ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




旧玉屋。墨田区墨田3-8。2013(平成25)年4月5日

スナック恋心の横を入ると四つ角があり、その手前に「別府温泉」という銭湯があった。『曳舟・向島に住む>別府温泉(2011.10.12)』によると、2000年頃に廃業したようで現在は個人住宅になっている。銭湯跡なので庭も広い邸宅だ。その角を東へ曲がったところに写真の白い壁の家がある。赤線だった時代のカフェーだった建物としてよく知られている物件だ。『玉ノ井 色街の社会と暮らし』(日比恒明著、2010年、2800円)の「昭和28年頃のカフェー街」の地図では「玉屋」という店だ。戦後にカフェーとして営業する目的で、カフェーの外観の特徴を取り入れて建てたものだろう。



左:旧ローズ美容室。墨田3-8。2013(平成25)年4月5日
右:清水パン店。墨田3-8。2009(平成21)年3月29日

左写真の家は旧玉屋と路地を挟んで並んでいる。『玉ノ井…』にはカフェーとしての店名の記載はないし、一見普通の住宅のようでもあるが、1階の庇とその角の丸み、角を三角に削って玄関を設けているのが怪しい。「ローズ美容室」は1968年の住宅地図から。
旧玉屋の向かい側が右写真の空地で、路地はすこし曲がっていろは通りに出る。写真奥の看板建築が正面をいろは通りに向けた「清水パン店」。大谷石の蔵も清水パン店のものらしい。
空地には「一福」というカフェーがあった。赤線廃止後はアパートに転向したらしく、1985年の地図では「一福荘」の記載。
現在は清水パン店はアパートに建て替わり、空地にも住宅が数軒建った。

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