ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

セゲルスタム&読売日響の「展覧会の絵」「新世界」

2006-01-07 | コンサートの感想
読響、今年も好調です。

今日は読売日響の名曲コンサートへ行ってきました。
私にとっても読売日響にとっても、今年最初のコンサートになります。
まだ新年の第一週ということもあり、晴れ着を着た女性の姿もちらほら。
昨年12月のマチネーコンサートが、息子の吹奏楽部の定期演奏会と重なってしまったので、その振り替えとして名曲コンサートのチケットを手配してもらいました。
本当は1月21日の定期演奏会(演目はマーラーの「復活」)に振り替えたかったのですが、あいにく満席で今日の名曲演奏会に決まった次第です。

<日時>1月7日(土) 午後6時開演
<場所> 東京芸術劇場
<曲目>
■ムソルグスキー=ラヴェル: 組曲〈展覧会の絵〉
■ドヴォルザーク: 交響曲第9番 op.95〈新世界から〉
■ドヴォルザーク: スラヴ舞曲op.72-2<アンコール>
<演奏>
レイフ・セゲルスタム指揮
読売日本交響楽団

冒頭に書かせていただいたとおり、読響は今年も好調でした。
ところで、みなさんは、セゲルスタムというとどんなイメージを持っておられますか?
「北欧系のレーベルからCDを出している指揮者、とんでもなくたくさんの交響曲を書いている作曲家・・・」、こんなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
セゲルスタムを実際にご覧になると、まずその風貌に誰しも驚かれると思います。
私も最初に読響マチネーで彼の指揮姿に接したときは、ほんと驚きました。
百数十キロはゆうにあろうかという巨体、長髪・ひげだらけの顔、この上に赤い服を着て帽子をかぶったらまさに「サンタ・クロース」そのもの。
(チラシの画像は縮小されてしまっているので分かりずらいと思いますが・・・)
しかし、そんなユーモラスな雰囲気とはうらはらに、セゲルスタムの指揮者としての力量は並々ならぬものがあります。
セゲルスタムは、身体に似合わず緻密な音楽を作る人で、一言で言うと非常に見通しのいい指揮をする人です。加えて、各パートの音量を押さえてバランスをとるタイプではなく、どのパートも鳴らしながらバランスをとっていくので、いい意味でオケの鳴りっぷりが抜群。したがって、聴いた後で絶対欲求不満に陥ることがありません。
指揮者として非常に重要な資質を備えている人だと、改めて感じました。

前半の「展覧会の絵」。
正直に告白すると、嫌いじゃないけど苦手なんです、この曲。
昔、大迫力だけど音が固まりになった「大団子」の演奏でこの曲を聴かされて以来、どうやら「とらうま」になっていたみたいです。
だから、我が家でこの曲がかかることは、めったにありません。
そんな状態でしたので、少し半身に構えて聴き始めました。
しかし、冒頭のトランペットソロの何と輝かしく爽快なこと!(ソロは長谷川潤さん?)
何となく「とらうま」が消えそうな予感が・・・。
その後のフォルテでも、音が団子にならず、よく分離して聴こえてきます。
今日は読響のブラスと打楽器群が圧倒的な演奏を聴かせてくれました。サックスのソロもうっとりするくらい見事!一方、強奏部分では、東京芸術劇場が割れるかと思ったくらいの凄いサウンド。それでも団子にならない!
素晴らしい演奏でした。
これで「とらうま」がきれいさっぱり無くなってくれるといいのですが・・・。

後半の「新世界から」。
こちらも、「展覧会の絵」と同様、読響の質の高いアンサンブルに支えられて圧倒的な演奏でした。
とくに第2楽章がよかったなあ。
私が「新世界」の実演で最も感銘を受けたのは、シャイーがロイヤルコンセルトヘボウと来日した時の演奏です。
そのときの第2楽章、ラストに近い部分で各弦楽器のソロだけになる箇所がありますが、息をするのもはばかられるくらいの凄い緊張感で金縛りにあったような感銘を受けました。
今日の読響も負けていません。むしろ音の溶け合いという意味では、読響のほうが上をいっていたかも・・・。
そのサウンドは、昨年も書きましたが既に一流の域に達しています。新年早々、素晴らしく充実した音楽を聴かせてもらいました。
来週は、同じセゲルスタムの指揮でシベリウスの5番他のマチネーコンサートです。
今年も読響から目を離せなくなりそう。

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6 コメント

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リンクさせていただきました (よし)
2006-01-08 10:01:42
いつもお世話になります。

リンク方法が分かりましたので勝手ながらリンクさせていただきました。ご了承願います。CDでシャイーとコンセルトヘボウの「新世界より」を持っていますのでしっかりと聴いてみたいと思います。

返信する
ありがとうございます (romani)
2006-01-08 21:11:00
よしさま

こんばんは。いつもありがとうございます。

リンクの件、大変光栄です。

今後とも是非よろしくお願い致します。



シャイーのCD、若々しさと弾力性に満ちた素敵な演奏だと思います。

私も久しぶりに聴いてみたいと思います。
返信する
Unknown (yurikamome122)
2006-01-10 07:07:32
セイゲルスタムは以前ブルックナーの9番のCDを聴きましたが、個人的にはあまり印象に残っていないのが正直な印象で、その後何度も来日して、聴く機会はあったものの、全部他人に譲ってしまいました。このエントリを読んで大変後悔しております。やはり実演を聴かないとわからないものですね。
返信する
セゲルスタム (romani)
2006-01-10 23:46:02
yurikamome122さま

こんばんは。

いつもありがとうございます。

そうなんですよ。録音にあまり恵まれないタイプかも知れません。

でも、比較的最近リリースされたシベリウスの全集はよさそうなので期待しています。

ただ、あまりに肥満し過ぎかもしれません。

歩くのもつらそうなので・・・。
返信する
どう見てもサンタさん (shinsaqu)
2006-01-11 10:09:23
せーゲルスタム、シベリウスときたらフィンランド→サンタさんという連想しか浮かびません(笑)。生で見たことはないですが、相当危険な太りっぷりですよね。廉価版CDが発売されない限り、聴く機会はしばらくなさそうです。
返信する
ほんとサンタさんです! ( romani)
2006-01-11 22:18:39
shinsaquさま

こんばんは。

いつもありがとうございます。

やっぱり、どうみてもサンタさんですよね。

でも愛嬌や力だけではないのが彼の魅力です。

微笑ましい外見と中身の詰まった音楽、素晴らしく個性的だと思います。

また、機会があれば是非お聴きになってください。
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