二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

酔耀会(鍼灸手技療法勉強会) 平成23年 2月 

2011年03月08日 | 酔耀会(すいようかい)
少しブログ更新が遅くなってます

2月23日(水)、午後8時30分から毎月の酔耀会へ参加しました。

やはり1ヶ月の間、臨床をしてきた疑問や悩み、あるいは姿勢や思い、いろんなものが勉強の場で放出されるわけです。そんなことで、やはり議論が盛り上がり、終了は午前1時30分でした。

やはり午前様の会になってしまいました。

酔耀会で勉強する仲間、鍼灸マッサージを本当に患者さまのためになるように、自分を磨く終りなき修行を行う仲間が増加中でございま~す



☆ 内 容 ☆

・脈診考察 「脈診って何??―古典による考察―」

【宮川先生】
中医学に長け、古典の知識が酔耀会の中では抜きん出ている宮川先生に難しいテーマについて考察してもらった。脈診は東洋医学的診断方法の一つであり、これだけで様々な身体の状態が判別できるという優れものである反面、体得も難しく、感性により差が出てくることも否定できない診断方法である。故に毎日、脈を意識して診ないと体得できないし、また、脈診だけに偏らず、体の体表観察を合わせて総合的に判断していくことも必要とも考える。そんな難しいテーマである「脈診」を、様々な流派の主張や国の情勢などで変化してしまう前の源流はどう捉えられていたのか、あるいは、本当に源流を知って脈診が行われているのかという疑問から古典をもとに考察してもらった。



黄帝内経という古典から、脈状と身体の関係、尺膚と脈状について発表してもらたった。「素問十七 脈要精微論」「素問二十 三部九候論篇」「霊枢四 邪気臓腑病形篇」からの考察であった。
それぞれの流派の先生のやり方で脈診をすることも大切だが、このように実際、昔はどうだったのか知ることも大切である。そして、私も脈診をしているが、難しいのだ、これが。だから毎日、脈を分かっても分からなくても、まず触れてみることが大事だと思う。今後の、宮川先生の脈診の発表が楽しみである。
新興宗教のように中医学の話にのめり込んできたら、私が割って入るのだが…

・症例報告 「『慢性胃炎』に対する治療」

【安井先生】
48歳の女性。胸やけを主訴としてご来院。2年前、職業を替えてから食後、胸やけ出現。鍼灸、接骨院、整体とセラピーショッピングをするが、なかなか改善されず、紹介で安井先生の治療を受けることに。治療は経絡治療を中心に行うが、脉診から腹診、背項診、そして身体症状を細かく記録してあるところがいいところなんですね。身体症状や体表観察という部分がしっかり把握できていれば、治療方法がどうであれ、議論になるんですよね。症例に話を戻すと、治療をすると身体症状が楽になる、また数日、数週間経つと症状が戻るということが続いた。1ヶ月後、病院にてピロリ菌による胃炎であると診断された。その後も患者の希望で食餌療法と鍼灸治療で経過を観察するも、なかなか改善せず、現在は、投薬による除菌と鍼灸を行っているのが現状。除菌後も胃痛があるとのこと。
安井先生は、患者の希望だったとは言え、西洋医学との併療で患者の苦痛が取り除ける場合もあると反省されていた。患者を中心にバランスよく考えることは大切なこと。
でも~、ピロリ菌をどう捉えるか…、本当に巷で言われているような悪者なの、除菌後も胃痛があるってどうなん、もしピロリ菌ではないとしたら”胸やけ、胃痛”の原因は何と、私は思ってしまうのです。本質的原因は、実は日常生活の中にあるのかも…と思ったのでした~。

・症例報告 「五十肩に対する鍼灸治療」

【太田(和)先生】
63歳の男性の症例。まずは右も左も肩痛があり、その両肩に対する所見の取り方、問診、ともに不十分で、報告を聴いていて患者像が浮かびあがらなかった。また、この五十肩に対する評価をC7-母指間距離で評価していた。これはこれで悪くはないが、やはり人間の関節、特に肩関節は人体の中で最も可動域が大きく、あらゆる所へ動かせる関節だ。だから可動域をしっかりとって、その改善度を評価方法とすべきだという意見もあった。それはその通りである。肩という関節の特性上、可動域の程度をみることは重要である。
また、いわゆる五十肩の原因がどこの部分にあるのか。その原因は、一つなのか、複数なのか。機能的含め、5つの肩の運動を司る関節のうち、どの関節の動きが制限されているのか。今の五十肩の病期は急性期なのか緩解期なのかを診るだけでも治療の幅が広がる。
そのためには、所見をしっかりとること。そして、そこから常に深く考える癖をつけること。効いたからそれでいい…では、巷にあふれる無免許者と変わらないのであ~る。


長くなりましたので、酔耀会報告では初のパート②へ。

あまり、長くなると読む人が疲れてしまうかもしれないのですが、なにぶん、ブログの神様が降りてくるので、お許しを~

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント (5)
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