先日(イヤッ! 先日だと思ってたのにもう先週のこと)近くの図書館で行われた、映画の上映会に行ってきました。
細谷亮太先生の現場を追ったドキュメンタリーです。
細谷先生について少し説明しますと、聖路加国際病院で40年来、主に小児ガンの治療にあたっておられる小児科医です。
勤務の傍ら、病気の子供達とのキャンプや、野外活動に尽力され、週末には先生の故郷である山形へ帰り、実家の診療所で診療をされるという、超人のような方です。
本作品は「風のかたち」という映画の続編にあたり、伊勢真一監督がずっと細谷先生と二人三脚で長年撮り続けてこられました。
小児ガンは不治の病では無くなったと言われますが、やはり難病です。
副作用に苦しむ子供達や、先が見えない子供達に、先生は「大丈夫、大丈夫」と声を掛けます。おまじないのように。
それは細谷先生がおっしゃるのだからおまじないなのであって、他の誰が言っても上滑りの言葉になるでしょう。
「大丈夫、神様は君が越えられるだけの苦しみしかお与えにならないのだよ」
映像の合間、合間に細谷喨々という俳号をもたれる俳人でもある先生の俳句が効果的に登場します。毎日毎日、死と隣り合わせにいる心の叫びのような句に映像よりも心打たれます。
細谷先生は、「自分は医療に携わっていて、泣けなくなったら医者をやめよう」常々そう思いながら治療にあたってこられたそうです。
病気が完治した子供達、残念ながら治らなかった子供達、でも細谷先生に出会えて幸せだったな、と思います。
先生は今年定年で長年勤務された病院を辞められるそうです。
ゆっくり体を休めていただいて、今後も病気の子供達の力になってあげて欲しいです。