今週も出張の多い週でした。火曜日の夜から大阪に入り、水曜日はまる一日大阪で仕事をして一旦帰宅。さらに準備を整えて、木曜日の朝から日帰りで再び大阪へ。
しかも、ご存知のとおり昨日の大阪はめったにない大雪。行き帰りとも飛行機にしたのが大正解で、もし新幹線のままだったらえらいことになるところでした。
でも、そんなハードなスケジュールではありましたが、火曜日の夜は、クラシック音楽バーのアインザッツでリベラ33さんやアインザッツのマスターと再会することができて、本当に楽しい忘年会になりました。
その席では、オーマンディがシカゴ響を振った大学祝典序曲やカール・リヒターがウィーンフィルと組んだシューベルトの5番等珍しい音源を聴かせてもらうことができ、新たな感激に浸っております。
素敵な音楽を聴きながら、音楽好きの気のあった人とともにお酒を飲む、こんな幸せな瞬間はありません。あっという間の3時間でした。
また、近いうちにご一緒させてくださいね。
さて、今年物故した音楽家を偲ぶ第2弾として、ヴィオラのトマス・カクシュカを採りあげたいと思います。
カクシュカは、ご存知のとおりアルバンベルク弦楽四重奏団の2代目名ヴィオラ奏者として活躍してきた人です。
したがって、ここではアルバンベルク弦楽四重奏団の素晴らしい奏者として、彼の偉業を偲びたいと思います。
そこで選んだのがこのディスクです。
このベートーベンの13番は1982年の録音ですから、彼がアルバンベルクSQに加わった最も初期の録音ということになりますね。
私がベートーベンの弦楽四重奏曲を真剣に聴きだしたのは、30台になってからでした。それ以前にも単発的にはもちろん聴いてはいたのですが、20代のときに最初に気を入れて聴こうと思って聴いたのが、実は16番だったんです。「ベートーベンの書いた最後の弦楽四重奏曲だからきっと素晴らしい曲に違いない」、と思い込んだのがつまずきの始まり。あまりにごつごつした印象が強すぎて、それからしばらくの間ベートーベンの弦楽四重奏曲そのものを敬遠することになってしまいました。
聴いた演奏がブダペスト弦楽四重奏団だったことも、今から考えてみると原因の一つだったんでしょうね。素晴らしい曲に違いはないんだろうけど、あまりに渋すぎる!
そんなわけで、ベートーベンの弦楽四重奏曲とはすこし疎遠になっていた時期が続いたのですが、あるときに偶然聴いたのがこのディスクでした。
何と瑞々しい音楽。一度でこの曲の魅力にはまってしまいました。
それ以来ベートーベンの他の弦楽四重奏曲もいろいろな演奏で聴いてみましたが、私が最も好きなのはやはりこの13番なのです。
とくに気に入っているのは第4楽章と第5楽章。
ドイツ舞曲風の第4楽章で、主題が戻ってくるときに、重なって奏でられるリズムのなんと斬新なこと。こんな発想は決して他の作曲家からは聞けません。最後のピアノソナタである32番でも、第2楽章の途中でスイングするようなリズムが聞けますが、ベートーベンの音楽は当時としては本当に革新的だったんでしょうね。
それからなんと言ってもカヴァティーナと書かれた第5楽章。実に美しい。崇高な祈りにも似た敬虔な美しさです。まちがいなくベートーベンの書いた最も美しいアダージョでしょう。
アルバン・ベルクカルテットの演奏(旧盤)は、この曲の魅力をあますところなく伝えていると思います。
ベルリンフィルにも似た鉄壁のアンサンブル能力に加えて、ウィーン風の何ともいえない芳しい香りとしなやかさも同時に感じさせてくれる、といったら言いすぎでしょうか。
カクシュカ(va)、エルベン(vc)といった名手たちが中低音を完璧に支えていること、これが大きな要因になっていることは間違いありません。
13番の他の名演としては、アルバン・ベルク弦楽四重奏団自身の再演となったライブ盤(新盤)、ラ・サール弦楽四重奏団の緊張感に溢れた演奏、クリーブランド弦楽四重奏団の暖かい演奏、ベルリン弦楽四重奏団の決して派手さはないけど聴けば聴くほど味の出てくる演奏等、枚挙にいとまがありません。それから紀尾井ホールで聴いたハーゲン弦楽四重奏団の演奏も、ほんとに素敵だったなあ。
でも、この曲の素晴らしさを教えてくれたアルバン・ベルク弦楽四重奏団の旧盤の魅力は、いささかも衰えることはありません。今でも私のベストディスクです。
そういえば、アルバン・ベルク弦楽四重奏団がアルテミス弦楽四重奏団(だったと思います・・・)を指導している場面を、以前BSで観たことがありますが、そのとき室内楽の原点・秘密を垣間見たような気がして大変感動したことを思い出しました。
しかも、ご存知のとおり昨日の大阪はめったにない大雪。行き帰りとも飛行機にしたのが大正解で、もし新幹線のままだったらえらいことになるところでした。
でも、そんなハードなスケジュールではありましたが、火曜日の夜は、クラシック音楽バーのアインザッツでリベラ33さんやアインザッツのマスターと再会することができて、本当に楽しい忘年会になりました。
その席では、オーマンディがシカゴ響を振った大学祝典序曲やカール・リヒターがウィーンフィルと組んだシューベルトの5番等珍しい音源を聴かせてもらうことができ、新たな感激に浸っております。
素敵な音楽を聴きながら、音楽好きの気のあった人とともにお酒を飲む、こんな幸せな瞬間はありません。あっという間の3時間でした。
また、近いうちにご一緒させてくださいね。
さて、今年物故した音楽家を偲ぶ第2弾として、ヴィオラのトマス・カクシュカを採りあげたいと思います。
カクシュカは、ご存知のとおりアルバンベルク弦楽四重奏団の2代目名ヴィオラ奏者として活躍してきた人です。
したがって、ここではアルバンベルク弦楽四重奏団の素晴らしい奏者として、彼の偉業を偲びたいと思います。
そこで選んだのがこのディスクです。
このベートーベンの13番は1982年の録音ですから、彼がアルバンベルクSQに加わった最も初期の録音ということになりますね。
私がベートーベンの弦楽四重奏曲を真剣に聴きだしたのは、30台になってからでした。それ以前にも単発的にはもちろん聴いてはいたのですが、20代のときに最初に気を入れて聴こうと思って聴いたのが、実は16番だったんです。「ベートーベンの書いた最後の弦楽四重奏曲だからきっと素晴らしい曲に違いない」、と思い込んだのがつまずきの始まり。あまりにごつごつした印象が強すぎて、それからしばらくの間ベートーベンの弦楽四重奏曲そのものを敬遠することになってしまいました。
聴いた演奏がブダペスト弦楽四重奏団だったことも、今から考えてみると原因の一つだったんでしょうね。素晴らしい曲に違いはないんだろうけど、あまりに渋すぎる!
