TIFは今年参加アイドルが三桁に突入した。それだけ増えれば色んなアイドルがいる。地方で地道に活動をしてきたアイドルにもチャンスはやってくる。
二日目の夕方、野外ステージでbump.yを観た私は、エレベーターに乗って湾岸スタジオの屋上に上がった。前日、アップアップガールズ(仮)が歌った小さなステージ「SECRET COURT」に愛媛県からやってきたnanoCUNEというグループが立っていた。ひめキュンフルーツ缶の妹分である。
衝動DAYS nanoCUNE ナノキュン
ひめキュンとは違った路線で、ポップでスピーディーなダンスを展開していく。横に蹴り上げた脚が肩の辺りまで届くくらいに体が柔らかい。ひめキュンの売りとは違う方向性で攻めているのが面白い。力一杯なステージングという点では共通点もあり、そこが兼ヲタを作る要因にもなっていそう。アイドル無風地帯だった愛媛県が面白い。
続いて栃木県からやってきた、とちおとめ25というグループが登場した。揃いのピンクのシャツ。nanoCUNEは黒いシャツだったから好対照。
とちおとめは見た目のファニーな雰囲気に似合わず、キビキビしたダンスを踊る。しかも、持ち時間をフルに使ってノンストップで歌い踊り、最後にようやく手短に自己紹介と挨拶をして締めた。
暑い気温の野外ステージでこのパフォーマンス。私はステージに拍手を送ったが、数分後に舞台袖から出てきたメンバーは自力で歩けず肩を担がれながら歩くメンバーがいた。メンバーは泣いていた。彼女達はやりきったのだ。彼女達にとって、数百人しかキャパシティがないこのステージでもTIFのステージであり、TIFは大きな目標だったのだろう。私は甲子園を目指して猛練習を積み初出場を果たした高校を見るような気持ちで、歩いていくとちおとめの後ろ姿を見送った。
いちごパフェコラボステージ「いちごパフェ」アイドル横丁夏まつり!!2012
続くグループも初出場。地方アイドルに詳しいヲタには密かに話題になっているRYUTist。新潟で活動しているグループだ。
白い衣装で歌い踊る彼女達はハッキリ言ってまだ幼い。しかし、とにかく真剣。他のアイドルグループもみんな真剣だけれど、彼女達はとにかく必死にこなしていた。きっと緊張もあったのだろう。
青い夕方の空の下でRYUTistは夏の歌を歌った。彼女達にとって、きっと今年の夏休み最高の思い出になった筈。
終演後、礼儀正しく引き上げるメンバーを女性のチーフらしきスタッフが待ち受けていた。ステージ下でメンバーにアドバイス的な話をしつつ、労をねぎらうスタッフ。それを真剣に聞いているメンバー。
このミーティングが終わると、横にいた、おそらく地元から駆けつけたと思われるファン達がメンバーに激励の言葉をかけている。なんと爽やかで和やかなシーンか。これも地方アイドルの姿なのだ。私はそれを後ろから見つめながら、新潟の空を思い出していた。
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