3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

西暦か和暦か

2019-04-02 18:29:13 | 日記
元号が5月から令和になることになった。
ただそれだけなのだが、世の中随分と騒がしい。
号外が出て、それをもらう人が殺到して大変だったとか。あさましい。

なぜ?そんなにみな夢中になるのだろうか。理解に苦しむ。

元号は国民に強いてはいけない、ということになっていたはずだが。
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元号法
本則は次の2項をもって構成される。第2項は一世一元の制と呼ばれる。
第1項:元号は、政令で定める。
第2項:元号は、皇位の継承があった場合に限り改める。

附則
第1項:この法律は、公布の日から施行する。
第2項:昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする。

1979年(昭和54年)10月、大平内閣(第1次大平内閣)は、元号法に定める元号の選定について、具体的な要領を定めた(昭和54年10月23日閣議報告。
これによれば、元号は、「候補名の考案」、「候補名の整理」、「原案の選定」、「新元号の決定」の各段階を践んで決定される。まず、候補名の考案は内閣総理大臣が選んだ若干名の有識者に委嘱され、各考案者は2ないし5の候補名を、その意味・典拠等の説明を付して提出する。総理府総務長官(後に内閣官房長官)は、提出された候補名について検討・整理し、結果を内閣総理大臣に報告する。このとき、次の事項に留意するものと定められている。
1.国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
2.漢字2字であること(3文字以上は不可。但し、749年から770年にかけては、漢字4文字の元号が使用されている)。
3.書きやすいこと。
4.読みやすいこと。
5.これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと(過去の元号の再使用は不可)。
6.俗用されているものでないこと(人名・地名・商品名・企業名等は不可)。

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たしか、1979年当時、元号法の審議過程で、時の政府は「国民に元号の使用を強制するものではない」と答弁していたはずなのだが・・・・、何がどうなったか。強制されないのに夢中になって支持してしまう日本の人々の特殊な精神構造を理解できないのだが。
自ら進んで忖度して使いますって言っているうちに体に染み付いてしまって疑問を持たなくなる。
おかしいよね。



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中高年のひきこもり 当事者の声

2019-04-02 17:41:30 | 現代社会論
2019.4.2朝日の朝刊に50代男性当事者からの声が掲載されていた。
改元に沸く日本、改元もなにもかも政治ショーに巻き込まれている。それは表面的な部分で深層では、失業やひきこもり、貧困化が進行しているようにおもえる。

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声:中高年ひきこもりの当事者です

無職 大箸友徳(静岡県 57)

 40~64歳のひきこもり状態の人が全国で61万人いるとの推計を内閣府が公表した。「中高年ひきこもり」の国レベルの調査は初めてで、2015年度に調査・推計された15~39歳の「若年ひきこもり」の54万人を上回ったという。恥ずかしながら私も中高年ひきこもりの当事者だ。
 昨年1月に11年勤めた仕事を自己都合で退職し、無職が続く。退職理由は職場の人間関係が面倒になったことだ。次の仕事を探せないのは自己肯定感がないからか。短期間で辞めた仕事が多く続ける自信がない。
 賃貸アパートの一人暮らしで預金を取り崩している。外出は3日に1回ほど。夜に食品を買う。昼は無職の罪悪感から外出しにくい。手足が痩せ、肩を動かすと関節が痛む。腹が張って体重は10キロ増えた。親友に裏切られ貸した金が返済されない。長年付き合った女性が離れた。次第に生きることの意味を失う。
 パソコンやスマホはなく、社会とのつながりは新聞やテレビが中心だ。曜日に関係ない日常は寝るかテレビを見て時間をつぶす。無職の中高年が事件を起こすと心が痛む。世間では改元、10連休、五輪が話題だが、外国の話のようで実感がない。

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静岡県にすんでいる50歳代後半の男性。
56歳のときに11年勤務した仕事を自己都合で退職して以来、無職状態。40代半ばから50代半ばまでは仕事をしていたことがわかる。しかし退職。その理由は、職場の人間関係が面倒になったからなのだそうだ。いやでもやめなければ今頃気の会う職場の友人もできて楽しい人生を送っていたかもしれないが、とにかく退職してしまい、収入を得ることがなくなってしまった。

次の仕事を探したようだが見つけられず、そんな日々は本人の自信を喪失させ、自信喪失がさらなる失業状態へとつながっていっているようである。
収入がないので、預金を取り崩して生活している。持ち家ではなく、賃貸アパートなので、預金が底をついた段階で極度の貧困に陥ることが予想されるが、だからといって仕事を必死に探すという意欲もなく、3日に一回外出して食品を買うという生活。
「親友に裏切られ貸した金が返済されない」という。人間不信に陥っているのだろう。これでは元気いっぱい仕事に精を出す気になれないだろうに。
つきあった女性もいたようだが、離れていってしまって孤独な57歳。

PCもないしスマホもない。この手のものは基本的にお金がかかるから無職は持っていないことが多いように思う。世の中の動きはもっぱらテレビや新聞からのようだ。それでも、こうして朝日新聞の声の欄に投稿し掲載された。朝日新聞を購読するのはこの人が新聞に投稿することにつながっていて、それは社会とつながっていることを示している。社会とつながっていることの証だと思う。そこに居場所を発見できれば自信につながるかもしれない。
改元に沸く日本だが、地方都市で一人ひっそりとひきこもりしている中高年の男性の暮らしの実態をみると本当に何とかならないかと思うのである。50代後半になると新たに就職することは困難になるし、預金は減っていくし、焦ってみても仕事にありつけることは不可能に近い。
年金はいくらぐらいもらえるのだろうか。きっと少ないのだろうと思う。
このような中高年ひきこもりが60万人いて若者とあわせると100万人になる。
それぞれがそれぞれの事情を抱えながらひきこもりをやっている。こうした人々になんらかの支援が届けばよいと思う。
毎日、高齢者のデイサービスのようなところへいって、昼食を食べさせてもらいつつ、洗い物をしたり、掃除をしたりして少し働いて収入を得るというようなことはできないだろうか。良い方法はないものだろうか。
労働契約を結ぶ働き方ではなく、地域ベースのちょっとした仕事で、その日必要な食費程度は稼げるというようなものである。
当事者の声は貴重である。内閣府は調査するだけでなくひとりひとりをそどう支えるか、具体的に考えてほしいものである。

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