渋谷は雨だった。傘が並ぶ人混みに包まれた坂道を黙々と歩き渋谷公会堂に着いた。
以前に比べたら平均年齢は少し下がったかなと思える客席は赤いサイリウムに彩られている。
客席が同じ色に染まるなんて、まるで生誕やご当地コンサートみたいなスペシャルコンサートな空間に思えてしまうけれど、実際に真野ちゃんのコンサートは七夕みたいなスペシャル感がある。真野ちゃんのコンサートツアーは一年に一回しかないからだ。一年に一回なんて勿体ない。だけれど、一年に一回のツアーだから本人もスタッフも気合いが違う。ステージにはちゃんとスクリーンがある。そのスクリーンを使って、真野ちゃんの衣装替えタイムの時にちょっとした面白ムービーを流す。この時間帯はヲタにとっては給水タイムでもあるのだけれど、単に休ませずに楽しいひとときをつなぐための大切なインターバルにもなっていて良い演出。
良い演出なのは、今回のコンサートがステージと客席をつないでいる演出がいくつかある事もそう。観客がステージと同じ事、同じ振り付けをする演出。その指導を行なう真野ちゃんが客席にダメ出しをしたり、客席を見ての感想を口にしたりする事。あやややメロンみたいな所謂エルダーだった人達はそういう客席とのコミュニケーションをコンサートで行なう事は毎度の事だったけれど、今のハロプロメンバーでは珍しい。これもひとえに今回のツアータイトルに「DATE」と入っている事が理由なんだろうなと思った。
真野ちゃんは冒頭の挨拶でも、ラストの挨拶でも「デート」という単語を使い、自分とお客さんが心で繋がっているようでありたいと語った。アイドルとして模範回答だけれど、実際に約二時間という時間の中で、手を変え、品を変え、真野ちゃんはステージと客席とを繋いできた。
アイドルに於けるステージパフォーマンスって、歌やダンスの上手さだけでなく、トークが上手いだけでもなく、如何に観客がステージに気持ちを持っていけるかなのではないか。そんな事を思いながら、あれからずっとアイドルとヲタ、真野恵里菜とマノフレの関係性について考えている。答えは出なくても良い。
「私とファンの皆さんが互いに尊敬し合いながら成長していきたいなと思っています」 真野恵里菜談。
セットリスト
01. Glory days
02. お願いだから・・・
03. 天気予報があたったら
04. 春の嵐
05. 黄昏交差点
☆ 真野山高校応援団のVTR
06. 熱血先生
07. 手を握って歩きたい
08. 乙女の祈り
09. あなたがいるから
10. 堕天使エリー
11. 純情警察K・I・S・S
12. メドレー
はじめての経験→ダレニモイワナイデ→青春のセレナーデ
→ラッキーオーラ→世界はサマーパーティ
13. ドキドキベイビー
14. 21世紀的恋愛事情
15. 元気者で行こう!
16. バンザイ!~人生はめっちゃワンダッホーッ!~
☆ アンコール
17. Song for the DATE
18. My Days for You