Iさんは風情ある古都の秋を描かれました。
「京都の秋(石水院・廂の間)」 日本画 M10
鎌倉時代前期の国宝建造物。高山寺石水院の廂の間には、澄んだ秋の日が
差し込み鮮やかに染まりだした木々の色が室内にやわらかく反映されています。
善財童子像は省き、直線だけで構成された風格ある空間とそこから望む彩り
との対比の美しさを強調しました。光の流れと色の響き会いも魅惑的な作品です。
近づいてみました。
時間をかけ下地をしっかり作ったあと、紅葉部分は細かい粒子の岩絵の具を
垂らしこみ自然なあたたかみを出して厚く塗り重ねられた建造物と大きな
変化をつけました。室内手前の暗部にのせた粗い粒子はとくに面白い効果
となって力強さと抑揚をもたらし作品を見応えあるものにしています。
狙い通りの表情がでるまで粘り強く取り組まれるIさん。次作も楽しみです。
過去の作品は制作順にHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の
中のIさんのページにされています。ぜひこちらもご覧下さい。