日本の抗ガン剤治療に関しては、

少し回りくどい説明ですが、要するに現代西洋医学のガン専門医たちは「ガンを小さくすること」を治療の第一義にしていますが、それが患者さんのためになってはいないということです。これは現在の日本にもそのまま当てはまります。抗ガン剤治療は「四週間にわたって腫瘍が縮小した」ということだけで「効果あり」とされ、専門医は得意になります。しかし、その間、患者さんが直面するつらい副作用に対してはもちろん、四週間後に再び腫瘍が大きくなっても、そのことは知らん顔です。≫

副作用に関しては様々な対症療法が行われるようになってきましたけれども、依然、ガン細胞以外の細胞には非常に強いダメージがあるということには変化がありません。

また、抗ガン剤の認可を行っている厚生労働省では、

≪厚労省の紀平担当技官に「抗ガン剤はガンを治せるのか?」と質問。すると回答は①ガンを治せないのは常識…には驚きます。さらに②猛毒物である、③強い発ガン性物質、④多臓器に発ガン、⑤ガン細胞は耐性を持つ…なども”周知の事実”とアッサリ認めたのです。また同省保険局の麦谷医療課長も「抗ガン剤はいくら使っても効かない」と公言しています。≫

抗ガン剤の認可基準が、4週間投与し、10人中1人のガン細胞が縮小すれば認可されるのです。4週間投与するとガン細胞は抗ガン剤に対して耐性を持ちます。ということは、4週間後のガン細胞は衰えた周囲の正常細胞をよそに大きくなっていきます。抗ガン剤治療後、標的のガン細胞が大きくなろうが、他に転移しようが、抗ガン剤の薬としての認可基準には関係ないということです。

OTAレポートによると、東部共同ガン研究グループ(ニューヨーク大・シカゴ大・アインシュタイン大・など20近くの大学病院、研究所などが参加)の治療実験では…

1年7か月かけて、743人の肺ガン患者(Ⅳ期)を対象に広範な実験を行いました。
①マイトマイシン、シスプラチン、ビンプラチンなど三種の抗ガン剤を同時に与える組
②シスプラチン、ビンプラチンの2種を与える組(幾組もの抗ガン剤の与え方)
③カルボプラチン ④イプロプラチン などどれか1種しか与えない組
に分けて治療実験が行われました。結果は…

抗腫瘍効果→①20%の患者に効果 ②は13%に効果 ③は9% ④は6% という結果。

検討されたのはこれだけではなく、
①・②→副作用がひどく、白血球減少症からくる細菌感染症や不造血性貧血(血球の再生ができないために血中のすべての細胞が減少してしまう状態)のため、薬投与数週間で亡くなる人もあった。ひどい副作用や命にかかわる副作用が多く、命にかかわる副作用は③・④の7~11倍も出た。

生存期間→①=22.7週、③31.7週だった。

腫瘍を小さくする効果の大きい薬(その組み合わせ)ほど副作用もひどく、生存期間も短いということが言えます。OTAレポートでも「抗腫瘍効果が必ずしも患者のためになるものではない」と報告されています。

≪ここに、抗ガン剤治療の本質が明らかにされています。ガン専門医たちが「ガンを小さくすること」に躍起になり、多種の抗ガン剤を投与すればするほど、ガン細胞とともに患者さんの命も縮まるわけです。≫

また、放射線治療についても、OTAレポートでは
≪このOTAレポートは放射線治療の危険性についても指摘しています。〈「腫瘍が再び大きくなり始めるまでの期間も、また生存期間も長かったのは、それまで放射線治療を受けていなかった患者たちだった」この記述からは放射線の副作用がうかがえる。なお、この実験は、実験に使った薬の働きを確かめるために、それ以前はどんな抗ガン剤治療も受けなかった患者ばかりを集めて行ったので、放射線治療の逆効果も浮き彫りになったと考えていい。〉≫

現代医療の治療を受けてガンが治った人もいると思いますが、それは抗ガン剤が治したのでも、放射線が治したのでもなく、身体に張り巡らされている免疫系を主とした防御ネットワークの働きが治し、それが抗ガン剤や放射線の作用を同時に抑えられたからだと思うのです。実際、ガンによる死は増加しているのですから。

長くなりましたが、もう少し、最後のパート④までお付き合いください。
最後の流れ、そして代替医療、鍼灸治療を行う私はこの問題をどう考えていくのか、そんなことを書いていきたいと思います。

