3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

生活保護受給者200万人を超える

2011-10-13 09:31:58 | 福祉政策
全国の生活保護受給者が今年3月末時点で202万2333人となり、戦後の混乱期だった昭和27年度以来、59年ぶりに200万人を突破したことが14日、厚生労働省の集計で分かった。受給世帯数は145万8583世帯と、過去最多を更新したという。1992年11月、生活保護は100万人を切ったと報じられていたと記憶する。1995年には88万人になり、最低を記録した。あれから20年近く経ち、次第に上昇していく。9.11があり、リーマンショックがあり、そして3.11東日本大震災を経て傷だらけの日本、当然、生活保護はぐんぐん増え続けるだろう。

やはり、来たという感じである。
震災前からこの余兆はあった。震災が追い打ちをかけた感がある。
昭和27年来の受給者数である。昭和27年というのは、1952年、まだ、戦争の傷痕が生生しかった時代である。上野駅には「浮浪児」がいた。戦争で障害をもった傷痍軍人がアコーデオンをもって街頭で「物乞い」をしていた時代である。

その時代と同じように生活保護層が存在するとは!
華やかな銀座の街角に浮浪児、傷痍軍人はいないのに、生活保護層は増え続けている。見えないところで生保層は増えづつけている。貧困は見えなくなっているのだ。
貧困を可視化しなければならない。目を凝らし貧困の実像を捉えなければ見誤ってしまう。


増え続ける生活保護世帯をなんとかしようと、厚生労働省は30日、生活保護制度を見直すため、地方側と初めての協議を行った、という。

不正受給の防止や、受給者の自立のための就労支援などについて、8月をめどに意見を取りまとめるとのこと。

 協議では、細川律夫厚労相が、(1)受給者の就労自立支援の強化(2)医療扶助と住宅扶助の適正化(3)生活保護費の不正受給防止(4)求職者支援制度など「第2のセーフティネット」と生活保護との関係整理-の4点を検討課題としてあげたそうである。

が、被災地の状況をみればわかることだが、就労支援、求職者支援といっても、就労先がなければ働きたくとも働けないのが実情だ。

不正受給を正そうとして厳しくすると本来の受給世帯まで切られることになってしまう。生保はそうした矛盾した構造を抱えている。
公共的な住宅の供給や電気水道公共料金の低額化、教育の無償化、保健福祉医療と連携したきめ細かな福祉サービスの提供によって、現金給付ではない形でセイフティーネットを構築しなければならない。






 
コメント (1)
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