そんなわけで、ベートーベンの弦楽四重奏曲とはすこし疎遠になっていた時期が続いたのですが、あるときに偶然聴いたのがこのディスクでした。
何と瑞々しい音楽。一度でこの曲の魅力にはまってしまいました。
それ以来ベートーベンの他の弦楽四重奏曲もいろいろな演奏で聴いてみましたが、私が最も好きなのはやはりこの13番なのです。
とくに気に入っているのは第4楽章と第5楽章。
ドイツ舞曲風の第4楽章で、主題が戻ってくるときに、重なって奏でられるリズムのなんと斬新なこと。こんな発想は決して他の作曲家からは聞けません。最後のピアノソナタである32番でも、第2楽章の途中でスイングするようなリズムが聞けますが、ベートーベンの音楽は当時としては本当に革新的だったんでしょうね。
それからなんと言ってもカヴァティーナと書かれた第5楽章。実に美しい。崇高な祈りにも似た敬虔な美しさです。まちがいなくベートーベンの書いた最も美しいアダージョでしょう。
アルバン・ベルクカルテットの演奏(旧盤)は、この曲の魅力をあますところなく伝えていると思います。
ベルリンフィルにも似た鉄壁のアンサンブル能力に加えて、ウィーン風の何ともいえない芳しい香りとしなやかさも同時に感じさせてくれる、といったら言いすぎでしょうか。
カクシュカ(va)、エルベン(vc)といった名手たちが中低音を完璧に支えていること、これが大きな要因になっていることは間違いありません。
13番の他の名演としては、アルバン・ベルク弦楽四重奏団自身の再演となったライブ盤(新盤)、ラ・サール弦楽四重奏団の緊張感に溢れた演奏、クリーブランド弦楽四重奏団の暖かい演奏、ベルリン弦楽四重奏団の決して派手さはないけど聴けば聴くほど味の出てくる演奏等、枚挙にいとまがありません。それから紀尾井ホールで聴いたハーゲン弦楽四重奏団の演奏も、ほんとに素敵だったなあ。
でも、この曲の素晴らしさを教えてくれたアルバン・ベルク弦楽四重奏団の旧盤の魅力は、いささかも衰えることはありません。今でも私のベストディスクです。
そういえば、アルバン・ベルク弦楽四重奏団がアルテミス弦楽四重奏団(だったと思います・・・)を指導している場面を、以前BSで観たことがありますが、そのとき室内楽の原点・秘密を垣間見たような気がして大変感動したことを思い出しました。
こんばんは。
先日は大変お世話になりました。ほんとに楽しかったです。記事にも書きましたが、あっという間の3時間でした。
来年はモーツァルトイヤーというビッグテーマもありますので、いろいろ勉強しながら楽しく音楽と向かい合いたいと思います。
また、ご一緒させてくださいね。
こんばんは。いつもありがとうございます。
同じような過程でベートーベンの弦楽四重奏を聴いておられたんですね。
なんだか嬉しくなりました。
ところで、15番の第3楽章も本当に美しい曲ですね。
意外と、ベートーベンは緩徐楽章から聴くのが正解かもと思ったりしています。
アルバンベルクの13番は、新旧両方ありますが、旧盤のほうが素晴らしいと思います。
機会があれば是非聴いてみてください。
先日は、お世話になりました。
本当に楽しかったです。やっぱり音楽の醍醐味はライブですね。
また、隠れた名盤を聴かせてください。
来年もよろしくお願い致します。
ベートーヴェンの弦四は僕も最初難解と思いましたが、段々とむしろ交響曲以上に完成度が高いように思ってきました。まだ何番がどうという所までわかっていませんが、また勉強していきたいです。
第13番ですか。残念ながら私には最も難解で敬遠している曲なのです。
>それからなんと言ってもカヴァティーナと書>かれた第5楽章。実に美しい。
この点で、私は第15番の3楽章を思ってしまいます。
最初が16番であることは私も同じなのですが(苦笑)。
なお、アルバン・ベルクは第15.16番を持っていて、第13番はブダベストです。
13番もアルバン・ベルクで聴けば、これまでの考えが少しは変わるでしょうか。
挑戦してみます。
ブダベスト盤を持っているのですが、アルバン・ベルクなら
ね。来年もよろしくお願いいたします。