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体の中にある』 真柄俊一 著
       『いまの食生活では早死にする 改定最新版』 今村光一 著
       『ガン勝利者 25人の証言』 今村光一 著
       『消費者に隠された100の真実 知ってはいけない!?』 船瀬俊介 著

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ②

2010年01月16日 | 癌(ガン)

≪ニクソン大統領はウォーターゲート事件の責任をとり1974年に辞任、代わってフォード政権となりました。このフォード大統領の業績でよく知られるのが、1975年のベトナム戦争終結に断を下したことですが、同じ年、大統領は別の決断を下していました。

当時のアメリカはがんや心臓病、糖尿病、肥満などの生活習慣病を患う人が急増し、国民医療費も急速に膨れ上がっていました。医学が進歩していると考えられていたアメリカで、医学の研究に莫大な研究費を注ぎこんでいるにも関わらず患者が増え続けている。何かが間違っているのではないか?―そう考えたフォード大統領はその疑問を究明すべく、アメリカ上院会議に「栄養問題特別委員会」という機関を設置したのです。

関係するあらゆる分野の有能な専門家を集結させ、国家的な大調査を指令しました。そしてその委員長に任命されたのが、1972年の大統領選挙でニクソン大統領に敗れた民主党の大統領候補ジョージ・マクガバン上院議員でした。…中略…

さて、フォード大統領に命じられたマクガバン氏ら栄養問題特別委員会は、さっそく19世紀以降におけるアメリカの病気の変化と、それに対応する食生活の変化を歴史的に追跡し始めました。すると150年前には腸チフスや結核など、細菌による伝染病で病死する人が多く、がん、心臓病、脳卒中などの病気が皆無に近いことがわかりました。
さらにヨーロッパなどの先進国を調査しても、150年前はがんや心臓病などはほとんど見当たりません。調査地域を広げて世界各国を見てみると、アフリカやアジア、中近東などの、いわゆる発展途上国では過去はもとより、現在もそうした病気が少ないと分かりました。

欧米諸国の150年前と、現在との違いは何か? 現在の欧米諸国と、発展途上国との違いは?―そこに共通するのは”食生活の違い”に他なりません。
栄養問題特別委員会は、アメリカだけではなく世界中から資料を集め、多くの国から学者を呼び寄せて証言を求めるなどして、人々の食生活と病気や健康状態との相関関係を分析しました。証人喚問に応じて資料レポートを提出した各国の医師、生物学者、栄養学者など専門家だけでも、実に3000人を超える大がかりな調査になりました。
そして、2年の歳月を費やし、1977年に完成したのが「マクガバン・レポート」だったのです。総ページ数、約5000ページ。正式には「アメリカ合衆国上院栄養問題特別委員会報告書」と言いますが、委員長だったマクガバン氏の名を取り、今では世界中でそう呼ばれています。≫


追求しはじめたことは、反省を踏まえ、観方を変えてアプローチする。それもとことんやり通す。ここがアメリカのすごいところでもあるのかもしれません。その結果、食生活や栄養問題がクローズアップされ、これが国民の本当の健康に繋がっていくのですから。

この「アメリカ上院栄養問題特別委員会がこれほど熱心に審議調査を続けた理由は、

≪「<ガン、心臓病をはじめ多くの病気が増えている。そして進歩したとされるアメリカの医学を活用し、しかも巨額の医療費が注ぎこまれているのに、アメリカ国民は病気ばかり増えてますます不健康になるばかりだ。この原因を解明し根本的な対策を立てないことには、アメリカは病気で滅んでしまう。われれわれは何か重大なことを見落としていたのではないか。また現代の医学が進歩していると考えていること自体も間違っているのではないか」≫

と委員長であるマクガバン氏の言葉が全てを語っているようです。

そして、この報告書では審議調査の結論として重要な結論がいくつか出されたました。その中のもっとも重要な結論は
≪(1)ガン。心臓病、脳卒中などアメリカの六大死因となっている病気は、現代の間違った食生活が原因になって起こる”食源病”である。この間違った食生活を改めることで、これらの病気を予防する以外に先進国民が健康になる方法はない。
(2)現代の医学は薬や手術といったことだけに偏り過ぎた、栄養に盲目な片目の医学であった。栄養に盲目でない医学につくり変える必要がある。≫

