フリージア工房 国道723号店

ハロプロメンバーを応援してアイドル音楽を愛するエッセイブログ

メインキャストはどちら?

2010-09-28 23:25:00 | ハロプロ2010

 Berryz工房の舞台「三億円少女」の東京公演が日曜日に終わりました。あとは大阪公演です。その劇がなかなか評判良いようです。ネットを見てるとそう感じます。
 今回の劇のポイントは主役が毎回変わる事にありまして、要するにベリメン全員が主役を交代で務める事になります。中でも、菅谷梨沙子ちゃんの主役っぷりは見事だったようで、表情だけで色んなものを表現出来ていたなんて評判を聞くと、そうそう梨沙子は台詞回しは今ひとつな点もあるし声の通りも悪いけれど、表情の見せ方がとても上手いんだよ。と更にフォローを入れたくなるのです。
 ああ、無理してでも梨沙子主役の回を観に行くべきだった。「行かない後悔より行って後悔」がモットーなのに。

 そんなハロプロの舞台ですが、ハロプロメンバーが中心になって行なうハロプロ舞台は、作り手側からすれば、なかなか難しい面もあると思います。ハロプロが主役である以上はメンバーを目立たせる内容でなくてはいけないし、それでいて協力劇団の名前を明らかにして行なう以上は内容にもこだわりたい。演出家のこだわりを消してハロプロだけにスポットライトを当てるべきなのか?という事への葛藤があるのではないかとも思います。
 今回のBerryz工房の劇は、「またタイムスリップものか!」というのはともかく、主役を毎回変えるというの事に演出サイドのこだわりを感じます。

 ℃-uteが最初にグループとして行なった舞台「寝る子は℃-ute」は高い人気と支持をヲタから得ました。私もブログで絶賛記事を書きました。しかし、内容はと言えば、矛盾点も多々あり、展開もバタバタしている。ハッキリ言って「℃-uteの魅力に任せた仕上がりとも言えます。
 だけど「寝る子は℃-ute」は良かった。何故かと考えれば、℃-uteは℃-uteとして役柄が劇団員から独立していた事が挙げられます。ストーリーの中に於いて、子供は℃-uteしかいない。あとは大人組の劇団員。この明確な線引きをされたキャスト達が一緒にドタバタしてストーリーを演じ、一緒に夢についた考え、大団円を迎える。そのつくりは、℃-uteと愉快な仲間たちになっていた。
 それに対して、℃-ute舞台の劇二作目の「携帯小説家」。自分は結構好きな作品だったりしますが、公演当時は結構否定的な意見も目につきました。
 もっとも、否定意見は仕方がないとも思っていました。後半、クライマックスのところで、物語の中心人物である作家先生が携帯小説家である舞美に説教をするシーンがあるのです。そのシーンが舞美や他のメンバーはずっと聞き役。作家先生は携帯電話、ネット掲示板などデジタル社会の批判を長々と語ります。これはおそらく、演出家が劇に込めた「伝えたいテーマ」であったのでしょう。
 それならば、別にこの舞台に℃-uteが上がっている必要はない。アイドルの舞台なんだからアイドルが主役であるべき、演出家のメッセージなどというものは別な舞台でやってくれ。こういう感じの意見が多かったと思います。
 物心ついた時からインターネット社会に身をおき、携帯電話でネットが出来るという事が当たり前だと思いながら育ってきた世代である℃-ute達に、携帯電話は便利だけれど、便利な物にはリスクもつきまとうのだというメッセージを受け取ってもらう事自体は意味がない訳ではなく、自分はそこに℃-uteがいる事への意味と意義を感じていたのですが、観る人によってはそんなメッセージいらない。エンターテイメントに徹するべきと感じるのは、それはそれでわかります。それがアイドルというジャンルだからです。

 アイドル劇はアイドルの持つ可愛らしさを前面に押し出し、全編的に楽しくあるべきか?そこに協力劇団の色は必要ないのか?ハロプロ舞台が企画される度に考えています。
 自分が思う一番良い形は、モーニング娘。と宝塚関係者がコラボレートした「リボンの騎士」や「シンデレラ」みたいなパターン。モーニング娘。と他の役者さん達が一緒に混ざった配役。必然的にモーニング娘。にもそれなりの高いレベルが求められます。メンバーは大変だったとは思いますが、結果的には上手い融合を果たし、メンバーも成長した。案外にストーリーもすんなりと頭に入ってきた。
 そして、モーニング娘。のヲタ達が役者さん達にも感情移入してファンになり、演出家の方のファンにもなっていった。

Mystery of Life (Ribbon no Kishi the Musical)


 このように、アイドルがアイドルとしての立ち位置から逸脱しない範囲で、そのギリギリの所で「本当の舞台」を少しハロプロが出来る位置にまで下げて用意する。そういう舞台の方がハロプロ向きではないかと私は思います。
 少なくとも、ハロプロを応援している者達は日頃、メンバーの歌やダンスのパフォーマンスに惹かれている筈。ただ可愛い舞台、ただ楽しいだけの舞台ではない方が喜ばれるのではないだろうか?そう思っています。

 そう考えると、劇団が気を遣っているのが見え隠れするハロプロ舞台は、今後はどうあるべきなのか?ここらでもう一度考える時期が来ているように思います。
 Berryz工房にしても、そろそろ次のステップへと踏み出せる実力は付いてきたのではないだろうか?
 ℃-uteは今秋、ミュージカルに挑戦します。Berryz工房の舞台が評判いいらしいと聞く度、新たな次元へのステップを期待している私は、アイドル舞台であっても、ただ可愛いや、ただ楽しいだけでは満足出来ない考えです。

コメント (2)
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