ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




小田原文学館。神奈川県小田原市南町2。2012(平成24)年4月7日

田中光顕の別邸として1937(昭和12)年に建てられたRC造3階建ての洋館。設計は曾禰中條建築事務所。2000年9月に国の登録有形文化財に登録された。
南の芝生の庭に面した方の外観は、張り出したサンルーム、3階のベランダと白い壁のモダニズム建築の特徴がみられる。北側はスペイン瓦の屋根と平面的な壁に窓の上部のアーチの飾りなど、スパニッシュ風な味付けだ。


田中光顕については恥ずかしながら、ぼくはよく知らなかった。ウィキペディアなどを参照すると、幕末の土佐の勤皇志士で、明治政府の要人ということだった。関係した人や組織には、武市半平太、高杉晋作、黒田清輝、中岡慎太郎、陸援隊、坂本龍馬、岩倉使節団…。これなら今まで読んだ小説や教養書には出てきたはずで、憶えていないだけなのだろう。
長生きした人で1939(昭和14)年3月に97歳で亡くなった。晩年には富士市と静岡市にも別邸を持っていたから、亡くなる2年前に建てた小田原の洋館をどのくらい利用したのか心もとない。そもそも95歳にもなって家を建てようなどと考えるものなのだろうか? どうも、閣下(と呼ばれていたかどうかは知らない)に家を建てさせて自分のものにしようという黒幕がいたのではないか?

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