の二つでした。

このマクガバン・レポートは当時の世界各国、とくに先進国の学界にも、一般の国民にも大きなショックを与えました。それは当時、医学界や栄養学界なども気づかなかった大きな問題を、公式の立場から初めて指摘したからでした。

この報告書の中で、トロウエル博士(イギリス王立医学会議)が、イギリス政府から派遣されて、アフリカ(ウガンダなど当時の英国領)で顧問医師として勤務していた1930年~60年に3年間「先進国ではごく普通の病気になっているが、私の在勤中のアフリカ諸国にはほとんどこんな病気はなかった」と証言されています。

こんな病気とは、便秘、盲腸炎、大腸憩室炎、痔、潰瘍性大腸炎、大腸ガン、大腸ポリープなどの消化器疾患、肥満、糖尿病、虚血性心疾患、動脈硬化症、静脈血栓症、胆石、痛風、腎結石、脳卒中、高血圧などの代謝・血管病、橋本病、アジソン氏病、低血糖、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、変形性骨炎、悪性貧血、乳がん、などの内分泌疾患、などです。

残念ながら、それ以降、文明が入ってきたアフリカにはこのような病気が徐々に増えていったようです。

また、博士は「アフリカの黒人たちを徴用してイギリス軍に入れる。するとイギリス的な病気(つまり上記のような病気)にちゃんとなる」と言っており、病気は人種的な体質の違いで起こるのではないことを多くの事例から証明されています。

≪「現代病は、現代医学では治らない」と、マクガバン・レポートは明言しています。ガンは現代病の代表であり、マクガバン・レポートはニクソン前大統領のガン征服戦争に、別の視点から回答を出したとも言えるのです。アメリカ政府はレポートに基づいて矢継ぎ早に新政策を打ち出すことになります。

その辺の事情を、前出の『アメリカはなぜ「ガン」が減少したのか』の著者、森山氏はこう記しています。
〈マクガバン・レポートは「病気は菌によってだけ起こるものではなく、食事や栄養の摂り方の歪によっても起きる」ということを初めて公の場で明らかにした文章として大きな意義を持っています。アメリカ政府は1977年以降、マクガバン・レポートの結論に基ずいた政策を打ち出すようになりました。
例えば1979年には、アメリカ厚生省が健康政策の数値目標を定めた「ヘルシー・ピープル」を作成しました。これはアメリカ国民の健康レベルについて数値目標を設定し、その目標に到達するための疾病予防・健康増進対策を体系化したものです。ヘルシー・ピープルは1991年から始まった「ヘルシー・ピープル2000」へと続き、現在は「ヘルシー・ピープル2010」が実施されています。…中略…

1982年、アメリカ国立科学アカデミーが「食と栄養とガン」という研究報告書を作成。食習慣の改善がガン予防に繋がると明記されており、アメリカ国民はもとより、世界中の人々が食と栄養の重要さを認識するきっかけを与えました。報告書は、ガン予防に効果のある成分として食物繊維、抗酸化ビタミン、カルチノイド、グルタチオン、リン脂質、イオウ化合物、フェノール酸をあげ、またガン予防にマイナスに働くのはカロリー、脂肪、塩分の摂りすぎや、高温過熱を施した食品であると指摘しています。

1990年にスタートした「デザイナーフーズプロジェクト」は、植物性食品によるガン予防効果に焦点を当てた国立ガン研究所の試みです。ガン予防に有効と思われる食品の約40種をピックアップし、それぞれの重要度を示すピラミッド形の図を作成して、積極的な摂取を呼びかけました。〉

こうして見てくると、ガンに対するアメリカの取り組み方の真剣さ、徹底ぶりがよくわかると思います。マクガバン・レポートをきっかけにした諸政策は、ガンなどの予防に焦点を置いた食生活の見直しです。≫


さて、ここまではマクガバン・レポートの発表から、その後のアメリカの政策を見てきました。食生活の改善がガンを予防するということです。それはガンになってからでも同じであり、免疫力の強い身体をつくるためには、まず食事、栄養摂取が重要だと言うことです。

この部分が欠けていたのでは、ガンを治すこともできないし、ガンを予防することなど到底無理なことであると思います。

さて、パート③では、ガン治療に焦点を当ててみて行きましょう。

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体の中にある』 真柄俊一 著
       『いまの食生活では早死にする 改訂最新版』 今村光一 著

