ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




花定。台東区谷中5-2。1989(平成1)年3月12日

三崎坂(さんさきざか)を上がったところに観智院という寺がある。境内に台東初音幼稚園がある寺で、写真右に見えているお堂が観智院の不動堂・大師堂で明治末の建造。写真中央の出桁造りの家が花定という花屋。隣の、やはり出桁造りの家は萩堅という和菓子屋。墓参りには花は必ず持っていくものだ。法事ならお茶請けに和菓子を持ってくる人が必ずいる。たいていは残って各人がひとつふたつポケットに入れて持ち帰ることが多いようだ。萩堅の隣は国富古美術店。
現在は観智院の塀の前に初音六地蔵が置かれた。塀も造り直されている。写真に写っている建物はそのままで変わっていない。



左:和菓子処萩堅。1989(平成1)年3月12日
右:田口人形製作所。2000(平成12)年5月3日

田口人形製作所(田口人形店)は観智院の門の右側にあった。看板には「面六(めんろく)」という屋号と「振袖人形、藤人形、山車人形、江戸消防纏」の字が入っている。右の飾窓の中の人形の頭部は菊人形の頭(かしら)らしい。左の飾窓には纏(まとい)と神輿の置物。菊人形の人形師である四代目当主の田口義雄氏は平成3年に台東区無形文化財に指定された。田口氏が80歳頃のときだ。平成15年にお亡くなりになった。

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