3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

勝手に首切りするのか!:長谷川閑史・経済同友会代表幹事の提案は事業主の勝手、禁じ手だ

2013-03-23 00:04:00 | 現代社会論
事業主の勝手がまかり通る社会は暗黒である。
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安倍政権の成長戦略づくりを担う産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)が15日開かれ、民間議員が、解雇を原則自由にするよう法改正を求め、お金を払って解雇できるルールづくりを提言した。今後、欧州の例などを調査して具体化を検討する。
 「人材力強化・雇用制度改革」をテーマにした分科会での議論を経て、分科会主査の長谷川閑史・経済同友会代表幹事(武田薬品工業社長)が提案した。
 労働契約法(労契法)16条は、解雇に「客観的に合理的な理由」を求めている。仕事ができないことや規律違反、経営不振による人員整理など、正当な理由がないと解雇はできない。立場が弱い働き手を不当な解雇から守るための規定だ。
 長谷川氏らは労契法16条の見直しを提案。解雇が禁止される場合の明確化や労働者への配慮に言及したものの、「民法にある解雇自由の原則を労契法にも明記すべきだ」と求めた。「再就職支援金」を払って解雇できる制度も提案した。
 解雇に正当な理由が必要なのは多くの先進国にあるルールだ。「解雇自由」のアメリカでも、人種や宗教など差別的な理由や内部告発したことなどを理由にした解雇は禁じられている。
 欧州では、裁判で解雇が不当だとされたとき、賃金の1~2年分の補償金を払って雇用関係を解消する「解雇の金銭解決」という制度がある。日本の場合、裁判で不当解雇と認められても、原職復帰しか選択肢がない。「金銭解決」制度をつくれば、金額次第では、働く人にとっても利益になるという主張がある。
 しかし、今回提案された「再就職支援金」では、「金銭解決」とは違い、理由がなくてもお金さえ払えば解雇が認められることになる。
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労働者は勝手に首を切られる恐れがある。
これでは、労働者は生活設計がたたず、未来を描けない。
人の人生は浮沈するもの。運もあり、人によっていろいろだから、生活のベースが社会保障などで相当強固にささえられなければ、このような事業主の勝手がまかり通る制度は悲惨な人生を数多く作ってしまうだろう。

父親が首を切られたために大学に行けない子どもたちも増えるだろうし、だれも幸福にはできないしくみである。
これで喜ぶのは会社の経営者だけであり、働く人はたとえ管理職であっても喜べない。
みんなびくびくして首を切られないように静かにロボットのように働くだけである。だから、仕事を無味乾燥にしてしまう。職場は楽しくなくなる。
経営者もそんな静かな労働者群ではろくな斬新な戦略はだせず、かえって経営は停滞するだろう。

これは禁じ手である。
労働者よ、こんなことがまかり通る世の中でよいのか?
若者よ、なぜ、怒らないのだ。
自己責任が染みついているのか。
コメント
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