二葉鍼灸療院 田中良和
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なぜ、日本のガン患者やガン死亡率が減らないのか? ①

2010年01月16日 | 癌(ガン)
日本のガンに罹る人、あるいはガンによる死亡率は年々上昇しています。2004年統計での年間死亡総数は102万9千人、そのうちガンで亡くなった方は約32万人と3人に1人がガンで亡くなっています。2015年には2人に1人がガンで亡くなると予測されており、ガン患者も2004年統計に比し250万人も増加すると予測されています。これは厚生労働省の統計です。
また、その原因は高齢化にあると考えられています。なぜ、ガン患者、ガン死亡率とも増えると予測できるのか 増加の根本の原因が高齢化がベースにあるというのは本当かと疑問に思います。

また、私自身も父を胃ガンで亡くしており、私の周囲にもガンに罹る人を多く見聞きします。家族がガンによる治療を受けていたことや、患者様の中にも現代医学でのガン治療(手術・抗がん剤・放射線治療)を受けていた方に接し、こんなに副作用で苦しんで、本当にガンが治るのか 医師はガンをよく”叩く”と表現しますが、本当にそれで身体は治っていくのか ガンを治すのは薬や手術ではなく、患者の身体ではないのか など様々な疑問が湧いてきましたので、いろいろ勉強させて頂いています。

冒頭に書いたように、日本ではガンが増加しています。しかし、欧米ではガンが徐々に減少しています。この差はなんなのでしょうか。欧米にあって、日本にないものはなんなのでしょうか。20世紀初頭のアメリカには、現在のようなガンや心臓病、糖尿病などの病気はほとんどなかったと言います。そこからの疾病構造の変化から、様々なアメリカの取り組みや、日本の国民にはほとんど知られていない情報を交え考えていきたいと思います。

≪アメリカ癌コントロール協会日本支部代表・森山晃嗣氏は、その著書『アメリカはなぜ「ガン」が減少したか』で、こう述べています。
〈アメリカでは1990年以降、国民のガンの罹患率、死亡率ともに減少しています。…中略…最も衝撃的だったのは、1998年に米国ガン協会(ACS)や疾病抑制予防センター(CDC)などの合同研究チームが「アメリカのガンの罹患率と死亡率が低下している」と初めて発表したときです。研究チームは人口統計調査や死亡確認書などをもとに、1973年から1995年までのガン罹患・死亡率の推移を測定して報告書を作成しました。
それによると、アメリカ国民のガン罹患率は1973年から1989年まで毎年平均して1.2%ずつ増加していたのに、1990年を境に減り始め、1990年から1995年までは毎年平均0.7%ずつ減少。死亡率も5年間で2.6%低下しました。…中略…1996年以降の調査はまだ発表されていませんが、1992年から1998年までは罹患率、死亡率とも年平均1.1%の減少という報告があります。〉森山氏は続けてこう訴えています。
〈これはどうしたことかと疑問を抱いたとき、私は「アメリカにあって、日本にないものはなんだろう?」と考えてみました。そして最も大きな違いとして思い当たったのが、両国における代替療法の位置ずけだったのです。〉≫


アメリカも長い間をかけて”ガン”の研究や治療法開発に取り組み、様々な方法を探った時期があっての結果です。それもアメリカはトップの大統領をはじめ政府、議会、医学界が一丸となって徹底的に追及し、正面から疾病に向き合う姿勢がありました。

日本においても近年、代替医療(鍼灸を含めた)に関する国公立大学での研究に文部科学省や厚生労働省から援助が出ています。また、東洋医学研究所 所長 黒野保三先生が研究所HPの平成22年1月 コラムでも書かれているように、厚生労働省の主導で、東京女子医科大学 大野 智准教授を中心とした「がん代替医療の科学的検証研究」という研究班を立ち上げました。3年後に結論を出す目的で作業に入ったということです。このように国においてもやっと代替医療に目を向けてきたというのが日本の現状です。

