ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





台東区立坂本小学校。台東区下谷1-12
上:1989(平成1)年7月23日、左:同年3月19日

朝顔市で有名な入谷鬼子母神(新源寺)に隣接する小学校だが、1996(平成8)に入谷2丁目の大正小学校に統合され、坂本小のほうは廃校になった。坂本小は明治32年に下谷尋常小学校として創立された。現在、校舎は区の施設として児童クラブなどに使われているという。
『日本近代建築総覧』では「区立坂本小学校(旧入谷尋常小学校)、台東区下谷1-12-8、建築年=1926(大正15)年、構造=RC、設計=阪東義三(東京市)、施工=長谷川精次郎、表現派風「東京市教育施設復興図集」による」。早い時期の復興建築だ。
分離派建築博物館表現主義の幻影を巡る』によると、邦楽座(有楽町、1925年)の設計が「片岡松井建築事務所(阪東義三)」で「阪東義三は分離派の面々とは同級生でそのせいか表現派的でもある。……阪東義三の活躍は東京市の営繕課に籍を置いて復興小学校の設計に関与したことが知られている。」とある。
玄関やその右の階段室上部の放物線の造形が表現派風といわれる。校門もそれに含まれるはずだが、いつの間にか造り直されて、門柱が下の写真の円柱になってしまった。『分離派建築博物館』には元の校門を正面から撮った写真が載っている。


旧坂本小学校。2014(平成26)年1月16日

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