3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

英BBC制作番組ドキュメンタリー「フクシマ原発潜入:メルトダウンの内側」をみた

2012-05-16 08:13:00 | 現代社会論
月曜日の深夜、英BBC制作番組ドキュメンタリー「フクシマ原発潜入:メルトダウンの内側」を見た。
その日はとても疲れていたので、眠らなければならなかったのに、興味深くて、結局全部みてしまった。

さすがに海外メディア、それもBBCの作品だけあって、内側からのメルトダウンを描いていてよかった。何人かの当事者の証言をとりながら構成されていてリアルな迫り方である。

菅直人も出演していた。
これは大変なことになる、日本が見えない放射能という敵に領土を奪われる、日本だけでなく世界の問題だ、と考えたこと。その問題の大きさと緊急性から撤退は許されないと伝えたこと、ベントのゴーサインをだしたのに何時間もベントがされなかったこと、など、菅直人のサイドからの発言もあり、大変興味深かった。当時たたかれっぱなしだった菅直人も一矢を報いたような気がした。

3.11以後のフクシマ第一(F1)の緊迫した状況、電源が喪失し、冷却ができず、そしてベントもうまくゆかず、センターに「これはやばい」という雰囲気が広がっていく過程がリアルに描かれていた。

決死隊の話、上空からの注水の自衛隊員、消防による放水、想定外の状況、ぎりぎりでも必死に復旧させようとがんばっていたことが伝わってきた。
車のバッテリーをあつめ電源を確保し、かなりの被爆を覚悟で作業にはいる技術者たちの努力をみると、日本の技術力の底力と強い使命感、責任感を感じる。

わたしは、原発を推進して利権を貪ってきた人々を許せないが、しかし、夢のエネルギーと思い、懸命に技術革新をつづけてきた技術者たちについては責める気は全くない。

東電と政府を批判し、原発反対とデモることはある意味簡単である。

あの中で必死の作業を続けている人たちには頭がさがる。

3.11の後の何日かに死闘がつづけられ、なんとか放射能の爆発的な拡散は抑えられている。が、いつ何時牙を剥くかわからない。F1は終わっていないのだ。脱原発と同時に冷却、廃炉の作業が滞ることなく、技術者&作業員には特段の配慮があってよいと思う。彼らは頼みの綱なのだ。

東電は一つではないのだから。
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