ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




東府屋玩具店。松戸市松戸1818。2005(平成17)年1月25日

JR松戸駅西口から少し西へ行くと南北の商店街の通りに出る。旧水戸街道(県道5号)だ。その交差点から南へ300mほどで坂川を渡している春雨橋になる。写真はそこの交差点(橋は写真の右手)で、角は駐車場で次いで東府屋と帝国堂時計店の二軒長屋が並んでいる。どちらも戦前から続く商店で、建物も戦前からあるものかと思う。
現在は両者とも「ルフォン松戸ザ・レジデンス」(2015年1月築、14階建93戸)というマンションに替わっている。
東府屋玩具店は写真では「東府屋人形店」「東府屋玩具人形店」「おもちゃ屋東府屋」という3種類の看板の文字があげられている。その後看板は書き換えられて「東府屋人形店」だけに変わり、ぼくは雛人形の専門店かと思っていたが、『表の家>松戸駅付近のおもちゃ屋さんについて』によれば、昭和40年代では子供にとっては唯一の「松戸のおもちゃ屋」だったらしい。

『昭和の松戸誌』(渡邊幸三郎、崙書房出版、平成17年、1905円)に、1992年の調査による昭和12年の家並み図が載っていて1軒々々の簡単な解説もある。それによると、帝国堂の長屋のもう1軒は「つるや」で、写真手前の駐車場になる前の店は「橋本屋」。
解説文を引き写すと「○つるやは松戸最初の洋服小売店。「つるや」のネオン。今は廃業。○津田帝国堂は時計屋で、旧郡役所通りから昭和13年移転。その前の店は不祥。健在。○附木屋東府屋は隣の橋本屋と兄弟、江戸期以来の老舗。東府屋は昔は豆腐屋、当時はおもちゃ屋。健在。○橋本屋は当時荒物雑貨店。今は民芸品店として健在。どちらも曾宮姓。」
昭和12年当時は松戸ではネオンは珍しかったのだろう。「旧郡役所通り」は写真右の車が入っていこうとする道路。

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