ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





大新京アパートメントハウス。千代田区富士見1-5。1985(昭和60)年8月4日

早稲田通りの飯田橋駅から南、日本歯科大学の手前の角を目白通りの方へ曲がったところにあったアパート。現在は「大新京ビル」(5階建て、1988年3月築)に建て替わっている。
手近に資料がないので詳細は知らないが、昭和初期に建てられた集合住宅だろう。外観のデザインが一般的な洋風のものとは少し異なるようで、和風の味も感じられる。「大新京」という言葉からはなんとなく中国に連想がいき、台湾や上海にあってもいいような感じもしてくる。「大新京」の名称は大家が3人いてその名前の漢字だったりして。
『乱歩と東京』(松山巖著、PARCO出版、1984年、2000円)の写真のキャプションに「RC造二階建て」とある。昔の航空写真では寄棟屋根のように見える。観音開きの窓がわりと珍しいかもしれない。共同便所と共同洗面所を備えて、25室ほどの規模かと思う。建物の平面はL字形で、角の玄関の上の塔屋が特徴である。ただの飾りだとは思うが、部屋にしていたのかもしれない。

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