≪アメリカにおける通常療法と非通常療法の闘い、言い換えれば現代西洋医学と代替医療の闘いは、実に長い歴史を有しています。何しろ人類史上初めて人間を月面に送った世界の超科学大国アメリカですから、現代西洋医学と代替医療の闘いも圧倒的に西洋医学側の優勢で進んできました。ところが、それがおかしいということに自ら気づいたのです。…中略…(和田 努氏と帯津良一医師との対談集『ガンの治療法はこれほどある』の引用)
〈科学がすべてを解決してくれると考える信仰があるようです。ガンという病気は近い将来、科学が解決してくれると信じている人は多いのではないでしょうか。
科学が、ガンを制圧してくれると信じたのは”科学の国”アメリカでした。ラルフ・W・モスというアメリカの科学ジャーナリストが書いた『がん産業[1] がん治療をめぐる政治的力関係の構図』にはこんふうに書かれています。

「がんの征服がもっともらしく語られ始めたのは、20年ほど前のことである。当時アメリカは月に人間を送りこんだところであり、まるでそれに続けと言わんばかりの雰囲気だった。およそ絶対不可能だと思われていたことを成し遂げた国であれば、人類が最も恐れる病気もまた征服できないはずはないという楽観的風潮に包まれていた」

アポロ11号の宇宙飛行士が、人類初の足跡を月面に印したのは1969年7月10日のことです。人間を月に送りこんだ科学の力は、ガンを征服することは可能だと考えたのでした。アポロ11号の成功は”アメリカン・ドリーム”という感じでした。私たち日本人も、月面を飛び跳ねるような宇宙飛行士の不鮮明なテレビの映像に釘づけになったものです。

米国議会は「全米ガン征服諮問委員会」を設けました。委員のラルフ・ヤーボロー上院議員は諮問委員会の最終報告書に寄せられた序文の中で、ガンとの全面戦争に突入すべきであると述べています。
「ガンは征服可能な病気である。ガンの研究分野におけるわれわれの進歩は恐ろしい病気を早期に発見し、コントロールするという点で今まさに重要かつ刺戟的な発展の最中にある」…中略…
アポロ計画は間もなく撤退されることになりました。アメリカとしては膨大な浪費とみられていたアポロ計画から手を引く必要があったようです。アポロ計画と引き替えのように打ち出されたのが「がん征服戦争」だったのです。1971年1月の一般教書でニクソン大統領は医療、医学研究、とりわけ、がん治療研究のために特別な支出を提案し、宇宙開発に向けていた力をがん征服のために向けると演説しました。

1971年12月、ニクソン大統領は「がん関連法案」(ナショナル・キャンサー法)に署名しました。いわゆる、がん征服国家戦略がスタートしたのです。ナショナル・キャンサー法にはこう書かれていました。
「建国200年祭すなわち1976年までに、全米レベルでの征服が達成されるべきものとする」と。
そして、ニクソン大統領は、「核開発や月面到着で見せたあの実力を結集しよう」と呼びかけました。しかし、アメリカ建国200年祭の1976年までに、がんは征服されたでしょうか。答えは明白です。アメリカでも日本でも、そしてほかの国々でも、がんは相変わらず、多くの人びとを死に至らしめる病気であることは変わりないのです。あれだけ大々的に打ちあげられたアメリカのがん征服国家戦略も、際立った成果が上がりませんでした。人びとが夢みたような画期的な抗がん剤も生まれませんでした。〉

和田氏が「戦争」と呼んだように、実際に超科学大国アメリカでは、全米医学界、薬学界の総力を挙げ、基礎研究から新しい抗がん剤開発に至るまで、あらゆる分野でがんを征服しようと挑みました。それから30年近く経ったのち、「サイエンティフィック・アメリカン誌」は「がんとの闘い」というタイトルで特集を組み、「戦いは負けた」と結論づけたのです。≫


アメリカでは今から30年以上も前からガンへの国を挙げた取り組みがなされていました。人間が創造した高度な科学水準をもってガンに挑みましたが「戦いは負け」という結果でした。このアメリカが行ってきた道程を、アメリカという過去にいい例があるにも関わらず、そこから学ばず同じことを繰り返しているのが、今の日本のガン医療であるような気がしてならないのです。これでは、このような情報を知らない国民の大事な命が危険に晒されると言っても過言ではないのかもしれません。

この辺りも、日本のガン患者や死亡率が減らない原因であるように思うのです。

さて、これを受けてアメリカはどう進んでいったか、パート②でみていきたいと思います。

引用文献:『がんを治す「仕組み」は あなたの体のなかにある』 真柄俊一 著
       『がんの教科書』 中川恵一 著

二葉鍼灸療院 田中良和  
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