今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

25年目の「ただいま」

2021年05月18日 | 「本」のひきだし

ブクログより

以前「ライオン」という映画が封切られました。
見たかったのですが見逃してしまいました。
その映画の原作となったのがこの話です。実話です。

インドの貧困家庭に暮らす主人公のサルーは 小さい頃から、兄といろいろなことをしながらお金を稼ぎ家計の足しにしていましたが、5歳の時、兄とはぐれて電車に乗ってしまい、知らない土地で浮浪者となり、路上生活をしながら危ない目にもあいながら暮らしていましたが、やがて最終的に児童保護施設に収容され、やがて幸運にも理解のあるオーストラリアの夫婦にもらわれてそれからは何不自由なく育ち、やがて大学生になり悩むのです。自分はどこで生まれて、どんな家族がいたのか・・・やっぱり知りたいと。

幼かったころの記憶を呼び起こし、なんとグーグルアースで探すんです。
自分の記憶に一致する地形や建物などをつなぎ合わせて、気の遠くなるような地図の旅が始まりました。
育ての親に言えず、悩んで心配をかけたり、弟(彼も養子)とのいざこざなどで一時はあきらめもしますが、やっぱり知りたいという気持ちが付き起こし。

とうとう見つけ出しました。兄とはぐれて電車に乗った駅を。そこから自宅までを記憶と照らし合わせて・・・・
家は少し違う場所に移っていたけれど、近所の人が気づいてくれて母親との再会を果たすことができました。

兄はあの後、列車事故で亡くなっていましたが、お母さんと妹はずっと待っていてくれました。

グーグルアースで実家が見つかったことも凄いですが、サルーがオーストラリアの夫婦に引き取られたことも奇跡です。
この夫婦は子供ができなかったわけではなく、あえて自分たちの子供は持たないで、サルーのような子供たちを救うために養子を迎えてるって、(実際ふたり)
劣悪な施設の中で、そのような養子縁組が成り立つ事も珍しいし、その子供がサルーだったのも奇跡です。



25年目の「ただいま」 / サルー・ブライアリー

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする